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米FTCがLyftに対して虚偽記載/広告で罰金&是正命令へ

米国の公正取引委員会;FTCがLyftのドライバー募集広告に絡んで時給や待遇に関する虚偽記載を行ったとして罰金&是正措置の命令を出しました。
行為自体は3年前から行われてきたもので、FTCからの度重なる是正勧告に対応してこなかったことへの措置とのこと。
罰金自体は軽微ですが、今後の対応やイメージ悪化は痛手となりそうです。

1;FTCとLyftの虚偽報告和解合意

 10/25に連邦政府の公正取引委員会であるFTCとLyftは収入保証に関する虚偽広告に関して和解金支払いで合意。Lyftは[ドライバーが期待する収入額について虚偽の収入保証]を行ったとされる。
 主に[収入額の虚偽広告][細字での注釈]で、英語が母国語でないドライバー候補からの何千件もの苦情を受けてのもの

 FTCは21/10にLyftに対して虚偽宣伝の違法性警告をしたが、同社は広告/宣伝を継続しため今回の命令/罰金が下された。210万ドルはLyftにとっては些少だが、命令により広告宣伝について[チップを含めない時給][時給計算方法の改定][プロモ内容の明確化]が求められる
 決定に関してFTCの委員2名は反対票を投じ、[稼げる最大額]という表現では誤解を招くし命令は行き過ぎているとも…
 ドライバーは既に[広告主の誇張/虚偽に対する認識]を持っており、むしろ当局がLyftに十分な通知をしなかったことが原因とする

 一方でFTC委員長のAndrew N.Ferguson氏はLyftの悪意を強調して指摘。
 -[FTCが係争を早く終わらせたい企業と僅かな罰金で解決し、疑わしい法理で勝利を主張しても労働者は保護されない]

2;FTCによる問題提起

 FTCのクレーム文書には2021-22年にかけて採用しようとしたドライバーに出していた宣伝で想定収入を組織的に水増ししていたと。
(虚偽宣伝)
 [Lyft はNJ州のドライバーは最大34ドル/h稼げると宣伝したが、Lyftの計算では平均収入は25ドル/hに過ぎなかった。またボストンでも同様に42ドル/hで宣伝したが実態は33ドル/hだった]
 [LAでもドライバーに最大43ドル/hの収入を宣伝したが、この金額が平均的なドライバーの期待収入でなく、上位 20%の収入に基づくものと明らかにしなかった]
 [期待値と実態の差異は30%に達し、さらに広告時給には顧客のチップが含まれていた。恐らく実質料金は明示された額よりもさらに5-10ドル/h低い可能性が高い]
(プロモ/インセンティブ)
 [あるプログラムでは、ドライバーが週末に45回の乗車完了で975ドル稼げると約束したが、実際の支払は実際稼いだ金額とLyftの広告保証額との差額のみと明確に開示されていなかった]

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