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うずめ劇場、チケット先行発売開始。

https://uzumenet.com/exilefromjapan/

「ニッポン人は亡命する。」
―― けっして福井県高校演劇祭での『明日のハナコ』事件に取材しているわけではない喜劇

来年(2025年)1月、シアターXにて上演!
特別先行割引 2024/8/25(日)より発売開始!

 けっして福井県高校演劇祭での「明日のハナコ」事件に取材しているわけではない喜劇。そのチケットが、いよいよ東京で大々的に先行予約がはじまった。8月25日。皆さんに告知が遅くなってしまってたいへん、たいへん申し訳ないです。
 けっしてこの作品は福井県の「明日のハナコ」という作品が排除された表現の自由の侵害事件に取材したわけではありません。ありませんってば。何回も言いますけれど。ほんとにそうなのか?……気になる人は見に来るべきなのです。虚実皮膜の間。そこにこそ美が宿るのです。おどろおどろしい現実のこわさ、それがふちどりになって、おもしろおかしい喜劇はなんだか一層面白おかしい凄みを増すのです。さあそこのあなた。福井県高校演劇連盟で当時、福井農林高校の演劇部員たちの上演を排除する役割をはたした委員長の、国語の教師のあなた!旗を振って主導した福井県の高文連演劇部会長だった校長先生のあなた!顧問会議であった発言をなかったことにするのに協力した13高校の顧問の教員のあなたたち!
 あなたたちにとっては特別面白おかしい劇になること請け合いですよーー……

 劇作家である私は思うのです。上演することこそ最大の闘いだ。と。そして、闘いのさなかに産まれる表現こそ、耽美のためだけではない人のうめきが、人生のきしみが、そこに見え隠れして、きわどい色を発する。表現はなにかあやしい迫力をはっする。
 もちろん演劇はおもしろくできています。けれどその後ろに、前に、右に左に、書く私のきしむ心がきっと作品に光沢をもたらすのです。
 こんな人権侵害の動きは絶対にくりかえさせてはいけない。どうしてかって?こんな小さな?(いや小さくはないんだけど)事件をくりかえし、つみかさね、いつのまにかこれくらいの人権侵害は「あっても普通」みたいに思えるようになり、ニュースにもならなくなり、……最大の人権侵害である戦争はその果てに、やってくる。民主主義の崩壊はやってくる。ロシアは民主的な社会のまま突然ウクライナに侵攻はじめられたわけではないのですよ。知ってます?人権がどんどん縮小していった挙句に、戦争が始まったのです。そう。子供を戦争にとられても「うれしい」と母たちが言わなくてはいけない世の中が、やってくる。子供が戦争で死んでも「名誉です。神になれたのです」と言わないといけない世の中が、やってくる。

 小さな動きのうちに、くいとめたいのです。素朴にそう思ってます。
 こんな小さな動きをするのは、現場の、「平凡」な「悪意のない」教師たちです。皆ただ、小心なだけなのです。上役に怖い顔されたら従ってしまう、怖い顔もされてないのに、雰囲気を読んで、忖度して、従ってしまう。もっと機転の利く人は、指図もないのに先を読んで、従うどころじゃなく、率先して動いてしまう。…みんな、ただただ小心なだけなのです。
 小心な人たちに迷いをもっとあたえないといけない。ちくっと良心が痛んだ彼らが、えいやっと悪行に踏み込む前に、「やめとこかな……」と迷うようにするには、「こんなことするとえらい目にあうものだな。」「抵抗されるんだな。」「不愉快だ。」「面倒だ。」「こちらも無傷ではいられない。」と不安にさせることです。「ちょっとやめときませんか?」と穏やかな会議の場で言いやすい根拠を与えてあげることです。
 人権を傷つけられた側の者は、いつまでも痛みをいやせないでいる。いつまでも痛い、痛い、と言い続ける。彼らに届くように痛い、やめてくれ、撤回してくれ、名誉回復してくれ、二度とやらないと約束してくれ、謝罪をきちんと公共の場でやってくれ、と要求し続けること。これは、とても大切な、皆のための動きだと思っています。あらためて、そのために、この劇を書きました。そして、上演は東京でされます。シンポジウムが行われ、そこでこの問題はまたまた話し合われます。

 いや、だからってこの劇は「明日のハナコ」事件に取材したわけではありませんって。ありませんってば。
 演劇自体として、そりゃきっと痛快におもしろいものですよ。

 ふふふ。
 みなさん!先行予約できますよ。チケットを買ってください!

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