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VWが事業再編に向けて本国工場閉鎖/レイオフ実施へ

VWがこれまで禁じ手とされてきたドイツ本国での工場閉鎖に踏み切ります。
報道レベルではありますが、関係者が次々とコメントを出しており、工場閉鎖/レイオフ/賃金カットで構成される事業再構築を行います。
VWは労使協定で雇用保護協約を結んでいるわけですが、形振り構っていられない状況に中国EVの攻勢で陥ってしまいました…

1;VWのドイツ工場閉鎖&レイオフ

 VWは昨年に工場閉鎖の検討について報じられたが、このほど工場閉鎖計画が詳細レベルで検討されていると報じられる。
 工場閉鎖は中国製EVの欧州における攻勢を受け、欧州でのシェア/利益が落ち込んでいることへの対応。ドイツで3つの工場を閉鎖する予定、併せてコスト削減に向けて大量レイオフ/賃金カットも実施する方針
 
 VWのCEO;OliverBlume氏は雇用保護が危うい状況に会社はあるとして従業員に警告
 -[従業員保護/レイオフ回避のために締結した雇用保護誓約を破らなければならない状況にある]
 VWの労使協議会議長; DanielaCavallo氏は下記のように事業再編の詳細を明らかにしている。具体的にはドイツ国内の3工場の閉鎖/数千人の雇用削減/賃金の10%削減となる。
 対象工場は主にVWブランドの車を供給する10の工場が含まれている(報道によると筆頭はQ8e-tronを製造するブリュッセルのAudi工場)

2;BYDの攻勢

 ドイツ系メーカーではBMW/VWともにBYDに代表される中国系EVメーカーの巨大な圧力に晒されている。BYDは中国市場を席巻したのちに欧州/東南アジア/中南米などの市場で成長を取り込んでいる
 (中国) 10,000ドル以下で購入できる[Seagull-EV]などの超低価格電気自動車モデルで海外自動車メーカーを国内市場から締め出している
 (欧州) 中型SUV;Sealion7などの新モデルで欧州各国の老舗メーカーに挑戦している

3;その他

 VWは国内外で市場シェア低下、利益減少/競争力回復に向けてコスト削減を急速に進めており、広範な生産NWを縮小へ。10/25に傘下のPorscheはFY24-3Q純利益が41%減少し、奇しくも9月までの販売台数も41%減少したと発表
 VWの直近販売車両数は9月までで3%減少して652万台。[増加;北米(+7%)/南米(+15%)][減少;中国(-10%)/西欧(-1%)/独国内(-1.6%)]となっている

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