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配車/宅配PFはCA州で引き続きドライバーを請負事業者として扱い可能に

7/25にCA州最高裁は移動サービスPF事業者とドライバーの関係は引き続き請負関係となると判断を下しました。
ギグエコノミー法や先立つ高裁判断では[ドライバー=従業員で最低賃金保証/社会保険提供)]を求められましたが最高裁は一転判断。
一方で他州でも同様の議論は巻き起こっており、CA州は結論づいたものの他州/市への対応もより求められそうです。

1;CA州最高裁による判決

 7/25にCA州最高裁はギグワーカーは独立請負業者であるとの判決を下した
 内容としては20/11に州議会が可決した[アプリベースのギグワーカーは独立請負業者と分類]する法案(Prop-22)が今後も継続する判断。アプリベースのドライバーの独立請負業者とする分類は[労働者災害補償に関する権限を議会に与えるCA州憲法の条項に反しない]と判断するもの
 当該判決は当然ながらUber/Lyft/DoorDash/Instacartなどのアプリベースの企業にとって勝利であり、ギグワーカーと顧客を結びつけて乗車/宅配等のサービスを提供する事業モデルを維持すべく戦った帰結であり、各社は以下のようにコメント
 -(Uber) [運転手/配達員が望む時に望む分だけ働ける自由がCA州法にしっかりと刻み込まれ、望まない雇用モデルに彼らを強制する試みに終止符を打った]
 -(Lyft) [今回の最高裁判決を歓迎する。調査対象となったCA州ドライバーの80%以上がProp-22は自分たちにとって良いことだと述べた]

 Prop-22に反対する人は本判決の再検討を請願できるが、ほぼ確定。反対勢力は下記のようにコメント
 -弁護士[ライドシェアドライバーは、最低賃金/雇用保障/失業保護など他労働者と同様の保護を受ける権利がある。議会の行動が求められる]
 -メディア[最高裁判決はハンガーゲームの継続であり、最低賃金保証額は水準が低すぎる]
 -メディア[最低賃金保証は、不透明なアルゴリズムによって歪められている、Chap22は全国での前例になってしまう]

 本件は2023年にCA州高等裁判所で[Prop-22は違憲で執行不能。州議会の権限を不当に制限するもの]との判断していたことへの最終判断

2;Prop22とは

[概要]
 Prop22は[Bill-AB5)ギグ・エコノミー規制法)]に対するUber / Lyft / DoorDash / Instacartの対応法案
 反対対象とAB5はギグワーカーを[従業員として分類して最低賃金/労災保険/福利厚生を受ける権利を与えることを企業に義務付ける]規制

 Prop22は労働者への雇用機会提供/サポートの無い請負業者としての維持の間で妥協点を見出そうとしたもので下記を含んでいる
(報酬)
 労働者は労働時間に対して州最低賃金の120%を設定、従事マイルあたり30セントの報酬を受け取る資格が付与される
 2021年以降はインフレ調整される規定だが、インフレ調整に失敗して4社は23年に未払車両費用として数百万ドルの支払いを実行
 最低賃金は労働者がサービスに積極従事している場合にのみ適用され、サービス待機時間に対しては充当されず。
(医療補助)
 ドライバーに対して医療補助として事故保険/障害手当/死亡手当/その他給付を提供する
 └週に一定時間(手当の半分=15時間/h,全額=25時間/h)働くことと実サービス従事中という条件付き。あくまで勤務中という条件のため、ドライバーがアプリをオンにしてても待機中であれば給付対象外となる

[批判の声]
一部メディア/批評家は待機時間での不適用や水準の低さを指摘
 -[企業はオンデマンドサービス提供のために、労働者が待機/受け入れることを当てにしているはず]
 -[車両維持/ガソリン/保険などの諸費用を勘案すると収入保証は実際にドライバーに最低賃金を与えるには不十分]
 また、ドライバーは[乗客に請求される料金の半分以下しかドライバーに支払われない…料金/利益はどんどん上がっているのに]と述べ、[補助金資格を得るのが難しく、認定ハードルも厳しい]とも語っている

3;その他

 企業サイドは[ギグワーカーやCA州議会/有権者にProp-22が最善と説得]するための広告費に2億ドル以上を費やしたとされる。事業モデルの根幹にフルタイム従業員に比してコスト(社会保険/福利厚生)が低いギグワーカーを用いることがあり、それを守るために重要な支出だった

 シェアリングPF企業はCA州以外でも係争を抱えており、労働権/人権活動家を戦いを強いられている。企業側は[追加コストは顧客転嫁しており、賃金引き上げ義務は最終消費者に損害を与える]と主張。
 -(MA州) 24/06にドライバーに32.5ドル/hの最低賃金基準を採用。ドライバーの不適切使用(独立請負業者)への訴訟和解金で1.75億ドルを支払い
 -(NY市) ギグワーカーにアプリをオンにして待機している時間にも19.56ドル/hを支払うことで合意
 -(MN州) 州議会が[最低賃金として"1.28ドル/㏕"か"0.31ドル/分"]を保証する法案を制定

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