GMが中国事業に絡んで50億ドルの減損を計上すると予告
GMは中国市場での市場競争激化と自社基盤停滞に絡んで、再編等に向けて50億ドルの減損を行う旨を予告しました。
中国ではBYDが1万ドル以下の低価格EVで事業拡大を行い、従来OEMのシェアを簒奪しておりGMは事業縮小へ動いています。
ただ、縮小均衡の方向性で従前に誇った15%の市場シェア回復はもとより、昨対比悪化トレンドの緩和に繋がるかも疑問です…
1;GMが中国事業で減損へ
12/4にGMは中国事業に絡んで50億ドルの損失計上を予想すると規制当局に通告。中国での合弁会社;SAIC-GM(SGM)が第4四半期に[26-29億ドルの減損][27億ドルの再編費用]の計上を見込んでいる
SGMは中国国営のSAIC-Mortorとの50:50のJV(90年代後半設立)でビュイック/シボレー/キャデラックの車両を製造
中国はGMにとっての金城湯池だったが急速なEVシフトとBYDの攻勢で急速にシェアが低下、事業再編が必要な状況に。提出書類では[JVとの新たな事業予測と特定の再建措置を考慮して]事業価値の切り下げに至ったとしている
GMの最新施策は[工場閉鎖及びポートフォリオ最適化]と記載されるが、対象拠点や対象事業は不明。GMはSGMと連携して[中国事業立て直しに向けて資本効率/コスト管理に注力]しているとし、FY25には前年比での改善を見込む
先立つ10月にCEOのMary Barra氏は[事業改善の取組により年末までに改善を実現し、ディーラー在庫減少と売上/シェアの改善を見込む]と投資家に説明していた
2;中国市場の状況
中国本土では旧来OEMがBYDに代表される低価格EV専業社に追いつけない状況。BYDは11月に過去最高の50.6万台の販売を記録し、年間で370万台近いEV/PHEVモデルを販売。23年にBYDは中国で最も販売したブランドとなり、40年間トップシェアを誇ったVWを追い抜いた
GM中国事業はFY24の1~3Qで3.5億ドルの損失を計上、販売台数はYoYで59%減少の37万台と燦燦たる状況。GMの中国市場でのシェアは2015年の15%をピークに2023年は8.6%にまで半減
VWも同じくシェア激減の中にあり、中国でのEV展開にあたっては小鵬汽車/上海汽車との連携を強める施策を取っている。元々は上海汽車との合弁で市場開拓を進めてきているが、最近合弁契約を10年延長して2040年までとすることで合意