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EV新興にCanooは創業者逃亡/訴訟提起などでついに息の根が…

EV新興xSPAC上場x大風呂敷という死亡フラグを立てまくっていたEV新興Canooの息の根が遂に止まります。
8月から大規模事業再編に動いていましたが、最後の創業者が去り、同時にサプライヤから契約違反の訴訟提起が為されました。
残キャッシュ等を勘案しても持って3ヵ月という状況にまで陥りました。

1;Canooは存亡の危機に

 EV新興のCanooが事業再構築の最中ながら新たに2件の訴訟を提起され遂に窮地に。事業再構築は24/09から開始され、CTOの退社に続いて先進車両エンジニアリング担当シニアディレクター;Christoph Kuttner氏(9人の創業者の最後の1人)も退社。そこにきて、EVのドライブトレインに関連するサプライヤから2件の新たに訴訟を起こされた
 24/08にCanooは大規模事業再編に動いており、[急速な事業環境に適応するために合理化された業務効率化を実現する]としている
 再構築では従業員194名のうち137名をCA州トーランス拠点からOK州/TX州への異動提示。LAの事業拠点の閉鎖をし、英国/中東の潜在顧客獲得へ資本投下する方針

2;サプライヤ訴訟

 24/09にミシガン州オークランド郡巡回裁判所に提起されたもので、Jing-Jin Electric(JJE)及びDana Incorporated(DI)の2社からのもの
(JJE)
 CanooはJJEにEV車両用の電気モーターの設計/製造を委託していたが、Canooがモーター代金を支払わず23/08時点で140万ドル以上の債務を抱えていると主張。JJEはCanooが未払金に異議を唱えず、[支払いを延期して、支払うと繰り返し約束しながら、遅延原因をJJEとは全く関係ない問題や要因に帰した]とする
 訴状によると23/11にJJEとCanooは事態を正すべく返済計画を締結したが、不誠実な対応をされたとのこと
 -最初の3回の支払;計85万ドル(+12万ドル)は支払
 -残債務の44万ドルについては支払を停止。JJEは24/06にCanoo向け業務をすべて停止し、以後連絡が取れなくなった
(DI)
 CanooはDIと22/02にEV用ドライブアセンブリの共同設計/開発に掛る契約を締結。DIによると契約の中で[Canooは車両生産が3か月以上遅れた場合、発生費用をサプライヤに補償]する必要がある
 DIは訴状で[契約に基づく生産/作業が大幅に遅延した]としており、23年後半から複数回通知書を送ったにもかかわらず無視されてる。想定補償額は430万ドルに上る

3;Canoo社について

 CA州トーランスに拠点を置くEV新興、2017年にドイツ銀行CFOのStefan KrauseとBMW上級役員のUlrich Kranzによって[Evelozcity]として設立。
 二人はFaradayで働いていたが経営方針に反発して退職して創業、本社はCA州トーランス/研究開発はMS州デトロイト/生産拠点がTX州ジャスティンに置く
 2020年にSPAC上場を果たすも大風呂敷を広げた経営戦略の実現が難しくなり、株価低迷/リーダーシップの混乱/顧客離反により経営が窮地に。財務的には窮地で24/06時点の現金保有が1900万ドルでしかない状況…

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