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次期運輸長官候補、EV所有者向けに道路使用料設定を目指す

トランプ政権の運輸長官候補が公聴会でEV保有者向けの道路利用料賦課について言及しました。連邦政府の道路整備財源は燃料税であり、EV保有者はフリーライダーとの指摘がある中での対応となり、法的ハードルはあるものの実現に動きそうです。

https://www.reuters.com/legal/trump-usdot-nominee-says-tesla-safety-probe-will-continue-2025-01-15/


1;EV保有者への道路利用料賦課

 1/15の上院公聴会で次期運輸長官に指名されたSean Duffy氏はEV所有者への道路使用料賦課に言及。Duffy氏は[(道路使用料設定)実現するには乗り越えるべき課題が多くある…]と述べて執行に向けた課題認識を新たに。
 運輸省が単独で変更を行う権限はなく、税金/手数料を認可する新法可決にむけて議会と協力する必要(1956年高速道路収入法の改正など)がある。現状の燃料税は18.3¢/ガロンで道路補修等の交通インフラ整備費用に充てられる

 EV保有者賦課についてはEVの走行距離/電気使用量を計測/報告できる実施枠組みを創設する必要…。
 対象データの正確な把握とプライバシー確保の両立は技術的ハードルとなる。加えて、環境保護団体/自動車OEMから厳しい反対を受ける可能性も

 現在多くの州(ジョージア州やイリノイ州など)でEV所有者は道路使用料を支払う。賦課方式は固定/従量で様々にあるが、基本的に燃料税収入に対応した料金支払い
 連邦政府による道路補修は主にディーゼル/ガソリンへの税金で賄われるが、EVはガソリンを消費しないため、道路補修に寄与しないフリーライダーとの指摘がある

2;EVの政治化とDuffy氏

 Duffy氏の発言はトランプ政権によるEVの政治化の一環とも。トランプ次期大統領はEVをリベラル政策の象徴と位置づけ、バイデン政権下でのEV補助金打ち切りを公約に掲げている
 第1期でもオバマ政権でHV/EV普及促進に向けて設定された燃費基準を撤回していた

 Duffy氏は1971年生まれで2011-19年に共和党下院議員(ウィスコンシン州)を務め、現在はロビイストとして事業を行う。いくつかのドラマ出演を行う一方、ウィスコンシン州郡地方検事を務めた後に下院議員に当選。24/11にトランプ次期大統領が運輸長官候補に指名
 下院議員在任期間中は共和党の中でも反リベラル派として[公務員給与削減][環境保護対象の削減][適性国からの米国入国禁止]等の法案に賛成/推進してきた

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