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Chap11手続き中のFiskerの手続/在庫売却が難航中…

Chap11手続き中のFiskerに関して、在庫車両の現金化を含めた申請手続に暗雲が立ち込めています。
在庫売却による現金を申請手続費用/負債返済(有担保/無担保で対立)のどちらに優先度を置くかでもめており、抑々の売却手続きが不透明とのクレームも発生しています。
在庫はリース会社に14,000ドル/台で売却予定ですが、このままでいくと売却手続きも座礁しそうであります。

https://www.veritaglobal.net/fisker/document/2411390240702000000000018

1;FiskerのChap11手続き(現在進行中)

 FiskerはChap11手続きの中で在庫のOCEAN-SUV在庫の売却についてデラウェア州破産裁判所に売却承認を申請。容認されれば在庫の3231台をNY拠点の自動車リース会社に4625万ドル(14,000ドル/台)で売却して現金取得が可能になるが、往時の70,000ドル/台からは大きく目減り、破産申請以前の提示価格よりも低くなっている
 売却承認動議はChap11手続きの争点となる可能性が高い…特に無担保債権者(債務額10億ドル);6/21の初回審理で売却収益が見込めない懸念を表明しており、Fisherの資産規模/価値が不明とのことで7/1には情報取りまとめ&開示への動議を提出

 今回の売却先はAmerican-Lease社とされ、NY市内で配車サービスドライバーに車両提供する。NY市内での車両走行については2030年までに車両をゼロエミッションにする必要があり、これへの対応も含む。
 当初Chap11申請2週間前の5/30にOCEAN-SUVを2100台購入で同意。6/30に在庫3231台すべてを購入すると申出。(スライド購入で、以前登録された車両は3,200ドル、正常に機能する車両は16,500ドル、損傷車両は2,500ルで買い取り)

2;在庫売却と手続の継続性

 破産担当弁護士は売却作業を加速させており、売却申請の中で[7/12までに完了しないと秩序ある清算に必要な経費を賄えない]としている
 7/3の緊急審問で弁護士は[最初の200台を7/12まで売却して280万ドルを調達。人件費/他経費を賄いたい]と表明するが、OCEAN-EVの給水ポンプに関する問題を解決する必要もあり、更に179名の従業員に対する給与払いも必要…
 連邦連邦管財官局の弁護士;Linda Richenderfer氏は公聴会で、[無担保債権者委員会がまだ法的代理人を雇っていな中でFisker弁護士が車両売却を急いで進めている]と懸念表明。同じ懸念は[Fisker Owners Associationの弁護士及びUSBank(6億ドルの債権者)の弁護士からも表明
 緊急審問中、Richenderfer氏はFisker弁護人;DiDonato氏に対して[手持ち現金で給与払いが可能か]と厳しく問い詰め。双方とも不可能との認識で一致したが、裁判所に対して今後数週間の債務額と支払頻度を明確に説明するのに苦労した。
 判事のThomas Holan氏は[完全な混乱だ]と述べて、混乱を収拾するための休憩を審問中に取ったが、双方弁護士から無駄な時間と評された…

3;今後の動き

 次の審問は7/11に予定され、その会ではFisker及び弁護士は債権者に対して在庫売却の適合性をより詳しく説明する必要がある
 AmericanLeaseとの契約では[車両メンテ/修理の義務を負わず、車両は保証なしに現状で引渡し]が行われ、SW更新は不要。さらにAmericanLeaseは関連する全コード/OS要素へアクセス権を付与]するとのこと
・在庫売却自体は最大の無担保債権者であるHeights-CMが承認、5億ドル以上を貸し付けて一部は株式変換されたが、現状でも1.9億ドルの債務が残る
 └Heightsの弁護士は6/21の公聴会で[売却は担保債務の一部を支払うことになるかもしれない]と述べていた
 └Heightsの融資は無担保融資及びCBでなされ、FY23-3QのSEC提出書類の遅延で財務コベナンツにヒットしてFiskerは担保を差し出すことになった
・無担保債権者の代表弁護士は初回審理で[Heightsの融資はひどいものだった]と述べている
 └無担保債権者の弁護団は[Chap7(破産手続)への移行を懸念している]とした

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