連作の情景ルポ:モネの作風の変化を知る
大阪・中之島美術館の「モネ 連作の情景」展へ行った。会期が始まって早々に訪れたせいか、平日にもかかわらず大盛況だった。印象派、みんな好きね。
クロード・モネ(1840-1926)の作品が約70点ほど集まる展覧会。国内外のあちこちから借りているらしい。作品リストを見てぎょっとした。
20代前半、印象派と呼ばれる以前の作品から、晩年にフランス・ジヴェルニーの自宅で描いた『睡蓮』をはじめとする作品まで、モネの作風の変遷をたどることができた。初期の作品にはくっきりとした陰影が見られて、後半の明るい、あるいは曖昧な雰囲気のある作品とはかなり違う印象を受けた。
私は美術館に行くたびに、その展覧会で特に気に入った作品のポストカードを購入している。今回は『モナコの港(夜明け)』と『ヴェンティミーリアの眺め』。水面の輝きや微妙な空模様、遠景の山の描写を美しく感じた。こうやって少しずつポストカードを収集していると、自分の好みが何となく見えてくる気がする。画像を添付したものの、作品本来の透明感を再現するのはどうにも難しくて断念。本当はもっと明るくて素敵なの、現物を見てほしい。
私は中盤の作品が一番好き。空気の透明感とか、日光の明るさとか、水の煌めきを思い出すことができるから。晩年の作品は曖昧すぎて、見ているうちに少し不安になってしまう。それはそれでいいけれど、純粋に「好き!」と言える作品とは違うかも。
実は、一人のアーティストをフィーチャーした展示を見に行くのはこれが初めて。印象派、中でもモネが大好きな友人に誘われたのがきっかけだったけれど、それなりに楽しめた。こういう展覧会にもまた来てみたい。