2023手話通訳者全国統一試験合否発表・・・合格率15.15%
合格率は15.15%
3月初旬、手話通訳者全国統一試験の結果発表が届きました。
どきどきの開封結果・・・後半に点数公開します(有料ですが)!
2023(令和5)年度の手話通訳者全国統一試験の合格率は15.15%と噂通りの狭き門、高きハードルです。
全国一覧の受験者数や合格率も参考に添付されています。
ただ、平均点については非開示とのこと。
試験結果は、自分の点数について「筆記試験(国語・基礎知識)」と「実技試験(場面通訳)」の点数がそれぞれ記載されます。点数が開示されるので筆記試験と場面通訳の出来を把握することができます。
合格基準点は・・・?
2023年の合格基準は、結果通知によると筆記試験で70%以上、実技試験(場面通訳)で75%以上となっています。
筆記試験
77以上/110(70%)
実技試験(場面通訳)
120以上/160(75%)
合格基準は正式にオープンになっていないようですが、合格ラインは70%らしいです。毎年変動するのか定かではないですが、今回は、筆記70%、実技75%ということでしたので、合格基準はその年の状況でさじ加減をかえると思われます。
ちなみにほかの国試の基準点は
社会福祉士や精神保健福祉士などの国家試験の場合、合格基準点は問題の総得点の60%程度を基準と明示されています。
社会福祉士では合格率は30%前後と一定の率になるように合格基準点が調整されており、年度により合格基準点は86点〜105点と変動していました。
ただし、2024年(令和5年)第36回の社会福祉士試験の合格率は脅威の58.1%と界隈では激震が走ったそうです。ちなみに2023年(令和4年)第35回の合格率の44.2%と例年より高くなっています。
背景として、社会福祉士国家試験は合格率30%ありきで合格基準点を修正している傾向がありこれは多くの批判をうむことになります。
つまり、合格基準点の60%(90点)をクリアしているものの合格率を勘案して、合格基準点が操作され、 2022年(令和3年)第34回 では合格基準が105点となったことがありました。当然ながら合格基準ボーダー(90点前後)にいた受験生にとっては青天の霹靂といった感じで不満爆発。
そのためかはわかりませんが、2023年(令和4年)第35回から合格基準点を「90点」と一定の値としたことから合格率の増加があったものと考えられます。
試験内容の難易度を毎年一定に保つのは至難の業かと思いますがそこは試験委員の皆さんには頑張っていただき、だれもが納得する公正な試験の作成し、公平な基準点の明示を期待するところです。
2023(令和5)年度 手話通訳者全国統一試験 実施状況一覧
話は戻り、2023(令和5)年度手話通訳者全国統一試験の実施状況一覧(都道府県別の申込者、受験者数、合格率、合格者率)についてみてみます。
上記表をもとに受験者数、合格率、合格者率をグラフ化してみました。
このように県別で受験者数、合格者数、合格率を比較してみると、実に興味深いことがわかります。
受験者数は人口比率に応じて開きがあることがわかります。
東京(171名)が突出して多く、続いて兵庫(109名)、愛知(92名)、埼玉(91名)をはじめ大都市圏で受験者数が多いことは明白です。
一方、受験者数が少ない自治体をみると、地方都市が多いことがわかります。
山梨県(5名)、島根県(8名)、佐賀県(8名)、岩手県(9名)にいたっては一桁台の受験者数となっています。
合格率トップ10の自治体はこちら。
スゴいサガ
合格率栄えある第一位は・・・驚異の佐賀県の62.5%
全国平均の合格率15.15%というなか、合格率6割超え。
スゴイですねサガ!
第二位は・・・山梨県の40.0%が続きます。
佐賀県も山梨県も受験者数一桁県でありながら合格率が高いことは注目に値します。もちろん、一桁台の受験者の場合、合格者の増減が合格率に大きく響くことは想定されますが、それでも、受験者の半数以上が合格しているという事実に着目したいです。
合格率の停滞は死活問題
手話通訳者全国統一試験の合格基準は年度ごとに変動はありつつも7割ボーダーということでは一致していると思われます。
ですが、先ほどの社会福祉士国家試験でも触れたとおり、試験を毎年、公平に難易度を設定するというのは至難の業です。それゆえ、合格基準の調整があると思います。
私見ですが手話通訳者全国統一試験は「手話通訳者」という資質を鑑みて難易度がさがることはないと思います。
一方で、難易度を保証した場合、合格者0人県が発生することになります。実際、今回は岩手県、山形県、茨城県、石川県、島根県、徳島県で合格者数が0人、当然ながら合格率0%という現状です。
県単位で(つまり県全域で)0名というのはとても深刻な状況だと考えます。
地方の過疎化による人材不足で終わってはいけない課題です。
今回、能登半島地震が発生した石川県をみると、24名が受験して合格者が0人という結果です。手話通訳者として活躍できる人材の輩出がすすまないということは日常生活はもちろん、予期しない災害が発生したときに手話通訳者として活躍できる人材が極めて不足していることが予想されます。
県外から手話通訳者が派遣されるということも可能ですが、今回の能登半島地震の場合、交通網が遮断され遠隔地から災害地にアクセスすることすらままならない状況が続きました。
それらの事実を考えると、地域で生活する手話通訳者を育て、地域で活躍できる手話通訳者こそがが求められるといえます。
ここから極めて個人的な結果になりますので有料記事になります。合否の結果がどのように送られてくるか気になる方はどうぞ。
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