生きることが苦手だった私



わたしはかなり面倒くさい女だと思う。

可愛くもないし、これといった特技もない。
群れることは嫌いだけど
世の中に取り残されるのも嫌い。
自分の世界を壊されることが苦手で
それでいて自分の世界を分かって欲しい。

よくこんな奴と一緒に暮らしてるな、と
彼のことが心配になる。

しかし、彼は私と一緒にいて楽しいらしい。

本当か??とも思うが、
毎日ゲラゲラと隣で笑っているので
嘘では無さそうだ。


私は実に自己肯定感の低い女だった。

女の子なんだからこうしなさい、
スカートを履きなさい、
そんな服着てどうすんの、
などと母から言われて育った。

女の子として生まれたことで
親は私に"可愛らしさ"と"おしとやかさ"を
求めていたみたいだ。

でも幼少期の私は、
兄のお下がりが大好きで
毎日泥んこになるまでかけまわって遊ぶような
おてんば娘だった。

思春期になると
私と母は激しく対立した。

着る服や持ち物、遊びについて、
実に色々なことで喧嘩をしまくった。
(こちらの理不尽な怒りもあったと思う)

気づくと私は大学生になっていた。
母との対立は相変わらず続いてはいたが、
私は社会福祉学科で大きな学びを得ていた。

"他人と自分が違うことは当たり前"

という思考だ。

何を今更(笑)といった感じだが、
当時の私にとっては衝撃的な事実だった。

母と考え方が違うことで対立をし、
なぜ私と違うのだ!と怒り、
言わなくても良い言葉を投げかけ、
家族などいらないとまで思っていた私。

でも知ったのだ。
家族でさえも他人であり
同じ思考を持つ必要などない、
というシンプルな考え方を。

私も母も間違ってはいなかった。
ただ、お互いに自分の世界に相手を巻き込もうとしていただけだ。

今思えば、えらい迷惑な話である。

それから私は冷静になり、
「ママと私は違うの。私はこう考えてこうしてるの。だから口を出さないで欲しい。」と
言えるようになった。

そこで出会ったのが彼だ。

彼と私は同じ学科出身である。
なので、同じような考え方を持っている。

そして彼は自己肯定感がめちゃくちゃ高い。
スーパーポジティブハッピー人間だ。

俺の服可愛いでしょ!!(似合ってるの意)
今日の俺完璧じゃね??
今日のすーちゃん(私のこと)良い!!
すーちゃん大好きー!!!

などと、毎日言っている。
最初は戸惑ったが、
こんなにシンプルに喜んで良いこと、
嬉しい時は笑えば良いこと、
褒めて欲しい時は相手に頼んで良いこと、
その他色々とポジティブな生き方を知った。

私もつられるように
ポジティブ発言人間になっている。

側から見れば私たちは
おバカカップルだと思うが、
私たちがたどり着いた生き方なのだ。


最後に、
母とは普通に仲良くしてます。
距離をとることが
私たちには良かったみたい。

月に2回くらいは
二駅隣の実家に帰って
大甘やかしをされているのです。



おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?