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ベトナムでの電動スクーター用いた電力供給ネットワーク

停電が日常のベトナムで電動スクーターのユーザーが自身保有のスクーターの電力を用いた給電サービスを展開しています。
まだ20人程度の小さい取組ですが、彼らが支援する中小企業/小規模事業者にとって継続できな電力利用が死活問題であるところ、コミュニティx電動モビリティの実践的な取組として面白いと思います。
日本でもV2Gなどでの災害対応は良く取り上げられますが、より日常に即した本取組を通じて[V2Gが日常の一部]になることがベトナムでは想定されます。

1;電動スクーターを活用した電力セーフティネット

 ベトナムでは大都市でも停電が頻発するが、殆どの中小企業/小規模事業者は停電時の対応ができておらず場合によっては商品が台無しに…。一部の電動スクーターユーザは車両の充電電力を用いて給電を行い、電力網のセーフティネットを担っている
 Re:Chargeという取組は、[Dat Bike]の電動スクーター所有者による草の根活動として行われる充電サービス。[Dat Bike]は2019年立上のベトナムのローカルEV事業者、規模は比較的小さいが活発なユーザのオンラインコミュニティを持つ。電動スクーターには最大5kW/hのバッテリーが搭載され、1kWか2kWのインバーター経由で220V電源に変換可能。
 *インバータは、フル負荷/充電で2時間/4時間の動作ができ、小規模コンビニの照明&冷凍庫2台に3-4時間電力供給しうる
 
 ReChargerと呼ばれるユーザグループはホーチミン市内企業向けのホットラインを設置し、飲食店/カフェ/理容店/小売店などを支援。現時点でのRe:Chargeは10-20名程度の取組だが、Facebookグループには3,000人程度のメンバーがおり今後の拡大が期待される。給電サービスに対して企業に料金請求はせず、ボランティアの一環として行っておりアイスやお菓子をお礼で受け取っているとのこと

2;DatBike社とは

 2019年創業のベトナムローカルの電動スクーター新興企業で、研究~開発~生産~販売を一気通貫で担うMade-In-Vietnumの実現を目指す。ベトナムで太宗を占めるICEをEVに置換し、ベトナムでのクリーンで持続可能な輸送ソリューション提供を行っており、ホーチミン/ハノイ/ダナンに店舗を構え、昨年にはGojekとの配車提携をリリースしている
 直近では24/01に[Quantum]ブランドの新型ラインナップである[DxDragon]をリリース、当初は100台限定で5000万VND(30万円)で販売予定
 バッテリー容量;7,000w,最高速度;100km/h,41lのトランクを備え、4時間の充電で270km走行が可能になるとのこと。一括払いに加えて、24か月の分割払いプログラムも提供、当面の金利は0%として購入/所有のハードルを低くしている(10年間の長期バッテリー保証付き)

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