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韓国;Gbikeが混乱を極めるマイクロモビ業界の再編主導へ?

韓国のマイクロモビリティPF&ハードを事業展開するGbikeが25年のIPOを控えて事業拡大を狙っています。
昨今、欧米で同業界トレンドが悪化して売り物がかなり出ている中、ここで業界再編を主導する資金力/胆力が今後の覇権を左右しそうです。

1;TechCrunchでのコメントと業界の動き

 GbikeのCEOであるWalter Yoon氏は2025年のIPO前の事業拡大に関してコメント。
 -[IPO前に市場シェア拡大を目指し、マイクロモビリティ業界での他社買収交渉を行っている]
 -[具体的な案件ではないが現在3-5社程度の買収先を検討している]

2;Gbikeの概要と最近

 2017年創業のでソウルに本拠を置くマイクロモビリティPF/製造を行うスタートアップで韓国MM業界1位でアジア全域でも売上1位を記録。シェアリングPF[GCOO]とモビリティの製造を行い、23年にはHyundaiからZET(地方でのマイクロモビリティPF)事業を買収
 韓国純正のシェアリングPFを標榜し、ビッグデータ/AI活用をベースとするサービス品質向上と内製体制構築で高い効率を達成。
 物流-運営-製造に至る垂直統合を通じて収益性を向上させる共に、統合機能をベースにバッテリー交換インフラを乗せてマイクロモビリティエコシステム革新を目指す。そして、24/04からは自社生産したモビリティを用いたサービス展開を予定

2-1;業績(22年)

 売上高は530億KRW(55億円)を記録し、YoYで60%アップ。売上の約95%は韓国のシェアリングサービスの売上
 EBITDAは160億KRW(17億円)となり、YoYで25%アップ

2-2;資金調達

 22/12~23/02までSeries-Cの調達ラウンドを実施して119億KRW(13億円)を調達。当該ラウンドではLink-AMと未来アセット証券からCBで調達、同時にIPO代表株主関係契約(2025年初頭のIPO)を締結
 創業以来の調達総額は260億KRW(28億円)となり、CFOは下記のようにコメント
 -[GCOOの差別化要素/技術力は韓国で成功を収め、海外でも通用する確信がある。グローバルモビリティ業界は我々の方法を研究し始めた]
 -[2023年はGCOOの海外進出元年で、韓国純正のシェアリング事業のサービス拡大/製造を成功させるべく努力する]

2-3;事業エコシステム

 マイクロモビリティ事業にバッテリーは必要不可欠と捉え、2030年までに韓国国内で4000拠点の充電拠点整備を目指して動いている
 (1)バッテリー事業の収益事業化
 (2)他の事業者向けにバッテリー利用(交換)をオープン化
 ちなみに2021年からバッテリー交換ステーションPJを開始、23/11にはバッテリー交換インフラ運営会社であるZentrofyを提携して韓国初のバッテリー交換ステーションを建設した

3;差別化とグローバル展開

 差別化要素は内製へのコダワリがあり、特にフィールドオペレーションの内製化は他社と逆をいくが、データ取得/改善や品質担保&改善に繋がっている
 (1)電動スクーター/電動自転車/バッテリーなどのHWを独自規格で生産
 (2)車両引取/バッテリー配達などのオペ業務を正社員が受け持つ

 海外展開は東南アジアがメインだが米国市場への進出も実施、GBIKEはグローバル拡大のため23年初めにブランド名を[Gcooter]から[GCOO]へ変更している
 -タイ;23/03にバンコクで23/10にはプーケットで電動モビリティサービスを開始
 -ベトナム;24/1Qにサービス開始予定
 -米国;23/07にメンフィスで23/12にLAとグアムでモビリティの発売を開始
 現在、タイ/米国共にで2,000台の電動スクーターを運営しており同社は24年度に事業黒字化を目指すとする

4;そのほか

 Gbikeは23/05に自社開発の電動自転車を発売し、35,000台を運用。事業全体では韓国に10万台の電動スクーター/340万人のユーザーを抱える
 バッテリーに関しては23年に電動車椅子/電動ベビーカー/電動スクーター/電動モペットに適合する規格を発表。事業全体では16万個の充電式バッテリーを保有、毎日約5万個のバッテリーが使用されている

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