Uberがインドで政府機関と連携して公共交通機関チケットも提供へ
Uberがインドで政府主導のEC-PFと接続して公共交通機関のチケット予約/利用をAPP上で可能とする動きを見せています。
インド政府による国内事業者EC化施策の一環として進められているもので、Uberは配車に加え他交通機関接続でユーザ利便性を向上させ、インド国内の渋滞緩和にも貢献する見込みです。
1;Uberと政府のEC基盤の接続/統合
2/22にUberはインド政府が進めるEC分野協業PFとの連携に係る覚書を締結
└ONDC(Open Network for Digital Commerce)との連携により、Uberのサービス範囲を拡大する方針。詳細は非公表だが、一部メディアは[都市間バス発券][地下鉄発券]の機能が実装される予定とのこと
今回の連携についてUberのCEO; Dara Khosrowshahi氏は
-[オープンソースの技術スタックに大きな関心を持っており、あらゆる人にもたらす機会を認識している]
-[Uberが全インド人の日常移動ニーズを満たす基盤となるべくONDCとの連携を加速し、実装を進めていく]
片方のONDCにおけるMD/CEOであるT Koshy氏は下記のように語りサービスの充足がONDC拡大のカギとする
-[今回の連携覚書は大きな前進であり、あらゆるインド人に利益をもたらす多様なモビリティソリューションが可能になると考えている]
-[オープンNWが継続的に進化する中、MTT(モビリティ/輸送/旅行)分野は特に重要。NW上での様々なプレーヤーが連携してイノベーションとビジネスが促進される]
2;ONDCとは
21/12にインド政府が開始したPJで、政府主導のEC向けデジタルインフラ整備事業を指す。オープンソース前提の国内統合型ECNWで、消費者が単一の購入アプリを通じて複数の事業者の幅広い製品/サービスにアクセス可能とすることを目指す。成長速度は速く、23/05時点で236都市に拡大、23/07からはB2B対応も開始。今後2年でインド国内のEC普及率を現在の8%から25%に引き上げる目標
インドでは1200万人以上の人々が商品/サービスの販売や転売を生業とするが、ECアクセスが可能なのはわずか1.5万人に過ぎず、特に地方事業者にとってオンライン販売は遠い存在だった背景
ONDCを介し、小規模業者はデジタル投資に多くを割かずとも、より多くの消費者にリーチできるようになる見込みで、結果としてONDCにより小規模業者が既存のECプレーヤーと同じ土俵に立って商売ができるとみられる
3;その他
ONDCは野心的な取組だが大手企業の参加の少なさが課題で、Amazon/Flipkartも参加検討を表明する程度にとどまる
また、利用料金などで不透明さが残っている点も多くの企業が躊躇する要因となっている…。一部参加者に限界料金を課すモデルについて議論しているとのことで、前述のKothy氏は以下のように語っている
-[徴収コストは非常に僅かな水準であるべきで、これから立ち上がる小規模事業体に負担をかけるべきではない]
料金モデルは1か月以内に最終決定されるともいわれている