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マイクロモビリティ企業2社の合併により、TierがDottに

欧州でスクーターや自転車といったマイクロモビリティのシェアリングPFを展開するTierとDottが10/1に統合してDottに統一されます。
統合自体は本年1月に発表されていましたが、ついに統合実現して欧州での圧倒的な規模を活かした事業基盤強化と成長を狙います。
単価の低いマイクロモビリティ事業は規模を追わないと事業成立が難しく、まさに教科書通りの統合となりました。

1;TierとDottの合併

 24/10から欧州のスクーター/自転車シェアリングを手掛けるTierとDottは合併して[Dott]に統一される。既に24/01に合併計画を発表しており、今回はそれが執行された
 マイクロモビリティ業界は規模が全てとも言っていいビジネスモデルで、今回の合併は規模による効用を得るためとされる
 基本的に単価/利益率が低いビジネスゆえ、規模追求でユニットエコノミクスを改善して利用可能な車両群を増やすのが勝ち筋…当該分野ではLimeが業界リーダーとして君臨しており、統合で追いかける構想

 DottのCEO、Henri Moissinac氏は合併により事業基盤を1つに集中して投資インパクト/規模を追う方針
 -[2社合併で、我々は1つの会社/技術スタック/オペレーションをベースに運営したいと考えていた]
 -[Tierが有りDottが無い都市にいる場合、ユーザは新アプリをDL/登録する必要がある。Tierの最新アプリを持ってる場合には数回クリックするだけで完了する]

2;合併後Dottの展開

(展開車輛/地域)
 Tierの電動自転車/スクーターは移動させることなく、[Dottステッカー(Tierロゴ隠し)]が張られてそのまま使い続けることが可能。新しいDottフリートは、427都市(欧州/中東)をカバーし、両者の重複は17都市のみ。展開車両数は約25万台の電動自転車/スクーターとなる
 CEOのMoissinac氏は下記のように語る
 -[大きな課題は、2つのサービスを1つの技術スタックに統合して運用体制を再構築することだった]
 -[進めるにあたって成功も失敗もあったが、2つは統合を完了することができた]

(事業全般)
 過去1年間で、両者は1000万人超のユニークライダーがおり、サービス利用回数は1億回を超えた。ライダー1人あたり平均10回利用することになるが、もちろん人によって頻度は異なるが、最重要指標として利用回数を重視するとMoissinac氏はコメント
 -[当社の戦略は、地域住民を中心に据えており、基本は地域住民が頻繁に利用するローカルサービス。我々にとって最も重要な指標はアクティブライダー1人当たりの月間上社数である]

 利用回数向上のため、Dottは定期利用パスを発行、乗車回数は同社の収益よりも速いペースで増加。例えば、パリでは4.99ユーロのパスは、30日間の乗車料金は1回あたり1.75ユーロの定額となる

(財務)
 両社は合併発表時に6000万ユーロを調達、今回の合併実行での追加調達はなし、CEOのMoissinac氏は[現金は十分にある]とする
 -[これ以上の現金は必要ないが、もう少し投資すれば更なる事業機会を掴めるだろう。今か後かはわからないが…通常、冬は来期戦略を考えるのに良い時期だ]

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