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ロンドン市が電動自転車の駐輪規制を強化へ

ロンドン市交通局は市内/都心部における電動自転車の駐輪規制強化方針を明らかにしました。
新規制では指定地域におけるドックレス駐輪を禁止し、事業者に駐輪スペースの設置を義務付けています。
ロンドンは電動自転車の試験地と位置付けられており、他国/都市での施策方向性を見るうえで重要と思われます。

1;ロンドン市は電動自転車の駐輪規制を強化

 11/26にロンドン市交通局(TfL)はLime.HumanForest/Dott等の電動自転車の駐輪制限に係る方針を発表。都心部や交通量の多い地域での自由駐輪を廃し、電動自転車は市内red routesの指定エリアやTfL敷地内に駐輪する必要が今後はある。
 RedRoutesはロンドン市内の400㏕/全体の5%程度となるが、交通量の30%を占める地域。駐車制限が多く、罰金も通常より高額。サービス事業者は当該エリアにおける駐輪制限措置(指定エリアでの乗車/駐輪制限など)を取る必要がある
 今回の規則ではサービス事業者/利用者双方に罰金を課す方針で、[指定アリアで指定個所外の駐輪を許可する事業者には措置を講じる]とし、罰金/法的措置が含まれる

 今回の施策方針は本格施策の第一歩で、罰金水準/抜け穴対応なども今後の詳細を待たねばならないが、実施にあたってTfLはロンドン市内予算で100万£を割り当てた(資金源は不明…)。現段階では地域内の2,000の駐車場に7,500のスペースを新規開発、更にTfLは[25年末までに800ヶ所を指定し、26年末までに計3,000のスペースを指定する]としている

2;ロンドン市の特徴と事業者

 ロンドン市は都市部における電動自転車サービスの事業性/持続可能性などについてテンプレート都市と呼ばれ、現在40000台程度の電動自転車が市内で流通。Limeに代表される事業者が公営事業と補完関係にある形で展開。
 電動自転車自体は健康促進/小回り/持続可能な交通手段として高い支持を集めているが、迷惑/危険行為も。猛スピードで混雑地域を縫うように走る行為が筆頭にあるが、駐輪による迷惑も指摘され、特にドッグレス方式による放置自転車が[歩道塞ぎ]による迷惑は多くの批判にさらされている(非電動自転車用の駐輪ラックまで塞がる…)

3;関係者のコメント

 ロンドン市は長期的にオンデマンドの電動自転車NW構築を目標に掲げるが、そこに向けた今回施策は事業者/市議会双方から評価されている
(HumanForest;共同創業者/CLOのCaroline Seton氏)
 -[無責任なドックレス駐輪による問題に対処し、全ての利用者がロンドンの道路を調和的に共有できるTfLの施策を歓迎する]
 -[ロンドン拠点の事業者としてForestは誰にとっても機能する都市を作ることに深く取り組んでおり、これまでもバーチャル駐輪場の導入を通じて責任ある駐輪を奨励してきた]
 -[業界全体が水準を満たすべく、今こそ政府/TfLが行動を起こして必要な権限を通じて規制施行することで、[手頃価格][アクセス性][持続可能性]などのドッグレス駐輪のメリットを損なうことなく事業推進が可能となる]
(Limeの広報担当)
 -[当社はロンドン市庁やTfLと協力して、電動自転車の安全/適切な駐輪に注力している。今回の決定はロンドン全域で駐車場を増やす緊急性を強調]
 -[TfL所有地/交通ハブ周辺のスペースの活用に向け、当社は駐車インフラ基金に100万£投資して専用駐輪場を整備するとともに、駐輪スタッフ(自転車の撤去/整理)を250人以上雇用した]
 -[今年上半期だけで、1150万回以上の通勤にLimeが利用され、1/3は公共交通機関接続のため。自治体や市庁と連携してグリーン/アクティブな移動の目標達成を進める]
(ロンドン市議会;気候/交通/環境委員のKieron Williams氏)
 -[適切/長期的な解決策は、全事業者が従うべき公正で一貫したルールを定めた新法だ。しかし、その前に既存事業者が問題対処にもっと真剣に取り組む必要がある]
 -[ TfLの動きによって事業者がより多くのことを行い、ロンドン市と協力して問題解決し、ドックレス電動自転車を成功させるきっかけになることを願う]

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