生成AIを自動運転トラックに適用するWaabiが2億ドルを調達へ
生成AIをベースに自動運転/自律運転の実行システム/SWを開発するWaabiがNVDIAやVolvoなどから2億ドルを調達しました。
同社はデジタルツインx生成AIを用いた開発に強みを持ち、従来AIのブラックボックス/ハルシネーションといった課題も解決して信頼性高いプロダクトとなっています。
まず長距離トラックに実装して事業化を行い、その後にロボタク/eVTOL/庫内ロボなどに拡大していく計画を表明しています。
1;Waabiによる資金調達
6/18に自動運転トラックx生成AIの開発/製造を進めるWaabiが2億ドルの調達に成功したとリリース。SeriesB調達で、今回のラウンドはUber/Khosla Venturesがリードして募集超過とのこと。これまでの調達は今回を加えて2.8億ドルに。
他投資家は[事業系;NVIDIA/Volvo-VC/Porsche Automobil-HD/Scania Invest]などで、[金融系;HarbourVest Partners/G2 Venture Partners/ThriveVC]などが名を連ねた
今回の調達資金は2025年に同社が掲げる[完全無人x生成AI搭載x自動運転トラック]の実現に向けた研究開発等に用いられる。今回ラウンドでは事業会社が多く入ったことで、テキサスでの[完全無人トラック発売][無人運転業務の地域拡大][製造供給網の強靭化]を担保する
調達について創業者/CEOのRaquel Urtasun氏は下記のように語り、自社プロダクトへの高い評価を強調
[現在の自動運転は資本集約型で、複雑/脆弱なAIによってロボット工学/自動運転の連携が妨げられている]
[既存のやり方に投資家も業界も我慢の限界であり、新しいアプローチが求められており、今回のラウンド成功はその証拠だと思う]
2;Waabiとは
Waabiは2021年にUBER-ATGの主席科学者を務めていたRaquel Urtasun氏が立ち上げ、人間同様に推論できるAIシステムを開
これまで[長距離トラックの自動化]から始めて[自動運転車の商用展開]を加速すべくAIファーストのアプローチを実施。Waabiシステムは次世代GenAIで、[膨大なデータセット/LLM/大規模計算力]に拠らないシステムと称される
AV業界の優勝劣敗が進む中で、Waabiの調達成功は注目に値し、劣[車両系/専用システム系]/優[AI活用系/拡張可能ソリューション系]となっている。劣にあるのは[EmbarkTrucks=閉鎖][Waymo=自動運転貨物事業の一時停止][TuSimple=米国事業を閉鎖]といった状況。加えて、ロボタクも[Argo AI=閉鎖][Cruise=重大事故と対応の不備で事業停止][Motional=従業員のほぼ半分レイオフ]…
Urtasun氏は調達について[困難な時期に資金調達を行えば、最も強力な企業を作り上げることができる。特にAV業界は多くの挫折を経験している]と語る
3;Waabiのプロダクト
世界/環境を人間のように認識/即時反応するAIを搭載したAVスタックを構築することで事業実装(当該シミュレータは[WaabiWorld]と呼ばれる)。
TeslaとWaabiの違いは下記の通りだが、Urtasun氏によると[デジタルツイン/繰り返し学習の実行で、AVでの必要データ/計算量は大幅に減り、世界中に車両を効果的に配備しる必要もなくなる]とする
Tesla;運転方法を学ぶために[模倣学習]を使用、AIモデルのトレーニングに使用する実際の運転状況動画を何百万本も収集/分析してきた
Waabi;[デジタルツイン構築]→[リアルタイムのセンサーシミュレーション実行]→[ドライバーをストレステストするシナリオ作成]→[ドライバーに人間介入なしに間違いから学習(教育)]といった流れの閉ループシミュレーターを活用(=デジタルツイン上でトレーニング/テスト/検証のほとんどを実施)。シミュレーター活用を通じてWaabiはわずか4年でテキサス州にでの商用実証の実行を実現(前席に人間運転手が乗る実証で、Uber Freightとの提携を通じて実行)
Urtasun氏は[当社テクノロジーは柔軟で開発速度早く、拡張可能性も高く早々に一般化する可能性がある]とし、拡張可能性を強調。WaabiはWaabiWorldをトラックのみならず[ロボタク][ヒューマノイド][倉庫ロボ]などでの展開可能性がある
3;Waabiの用いるGen-AI
Waabiの基礎部分のGenAIモデルは、LLMベースのGenAIに蔓延するブラックボックス(判断基準が不明)や幻覚効果(事実に基づかない情報生成)の影響を受けないとする
Waabiモデルは解釈可能なE2Eのトレーニング可能なシステムであり、検証/追跡が可能な点に特徴があり、合理化/単一アーキテクチャで機能実装されており、他の自律ユースケースにも適用可能であり、Urtasun氏は下記のように語る
[倉庫作業として、物を拾ったり落としたりすることをロボにさせれば問題なく学習できる。複数のユースケースで特徴/スキル/動きを学習して拡張することが可能]
Waabiの用いるGenAIは[Copilot4D]で、物体との距離把握に光を使用するLiDarからの大量データに基づいて訓練
モデルに特定状況を提示すると、周囲車両の動きを予測して、さらにその後の5~10秒先の予測値を生成。Urtasun氏は[Copilot4Dは、周囲のデータを取り込み予測を生成するモデルで、自動運転の次の段階に役立つと考えられている]とする
Waabiは、カメラでなくLiDarに焦点を当てた生成モデル(Copilot4D)を構築する点で競合他社と異なる。[LiDarデータ収集]→[点群を3Dマップに分割]→[訓練データに基づいて全LiDarデータの動き予測]→[継続反復で5秒~10秒先の未来予測]といった流れに