VWとRivianの次世代EV&SDV開発に向けたJVが始動へ
6月に大々的に発表していたVWとRivianの資本業務提携に関し、両社はJVを設立して次世代EV/SDVの中核たるソフトウェア/電気アーキテクチャ開発に乗り出すことになりました。既にVWグループのCariadにはRivian出身者が多く在籍していますが、今回のJVを通じてより実現性の高い施策を実行します。ただ、Cariadとの業務線引きはあいまいな部分があり、火種にならないといいのですが…
1;VWとRivianの合弁事業がスタート
11/13にRVWとRivianは合弁会社[Rivian and VW Group Technology, LLC]を設立したと発表。24/06の発表の両社資本業務提携に基づき、EV/SDVに係るSW/アーキテクチャの研究開発を行って自社製品に導入
JVは共同CEO体制/50-50の資本構成で設計され、両者からSW開発者/エンジニアが在籍。拠点はCA州パロアルトに置き、北米/欧州で3つの拠点を開発中。RivianからはWassym Bensaid氏、VWからはCarsten Helbing氏が共同CEOとして参画
既存のRivianの機能を活用して両社のSDVの開発/製造を加速させる方針で下記を最初の目標とする
-26年前半にRivianの中型SUV-R2を発売
-27年にはVWの最初のSDV発売を可能とする方針
両社は本件提携による[開発コスト削減]と[新技術の迅速拡大]を強調する
(Rivian) 必要資本と事業多様化機会の獲得
(VW) EV向けの次世代電気アーキ/SWを獲得して競争力を確保
両社CEOは下記のように述べてSDVの将来性と成長を強調する
(VWのCEO;Oliver Blume氏) [Rivianとの提携は当社の世界的な競争力と技術力を強化するための重要なステップだ]
(RivianのCEO;RJ Scaringe氏) [当社技術がRivian以外の車両に統合されるのを大変嬉しく思う。EVの採用を加速させる重要なファクターだ]
2;両社の状況とCariadの行く末…
(両社状況)
VW及びSW部門;CariadはSDVの開発/提供に遅延&苦戦しており、Teslaとの競争に負けつつある認識…SDVは車内環境/機能をSWでアップグレードできる車両で、多くのOEMは車内エンタメ/サービスを通じた収益計上を嗜好する
24年初め、Rivianは新しい電気アーキ/コンピューティングPFを含む、車両コアを改良したR1T-PUT/R1S-SUVの生産を開始。新しい電気アーキは、Rivianにおける研究開発の重要な成果で、SWのワイヤレス更新を可能にするものとする
(Cariad)
CariadはこれまでVWグループでEV/SDV向けSW開発を行ってきたが、今後の将来性は不明…現在、Cariadは自動運転/データ管理/クラウドサービスなどのSWガバナンスを担当するが、最近既存SW-PFの運営も追加された
VWグループのCEO; Oliver Blume氏は[Cariadは引き続きVWのグローバルSW戦略で中心的な役割を担う]と述べている
24/06の発表以前にもCariadは少なくとも23人のRivianの従業員を雇用してSDVハブ(CariadのSW2.0開発拠点)を強化。合弁事業にもRivianは多くの人材を提供する予定で、Rivian;CEOのRJ- Scaringe氏は[Rivianはチームのかなりの部分を提供する予定だ]と述べる
3;その他
VWは27年までに最大58億ドルを投資する予定で、6月発表に比べて8億ドル増加。既にVWは10億ドルをCBの形で出資
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