トランプ氏が石油会社に10億ドルの政治献金とEV補助撤廃を働きかけ
今年予定される米大統領選でトランプ氏が反EV/親ICE&HVの色合いを鮮明にしています。
先月の石油会社幹部との会合で10億ドルの政治献金とEV支援策撤廃を紐づけたディールを働きかけたと報じられています。
現在のEV支援策はバイデン政権の最重要政策のところ、トランプ氏が当選した場合には上記献金が無くとも減少/削減が想定されます。
https://www.washingtonpost.com/politics/2024/05/09/trump-oil-industry-campaign-money/
1;トランプ氏のEV関連公約
5/10の報道によるとトランプ氏は石油会社幹部との会合で[10億ドルの献金があれば大統領就任後にEV奨励金を打ち切る]と語ったとのこと。
4月に行われた石油会社幹部との会合での一幕で、環境規制/政策へのスタンスに対する質問の回答。トランプ氏は[皆さんは十分に裕福で私を大統領に戻すために10億ドルを拠出すべき]と語ったとされる
トランプ氏は同会合で[現政権の進める殆どの環境規則/政策を撤回、新たな規則や政策の制定を阻止する]と誓った。特にEV/風力エネルギーに関する政策縮小について具体的に言及した
2;トランプ政権時の政策
トランプ氏の基本的な姿勢は[反EV][反脱炭素]であるとされ、実際に2020年予算策定に際してはEV税額控除の廃止を模索したが実現しなかった…
当時、一部自動車OEMの支援を受けてEV普及の阻害を模索していた。基本的にはディールとして捉え、利用価値があればEV支持に代わる可能性もある
現在の24年選挙CPではEVの展開/普及を加速する如何なる取組にも反対するという姿勢が明確に。
3;その他
一般的にEVは環境負荷軽減手段と位置づけられるが、その普及に際して推進に向けた補助金/生産支援などの文脈で政治色を帯びやすい傾向。気候変動の原因が化石燃料の燃焼にあることは事実で、米国の自動車産業による健康被害の規模は数十億ドルと試算される
環境負荷側面でのEV選択に加えて、他国でのEVシフトが急激に進んでいる点も考慮する必要はあるが、果たして…
EVが新しいモノで製造/規則/消費などの観点で産業の強靭化/高度化を進めるものと捉えれば米国にとっても新しい製造業の柱とし得る