【千字文0008】君も大惨事を作ってみないか?(1)
今日は、ここ2年くらい気に入っているマスターレスTRPG『フィアスコ』についてひと語りします。1回で終わらないと思うけど…
キャッチフレーズは「君と大惨事を作るRPG」。
プレイヤーが皆で共同して話を作っていくタイプのゲームというのは、大抵、ハッピーエンドをめざして進んでいくのが、割と素直な流れなんじゃないか、と思うのです。
ですが。こいつは違います。そもそも「フィアスコ」という単語の意味が「(取り返しのつかない)大失敗」ですし。
「そんなの…楽しいの?」と聞かれたら。満面の笑みを浮かべて「うん」と肯く自信があるよ。いやこれが本当に酷いんだから。
じゃ、説明しましょうかね。
まず、特徴的なのが、「大まかな世界観設定はあるけど、ストーリーそのものはスタート時点では存在していない」ということです。
「プレイセット」という、一連の設定表があって、「人間関係」「動機」「物品」「場所」といった大カテゴリの中に、各々、キーワードが6個ずつ書かれてます。
てもって。人数分×4個のダイスを振って、順番に各プレイヤー間に置くことで、設定を割り振って行く。この「プレイヤー間」というところがポイント。
一人のプレイヤーの設定を当てはめていくのではなく、二者間の関係性を決めるのです。ちなみに、自分以外のプレイヤー間に振るのも自由。と言うか、むしろ他人の間に振ってやる方が数段楽しいです。
で、お互い関係性についてのキーワードが振られる中で、相互の話し合いが行われるのですが…
「じゃあ俺が姉で、君が妹。ただし血の繋がりは無い」
「ええと自分が妹で…こっちとの関係性だと、殺人鬼と追跡者? どっちが殺人鬼なん?」
「私はこっちとの関係性で、召喚された人外と、召喚者なんだけど…うーん」
「人外が殺人鬼なのはありがちなので、あえて追跡者で」
「てか、この料理道具ってどうしろと?」
といった感じで、はい。既にカオスですね。
相互の設定が決まったところで、各プレイヤーは順に、基本、自分視点で一場面を作っていきます。でもって、他プレイヤー宛に選択肢を提供し、ストーリー展開を判断してもらいます【もう一つ展開方法ありますが省略】
「姉によって閉じ込められていた牢獄から脱出したものの、道に迷う。そして、にわかにまた殺人衝動が…そこへ少女が現れる。何食わぬ顔で道を尋ねるか、いきなり殺しにかかるか?」
酷いなあ選択肢。
そしてやっぱ1回で終わらないし。続く。
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