仏の充電スタートアップ;Electraが3.3億ユーロ調達
フランスを拠点に欧州全域で急速充電NW及びサービス提供を目指すElectra社が3.3億ドルの調達に成功しました。
政府系金融機関やインフラファンドによる資金が太宗を占めており、EV充電に関しては従来のインフラ投資とは異なる様相を呈していると感じます。
1;Electraによる資金調達
急速充電サービスの運用/展開を行うElectra(仏)は1月にSeries-Bで3.3億ドルを全額エクイティで調達を完了。
今回ラウンドのLeadはPGGM及びBpifranceで、既存投資家であるEurazeo/RIVE PI/574 Invest/Serenaなどが再参加。以前のラウンドを通じての特徴はインフラ企業/公的金融機関の多さで、既存投資家にはEIP(スイス)/ Banque des Territoires(仏)/Allianzなどが含まれる
今回の調達資金は充電ステーションの設置費用で、2030年までに2,200カ所/15,000基の配備を目指す
インフラ系事業の多くはプロジェクトファイナンスやファシリティ設定で調達を行うが、EV充電に関しては直接投資が多くみられるのは興味深いトレンド。VC等の金融プレーヤーが充電/再エネなどの名目で集めたプール資金が残存しているのも背景にありそうだが…
2;Electraの概要
Electraは充電NW整備と充電サービスを展開するフランスの新興企業で2021年に設立された
-充電NW-
他社と異なり急速充電のみに焦点を当てた事業展開を行っており、フランスおよび欧州全域をターゲットとする
現時点で172カ所/1,000基の急速充電網を展開、主にスーパーの駐車場/ホテル/高速道路の休憩所に設置。最近ではトゥールーズの空港と提携して充電ステーションを建設
-充電サービス-
顧客がストレスなく充電サービスを使えるよう、アプリでのサービスを展開しており開発は内製化。充電ステーションのステータスをリアルタイム把握、ユーザは確実に充電箇所での充電が可能に
利用可能な拠点が少ない場合、事前に予約することも可能(充電額は0.39-0.52€/kwh)