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GogoroのCEOが辞任、補助金不正が原因とも報じられる
先週に発表されたGogoroのCEO交代ですが、当局提出資料/報道を勘案すると色々ときな臭い状況です。
当初理由は業績不安への対応とみられましたが、同社製品での中国製部品利用/政府補助金の不正獲得などが報じられています。
今回の件は成長重視の中でのガバナンス意識の希薄化に起因しますが、Gogoroの効用/社会的意義の大きさも事実…試練の時です。
https://www.streetinsider.com/SEC+Filings/Form+6-K+Gogoro+Inc.+For%3A+Sep+13/23720144.html
1;Gogoroを取り巻く状況
台湾の電動スクータ/交換バッテリー新興であるGogoroが9/12に突如発表されたCEO辞任後から混乱状態に。
-9/12 CEOのHorace Luke氏が[損失拡大]を理由に退任を発表
-9/13 SECへの提出文書でCEO辞任に絡んで、補助金査収の内部調査を行った旨を公表
-9/15 台湾メディアがCEO辞任が[補助金詐取]に絡んだものであると報道
辞任に関しては業績不振に絡んでのものと評されていたが、同時に補助金査収疑惑が報じられ、いよいよきな臭くなっている
Gogoroの業績は純損失が拡大しており、IPO時に比べての株価も大暴落の状況にあり、Luke氏の辞任の大きな要因の一つとされる。純損失はFY23-2Qに560万ドルだったが、FY24-2Qには2010万ドルに拡大、粗利益率も15.2%から5.2%に急落。NASDAQに上場する株価は22年にIPO時株価(14.02ドル)から。9/12時点では92%下落して1.05ドルに
2;CEO交代と新経営陣
Gogoroの暫定経営陣は以下の通りだが、Luke氏の強力なリーダーシップには程遠いとされる…
-暫定CEO=Henry Chiang氏(18年からGoShareチームの責任者を務め、22年からGogoroのGeneral Manager)
-取締役会長=Tamon Tseng氏(Gogoro社顧問弁護士)
Luke氏は下記のようにコメントを出したが、退任の詳細な理由は明らかにせず
-[熟考の末、GogoroのCEO兼会長の職を退くという難しい決断を下した。困難な決断だが、Gogoroの次なる成長段階に踏み出すにあたり、リーダーシップを移行する適切な時期である]
-[Gogoroの明るい未来に対する信頼は揺るがず、自分は常にゴゴロの最大支持者として、新たな観点から会社が成長/成功し続けるのを見るのを楽しみにしている]
3;Gogoroの補助金査収疑惑
9/13提出のForm6-Kでは政府補助金査収に関して社内調査の実施と内容について記載。
-[調査を通じてサプライチェーンに特定の不正行為があることを確認し、一部車両に輸入部品を誤って組み込んでしまった]
-[サプライチェーンの不正行為を台湾当局に報告し、当局の調査に全面的に協力するとともに、社内調査も継続している]
現地各紙の報道によるとGogoroの元従業員が補助金査収について経済部にリークしたと報じている。経済部(日本の経済産業省に相当)はGogoroが政府補助金(国産品採用促進)を受けるため、プロダクトの部品に関して[中国製と台湾製と偽っていた]とする。対象部品はエンジン/ワイヤなどで1,875万ドル程度の補助金を受け取っていたとされる