連邦邦政府がナノグラフに6000万ドルを支給、EVバッテリー材料工場を建設
シリコンを基盤とするアノード開発/製造を行うNanografが進める製造体制強化に連邦補助金が補助金を交付しました。
同社は希土類レス/米国製造といった観点で特徴/強みを増しつつあり、国防総省との長期契約を結んでいます。
今回の補助金含めた資金調達で更にポジションを強めそうです。
1;Nanografへの連邦政府資金供給
9/20にシリコンアノードの開発/製造を行うNanografは連邦政府からの補助金獲得/工場建設を発表。
製造拠点建設には1.75億ドルを費やす計画で、うち0.6億ドルが連邦政府補助金(IRAに基づく)で賄われる。年間2,500tのシリコンアノード材料が生産され、最大150万台のEV車両のサポートが可能な規模となる
既存のミシガン州工場(フリント)の改修に用いられ、回収後は世界最大のシリコンアノード製造拠点に。当該工場はNanografの3番目の電池材料工場、製造施設の総面積は41万平方フィート以上。現在、2つの製造施設(本社近隣施設/R&D拠点@シカゴ近郊)で米軍向けのシリコンアノード材料を生産している
Nanografによると北米建設労組との労働協定を通じて200人程度の建設雇用を生む算段。運営段階でも150近い雇用を生み出し、80%は地元コミュニティから生まれるとのこと
ちなみに、全米鉄鋼労組とは中立協定を締結、従業員の過半数が組合結成を希望する場合は労組との提携を約束している
2;Nanografとは
Nanografは2018年設立の先端電池/電池材料の開発/製造を行う新興企業で、NorthWestern大学/アルゴンヌ国立研究所のスピンアウト
独自のシリコンアノード技術を活用することで、長寿命/高エネルギー密度/高出力のバッテリーを実現。家電/電動工具といった業界をメインに50社以上の企業と事業提携を結んでおり、製品搭載を通じて先端技術の実用化を促進する
今回のDoEの支援PJは同日発表した25案件の一つで総補助額は30億ドル。支援対象は[米国におけるバッテリー及びバッテリー材料の国内生産強化]を目的とするもの
2022年にNanografは国防総省と契約を結んでバッテリーを独占的に供給、COOのConnor Hund氏は下記のように語っていた
-[国防総省との契約に基づいて、慎重かつ計画的に国内生産を拡大し、24年までに国産バッテリーをEV市場に供給する段階に至る基盤を構築した]
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