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GMはCruise:Originを完全放棄、約6億ドルの減損計上へ
GMは7/23の決算説明会でCruiseの自動運転車;Originの減損/開発完全停止を発表しました。
ロボタク事業に関しては次世代Boltを用いる計画で、規制/事業観点でハードルを取って早期の事業化へ道筋をつけるとのことです。
今回の減損はCruiseへの出資も含まれており、IFRS上の公正価値の更なる低下も避けられそうにない状況です。
https://investor.gm.com/news-releases/news-release-details/q2-2024-letter-shareholders
1;ロボタク;Originの減損/開発停止
7/23にGMはFY24-2Qの投資家説明会の中でCruiseに係る事業再編を発表し、5.83億ドルの費用を計上。内容としては[Origin資産の減損(非現金償却)][その他事業再編費用]の項目で計上
Cruiseの直近業績(2Q)は営業損失で11.4億ドル(減損費用6.05億ドルを含む)を計上していた
Cruiseは[ハンドル/ペダルレスな専用ロボタク;Origin]の製造計画を撤回し、次世代Chevrolet Boltでの運用に舵を切る
GMのCEO;Barra氏は[今決定は規模拡大への道筋の簡素化]を狙うもので、Originの特殊性/個別性が事業の阻害要因だった認識を示したが、かつて数万台の需要予測をしたOriginは命脈が断たれ、2025年に生産開始する次世代Boltでの対応に完全シフト
Originは20/01に試作機が発表された自動運転車で当初はライドシェア向けに開発されたモノ。CruiseがGM/Hondaと協業して開発した車両だったが、事業化目途/技術先行で多額のコストがかかっていた
2;株主向け書簡
株主向け書簡でBarra氏は[Origin開発の停止/減損計上]はユニットコスト低下/資源最適化を通じて事業展開に道筋をつけるものとする。内容は下記
-[過去数か月間のCruiseの進歩を評価しており、自律技術を使用してモビリティを変革するビジョンは不変。CruiseはAIファーストの企業で、走行/試験の度にビジョンに近づく]
-[Cruiseは幾つかの都市で営業再開し、CEOとしてMarc Whittenを指名するなど組織変革も行っている]
-[利用する自律走行車をOriginでなく次世代Chevrolet Boltとすることで規模拡大を簡素化する。Originはユニークな設計故に直面した規制の壁をクリアできる]
書簡内容の補助でGMの広報担当は新型Boltの上市時期は明らかにしないが、下記のコメントを出している
-[このシフトで、より高い費用対効果/幅広い選択肢が生まれ、より早く自動運転の未来を追求できる]
-[Originはハンドル/ペダルがなく、キャンプファイヤーシートを採用するが、このデザインは現在許可されていない]
3;その他
財務諸表では減損対象及び原因について詳細を記載している
(対象) 24/06末時点における売掛金/受取手形(6億ドル)、及び転換社債/延期契約に関連する長期未払金
(原因) Cruiseによる[自動運転/監視付きで手動のAV事業の一時停止]及び[Originの無期限延期に伴う再編]とする
Cruise創業者のKyleVokt氏はXに以下のように投稿して失望を表明
-[GMによるOrigin手放しに失望した]
-[GMは何度も10年先の先行を手にしたのに、そのボールを手放してしまった…EV1を今やだれが覚えているというのか]