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カリフォルニア州の自動運転車試験が激減した理由
カリフォルニア州での自動運転試験走行距離が激減したレポートを当局が出しました。背景にはCruiseの事業停止とWaymoの商業化がありますが、これに続く企業が規制の多いカリフォルニアでの試験を忌避していることも背景にありそうです。
1;CA州での自動運転試験の激減
1/31にCA州運輸局が発表したレポートによるとCA州での自動運転試験(公道)が急減。
2024年の自動運転車の試験走行距離は合計450万㏕で前年比50%減で、数値には[人間ドライバーによる自動運転][無人運転試験]の2つが含まれる。同局によると[無人運転試験]でより顕著で、[2023年;326万㏕]から[2024年;55万㏕]と83%減少。
追加で運輸局は年次離脱レポートで技術故障/安全上懸念による人間ドライバーへの制御シフトに係る事例も公表
これらレポートは、各社が個別基準を使用。結果の比較や技術評価(熟練度)に難があり過去から物議をかもしてきた
2;減少の背景
今回の減少は[対象企業の減少]と[新規認可の減少]が背景にある
[対象企業の減少]
Waymoの商用ロボタク事業者への移行と、GMによるCruiseの事業停止が大きく影響
→Cruise;2023年に260万㏕の走行試験を行ってきたが、23/10の自己と一連の隠蔽を通じて許可停止を当局が行い、最終的に事業停止へ
→Waymo;サンフランシスコ/ロサンゼルスでの商用運用を拡大、試験から事業に段階がシフト
[新規認可の減少]
過去3年間で[人間ドライバーによる車両試験]に向けた許可数は著しく減少。22年;4件→23年;2件→24年;1件となった。
現時点で[安全運転手付きのテスト許可]を保有するのは31社だが、動いているのは一部のみで、[11社;24年に実際に公道テストを実施][9社;試験を中止してプログラムから撤退]であった。
[無人車両試験]の認可はAutoX/Nuro/WeRide/Waymo/Zooxを含む6社で、[商用運転]の許可はMerceds(一部高速道路での高度ADAS搭載)/Nuro/Waymoの3社のみ
3;その他
自動運転が脚光を集め、VC資金が流入した2019年には60社近くが試験許可を保有していたが状況は一変して統合/分別の時代に。
自動運転に資金投下する企業は限定的となったが、Wayveは24/05に10億ドルを調達し、Waymoは24/11に56億ドルを調達。積極的な資本参加者は少数に絞られ、試験/商用走行距離ではWaymo無双ともいえる状況にある。