BYDがタイでのEV生産開始と市場簒奪へ
BYDは3月末にバンコクで開催された自動車ショーでEV新型モデルの発表と同時に[タイでのEV生産開始]を表明しました。
タイでのEVシェア拡大が進み、バンコク市内でのインフラ整備や社会的需要が進む中で国内生産も行うことで一気に市場簒奪を図っているように見えます。
1;BYDによるEV施策促進@タイ
3月末のバンコク自動車ショーでBYDは[新型モデルの開示/展示]を実施、同時にFY24-3Qにタイの新工場でEV生産を開始すると発表。23/03に着工が開始され、今後数か月以内に建設が完了する予定で年間150,000台のEV生産を見込む
タイ政府が国内生産自動車の30%をEVにする目標に向けて動く中で、BYDはタイを枢要地域と設定して推進する
販売面でBYDは2023年にタイにおけるEVの最大販売者となるなど、これまで日系の牙城だったタイ市場を取りに来ている
[BYD Atto 3 SUV]は20,000台弱が納入、APAC担当GMは[42日間で10,000台の販売目標を達成し、人々は購入のための列を為した]と語った。ちなみに自動車ショーでは[Song Max][Sealion][[Song Plus(Seal U)][Yangwang]等の新型EVが発表された
2;他国含めたBYDの動き
BYDはICE車をせん滅対象とする[解放戦]と開始、具体的には生産/販売コストの効率化を通じて販売競争力の優位性を構築。同社によると[EVはノックアウトラウンドに入った]とし、EV価格引下/新型モデル導入(Honor-Edition)を通じて既存OEMにプレッシャーをかける
最安の新型モデル;Seagull EVは9,700ドルとされており、競合他社は追いつけないレベルに
BYDは24/01にウズベキスタンでの生産を開始、ハンガリー/ブラジルでの新拠点及びベトナムでの拡張を予定する
タイに関し、BYDは3/29に本件投資は[先進的なEV製造技術導入を通じ、相当な雇用が創出される]としている。
3;その他
タイ工業連盟によると、24/01のICE自動車生産は前年同月比で95%となり、一方でEV生産は92.1倍となった。BYDは、タイでの生産範囲を拡大することでEVシフトの動きを全取りしようとしている
既存OEMは米企業を中心に危機感を表明しており、GM/Fordは下記の通り表明している
-GM;CEOはBYDの新型車種について[相当に優れており、EV攻勢に対抗できないと既存OEMは20-30%の打ち上げを失う]と危機感をあらわにしている
-Ford;小型/手頃価格のEV開発に注力する方針で、小型PUT/SUVを低価格EVとして2026年に25,000ドルで販売する予定
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