Fordは開発中のEV-PFを中型PUTに適用し、より現実路線に回帰へ
Fordが開発を進めてきた低価格EV-PFに関してまずは中型PUTに適用し、電動3列SUV開発は断念すると発表しています。
EVの需要急減/HVの需要急回復は米国のみならず欧州/東南アジアでも起きていますが、夢より現実路線を選択した模様です。
この判断は投資家からは概ね良好で、Fordの株価は回復基調に乗せています。
1;FordのEV-PFは中型PUTにまず適用
8/21にFordはSkunkwork-Teamで開発してきた低コストEV-PFの最初の車両は中型PUTになると発表、電動化経過は大幅刷新となる。
次世代のPUT-EVは当初より2年後ろ倒しで2027年発売予定、3列シートSUV(EV)の製造計画を断念して代わりにハイブリッドパワートレインを通じた電動化推進を選択、変更に伴って19億ドルの追加費用の可能性も指摘している
Fordは開発中のEV-PFは[乗用/商用双方、複数車種]に活用する計画。加えて対象車両に組み込む[最適化デジタル体験]はFordに[長期/安定/堅実な収益]をもたらすとしている
低価格PUTは[より多くを求める顧客(航続距離/実用性/多用途)ニーズ]に対応しうるとも発表
今回の変更で低コストバッテリー技術を[その他不特定なコストブレイクスルー]の実現に活用し、様々な車種での電動化に資するとする。3列SUVからハイブリッドパワートレインへの移行で、純粋ICE車に比して[画期的な効率/パフォーマンス/排出量削減]を実現。純粋BEVに比して[走行距離を長く]することが可能に
FordのCOOは[市場は変化しており、当社はそこに対応する]と語っており、戦略転換は収益性重視への回帰と捉えられる
2;他社の動き
他OEMもBEV開発投資を抑制しつつあり、Teslaによる更なる低価格/廉価版開発(ロボタク/モデルY-SUV/モデル3-セダン)の開発との差別化を図るもの
(GM) 2023年に手頃価格EVの開発を断念、当面はHVを優先する
(VW) BEV一辺倒でなくバランスよいアプローチが最善の方法とする
電動3列SUVに関しては韓国系のHyundaiとKiaが販売しており、HyundaiとしてはFY24-2Qで米国BEV市場の10%シェアを占めている
(Kia) 23年末にEV9を発売(55,000ドル以下)、累計11,500台を販売。Fy24-2Qには16番目に売れた来るまで日産;アリアを上回る
(Hyundai) 本年後半に電動3列SUVを発売予定で[IONIQ9]というネーム。
3;Fordの開発体制と認識
-開発体制-
24/02に初めて低コストEV-PFを開発する[SkunkWorks-Team]の存在を公表。組織は22年設立(CA州アーバイン拠点)で、元Teslaテスラ幹部のAlan Clerk氏が率いており、23年にFordがEV充電新興;Automotive-Powerを買収した後に人員補強
最近はRivian/Tesla/Appleなどから人材を採用して300人規模にまで拡大、24/06にFarley氏は当該チームによる[開発技術(バッテリー/電気構造)[供給網効率化]の成果の活用方法を検討していると述べていた
[まだ作業の真っ最中で成果のお披露目にはまだ早い。ただ、チームは素晴らしい仕事を成し遂げたし、そのアプローチは当社の第1世代のとは明らかに異なる]
-認識-
Fordは今後数年はHV車が好調となる認識を持ち、24/06にFarley氏はインタビューで下記のようにコメント
[今年のフォードF-150の販売のうち、ハイブリッドパワートレインが約25%で我々の予想を超えている]
[小型PUT;Maverickの販売も今年は70%近くがハイブリッドであった]