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電動自転車新興;Cowboyが小規模資金調達で事業柔軟性確保へ

電動自転車を専業で進めるCowboy社が従前に比して小規模資金調達を実行しました。
今回の調達は資金面よりも事業面での効用追及が前面に出ており、アジア地域の投資家/サプライヤ連携を深める狙いがありそうです。
同時に利用者向けのクラウドファンディングの実施もリリースしており、調達の多様化による市場混乱の影響軽減を狙うようです。

1;Cowboyによる資金調達

 9月初週にCowboy社は500万€の小規模ながら戦略的な調達ラウンドを完了(100万€の融資枠を含む)。今回のラウンドは香港拠点のCypres-Capitalが主導し、既存投資家(IndexVentures,HardwareClub,FuturePositiveCapitalなど)も参加する
 調達金額は小さいがCowboy社は既存の欧州投資海外からの調達を通じて調達ラインを拡大させたい意図がある。同時に利用者に向けた投資機会を提供すべく株式クラウドファンディングも行う

 共同創業者/CEOのAdrian Loos氏はアジアとの連携強化を今回の調達に託しているとする
 -[過去数年間、当社は年間1,000-2,000万€を調達し昨年は株式;800万€/負債;500万€を調達。今回は500万€調達で規模としては確かに小さい]
 -[製品の部品の半分は欧州サプライヤーから供給されているは、さらに半分はアジア/台湾から調達しており、資金調達でも地域の多様性を持たせたかった]

 今回のラウンドで評価額はプレで4,000万€で今後の資金調達にLoos氏は後ろ向きで、[市場環境は正直悪く、このような状況下で必要以上の資金調達はしたくない]と語っている
 Loos氏によるとCowboy社はアセットライトモデルで必要資本が少なくて済み、更に24年後半にEBITDAベースで損益分岐点に達する想定とのこと

2;Cowboy社とは

 2017年創業でブラッセルに本拠を置く電気自転車のメーカーで、軽量/スマートデザインを売りとしており、同社の電気自転車の重量は16Kgで下記のような特徴を持つ
 (ギア加速) ペダルを一踏みすれば動力が得られ加速が続くため、坂道も楽に上れる
 (安全性) ブレーキランプを搭載しており、夜間の走行時も安心安全
 (航続距離) 内蔵バッテリーで70km走行が可能、取り外し式バッテリーは3.5時間でフル充電
 (車両設計) タイヤ幅は42mmで楽に走行でき、前輪/後輪に泥よけも付いており雨天にも服が汚れない

 当初は1モデルに焦点を合わせて数年間チューンナップを行ってCowboy-4まで上市、一方最近は異なるフォームをラインナップに加えて拡大。
 商品では[直立乗車][ステップスルー]を特徴とするCruiserを追加、24年には[快適性][長距離旅行向け]を特徴とするCross-modelを追加した
 流通チャネルも多様化し、オンラインストアに加えて従来自転車店でも販売。Loos氏は[昨年から、地元自転車店と提携し始めた。欧州で販売される電動自転車の80%は依然として自転車店で販売されているからだ]

 自転車のバックでは[盗難警報][衝突検出][アプリ内チャレンジ][AdaptivePower]などを展開しており、さらに最新のアプデでは傾斜/風に応じてモーターパワーを自動調整。Loos氏は[本当にうまく機能するPF構築に多くの時間/労力/資本を投入してきた。今はそれを活用して製品ファミリーを構築したいと考えている]と語っている

 COVID-19でのロックダウン以降に業界は大幅な需要増/売上増で市場拡大したが、欧州主要都市での電動自転車乗入れ禁止などで市場は急縮小、Vanmoofが破産申請するなど市場は大混乱に。

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