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【ジュビロ磐田⚽】【雑感】サポーターとの適切な距離感とは。

突然だが、
あなたはジュビロ磐田の社長である。

そんなあなた(社長)はツイッター上に飛び交うご意見に対して、果たしてどれほどのテンションで向き合う所存だろうか。



せっかちなので間髪入れずに私の意見を述べてしまおう。
私が社長なら、まずまともに見ない。

いや正確には見るのだが、積極的に応対しない
理由はほかでもない。社長が相対するべきマスにしてツイッター世界は小さすぎるからだ。


社長の役割は、管理している組織の売上・利益を向上させること。
売上を得るためにアイドルも呼ぶし、利益を得るためなら餅も投げる。

ホームタウンを拡大したジュビロ磐田は、いまや売上・利益向上のために対峙するべき人たちの数が格段に増加した。


それに対し、
(細かいフェルミ推定を語りだすとつまらなくなるので割愛するけど)私の試算によればツイッター上にてノリノリで躍動する人たちの数はその20分の1、いやそれにも満たないボリュームでしかない。
つまりはツイッターという世界はあまりにも狭い。狭いし、何より不確実すぎる。

見ないというよりは、他に見るべきところが沢山ありすぎる。と言った方が正しいかもしれない。
が、結局のところ私ならまともに見ない。



ちょっと待ってくれ。本当にそれでいいのか!

そんな意見もあるだろう。
確かにクラブはツイッターの登録者数を増やそうとしてるし、ジュビロ磐田以外の多くの企業もSNSに対して躍起になっている。

果たして何が正解なのか。


クラブとサポーターの適切な距離感を整理するうえで、まずはこのSNSとの関係を語るところから今回のnoteは始めてみたい。




■発信者たれ!

言わずもがな。SNSは今や立派な広告・宣伝の場。

人が集まれば商売が始まる。
その昔 浦賀にペリーの黒船が来て人々が群がったとき、すぐに団子屋や黒船の絵を売る人たちが現れたという話が個人的には好きなんですけど。まぁこれはいつの時代も変わらぬ真実なのであって、何とも商魂たくましい逸話である。


そう。
SNSにて多くの人の興味を引こうとする行為は、はっきり言って正しい。商売人としてその商魂をここで発揮せずにどこでするのか。と言ってもいいぐらいだ。
そしてその逞しさを示す指標こそが登録者数であり、つまりはこれは絶対に多い方が良い。

ジュビロ磐田は全60クラブの中でその数は13位らしいのだが、首位マリノス(黒船時代に団子を売っていた子孫たち)の1/3以下しかないというから世の中は広い。
ジュビロ磐田はもっともっと豪快に団子を売るべきだと言わざるを得ない。


しかし一方で、
数は求めるけど、だからと言っていちいち反応なんかしなくて良いんじゃね。というのが本音だったりする。
なぜなら先に述べた通り、SNSはそのボリュームゾーンとしてはまだまだ優先順位が低いから。


これは選手のSNSにも言えることで、
(誹謗中傷は絶対にダメだし訴えるべきだけど)基本的には見て流す。もしくは見ない。あるいは発信し、そこから湧き出る意見は参考にこそすれどまともに向き合う必要は無いんじゃないかな。と思ったりする。

つまりは発信者たれ! と。


見るだけ。




■スタジアムは、どうか

対するスタジアム。
すなわち”現場”における適切な距離感とはなんだろうか。

ヤマハの場合は満員になったとてその数はたったの1.5万人。先ほど”小さすぎる”と述べたツイッター世界よりボリューム的にはさらに桁ひとつ小さいわけで。

じゃぁこれも相手にしている場合じゃないね。と言いたいところだがこれは大きな間違いで、こちらは積極的に相対するべきかなと思う。

なぜって、
それは現場だから



商売をするうえで現場の体験と言うのは何よりも尊い。

美味しいとか、楽しいのは当たり前で、それに加えて店がきれいだとか、店員がやる気に満ちてるとか。そういうのが継続的な利益を生むためにすごく大事になってくる。ディズニーランドがいい例ですね。
だから優れた経営者はCS(顧客満足)と同時に、ES(従業員満足)も大事にする。

こうして従業員が一生懸命用意した場所に、お金をかけて、労を惜しまず、足を運ぶお客様。ボリュームこそ少ないが、これを鼻ほじって「良い」とか「悪い」とか言ってるだけのツイッター民と同じ扱いにして良いわけがない。


そしてジュビロ磐田。

特に浜浦社長になってからこの「現場大切」意識と言うのをすごく感じていて、個人的には素晴らしいなと思う。
ホームゲームの入場ゲートに必ずと言っていいほど立っている社長。これは単なる目立ちたがり屋ではなく現場の大切さを認識している表れだし、何より現場の良し悪しを自らの肌で感じて何とかしたいという気合いの表れだ。

現場百篇とは刑事の言葉だが、
まさに利益向上の糸口は現場に落ちているわけで。「事件は現場で起きてんだ!」と青島刑事も言っていたし、浜浦社長も室井さん並みにそう思っているに違いない。


では、選手たちと現場の距離感はどうなのか。

実はこれを最も良く理解し、行動に移しているのがあの選手ではなかろうか。




■渡邉りょうのお辞儀

選手やクラブは、サポーターと程よい距離感を保つために発信者たれ。これは真理だと思う。一方で、現場は大事にするべきである。

このやや矛盾した理想形を一発で表現すると、渡邊りょうの試合後のお辞儀になる。


SNS等で初めてあのお辞儀を見たときに正直僕はびっくりした。今までそんなの見たことが無かったから。
(ゴール裏など)特定の個人とは相対さない。見るべき相手はそこだけじゃないから。でも現地のお客さんに感謝はしっかり伝えた方が良い。それがあのお辞儀には詰まっている。

多くの人が彼の行為を見て感激したのは、それを直感的に感じたからではなかろうか。



思えば前ボスの横内さんもこれがしっかりと出来る人であった。
だからこそ我々は横さんとの素晴らしい未来を夢見たし、そのために彼を男にしたいと一枚岩になった。

しかしシーズン終盤。
一度だけ横さんはこの理想形を逸脱した。ゴール裏に反応してしまったわけです。まぁそれ自体は良いんですけどね。僕はこの出来事をことのほか重大に捉えていて、発信者たれの大原則を自分の中で守れなくなるほどボスは平常心を失っていたんだな、とそんな風に見て憂いだわけです。

そして、
そんなボスを見てそれを制御したのはまたしても渡邊りょう選手でありました。僕はこの時思いましたよ。彼は物事をロジカルに捉えてとても冷静に距離感を見定めている。非常に頭のいい選手なんだな、と。



だからこそ磐田に完全移籍してくれたのは嬉しかったですね。彼は色んな意味で磐田を変えてくれそうな気がします。




■ブルーシート事変

ここまで語ってきたならば、あの一件について触れないわけにはいかないでしょう。

昨今、浜浦さんを中心に現場をとても大事にしてきたジュビロ磐田にとって、唯一の汚点と言うか、残念だったのが例のブルーシート。
僕はこれを事件でも事故でもなく「事変」と称したわけですけど、それぐらいインパクトのある悪手だったと思います。


汚いカスハラに対して選手を守る策。それは真実。でも同時に、お客様の現場体験を台無しにする行為。これも真実だったわけです。
多くのサポーターがアレルギー反応を示したのはそんな理由があったからかな、と。


ほかにいくらでもやり方はあっただろうに・・・そう思わずにはいられない、残念な出来事でした。




■で、SNSはどうあるべきか

選手やクラブは発信者たれ。反応なんかするな。

それはわかった。
じゃぁもうSNSなんて止めようかな。との意見が出てきそう。そしてその気持ちはよくわかる。
ていうかそんな事言いながらお前もツイッター更新してるし、noteまで書いてんじゃん!と、そんなことも言われそう。

でもですね。多分だけど私は止めない


良いんですよ。クラブから反応なんてなくて。彼らが見るべきはそこじゃないから。

じゃぁ何でやるか。
それは、無関心ってのは最悪だからです。コンテンツ商売において「好き」の反対は「嫌い」ではなく「無関心」だからなんです!!


その昔、
SNS上の磐田ブームに対して大事な試合の前には慎むべき!との意見がありましたが個人的には今でもそれには違和感があってですね。ていうか慎んで無関心になったらそれが一番怖いでしょうに。

黒船見に来た人たちみんな興奮してんのに誰もウチの団子だけ買ってくれない。これは恐ろしい事態ですよ。
慎んでる暇があったらもっと団子売り込みましょうよ!ってな話です。


だからどんどん意見を言えばいい。
身の回りの私とジュビロ磐田の出来事を語ればいい。誹謗中傷はダメよ。リテラシーは各自で持ってね。でも、好きも嫌いも発信すればいい。究極的にはコントのネタにしてイジってもいい
あれだって大事な試合前だったじゃん。そういうことなんですよ。


対するクラブ。
我々の「関心」に対してまともに向き合わなくていいから、その代わりですね。我々が無関心ではいられない発信者であってくれ。もうそれだけ。それだけなんですよ!!




■街でのファンサについて

最後にこれについても触れておこうかな、と。街中におけるサポーターとの距離感について。
待ち伏せ行為は止めましょうね。という、あれ。


僕はですね。その昔ドゥンガとスキラッチがユニーの喫茶店に入り浸って積極的に地元民と交流してたって話が大好きで大好きで。

セレソンのキャプテンとワールドカップ得点王が我が町に普通にいるんですよ!凄い事なんですよ!そんでそんでこれもまたサッカークラブが地元にある幸福の一部だと思うんですよね。

ドゥンガもそれを良くわきまえていて、生まれて間もないジュビロというクラブが街に愛されるためにむしろ積極的に街に出没していたわけです。磐田サポは彼が単なる鬼軍曹じゃないってことを知ってるんですよね。だから愛されてる。

そんで今でもそういう気概のある選手って実は多いんじゃないかなと思うんです。川島さんとか、かつてのヤットさんとか俊さんとか。その知名度を自己認識している選手であればあるほど。

でもですね。残念ながらあのころとは時代が違い過ぎる


今は誰もがカメラを持っていて、SNSがある。押しかける人が全員善良である保障なんて無くて、ちょっとした粗相があればすぐに悪評になって拡散される。事実と違うことも含めて。

加えて感染症も怖い。インフルエンザなんてすぐにうつるし、特に子供が発症してたらその猛威には屈するしかない。あいつらマジで強いから(経験者談)。


こんなんをゼロイチで排除するためには、「規制」するしかないんですよ。
凄く寂しいですけど。
自分が選手を管理する立場なら、やむを得ずそうする。商品を傷つけないために。これはしょうがない事なんです。


ただですね。
規制を杓子定規的に捉えて、かつての”マスク警察”みたいにキャーキャー言うのもちょっと寂しいなってのが本音だったりもします。


もし自分が子供たちとラーメン屋の行列に並んでて、その後ろにジュビロの選手が来たら「いつも応援しています!」とか「ウチの子横浜生まれの横浜育ちのくせにジュビロファンなんですよー」ぐらいは声かけると思います。

家族で食事しているところを話しかけるとか、プライベートのあとを追いかけて行くとか、そういうのはあれですけど。
選手がシーズンを過ごす街で生の声を聞く。これってやっぱりSNSのリアクションとは違った熱さがあると思うんですよね。

ダメかなぁ。。。




■”発信者”は次のステージに行けるのか

かなり長くなってしまったのでこれにて本当に最後にします。汗

クラブや選手は発信者たれ。と言いましたが、その発信内容がアップグレード出来るのか、ってのが次なる関心事であります。


よく言われてるクラブからの発信力ですよね。
「説明行為」というと重いですけど、そうではなくってステークホルダーと想いを共有するための行動力、とでも言いましょうか。


クラブ側もそんな意識があるのか、こんな役職が。

まさに適任。

これからどんなことが起こるか個人的にも楽しみなんですが、是非ですね、単なる説明係にならないで欲しい。ここはマジで。

個人的には折に触れての「お気持ち表明」は5本の指に入る生産性の無い業務だと思っていて。
あれを=発信力と捉えるならそれは無用です。笑


そうではなくて、
①あるべき姿と、②現在地。そしてそれを埋めるための③施策
これをクリアにして、
それと実際との④ギャップ分析。および⑤考察

発信力とは、
上記5つを言語化してステークホルダーと共有することかなと思います。経営にしろ、競技にしろ。
またステークホルダーとは今や大口スポンサーだけではない。それは言うまでも無いし、クラブも認識していると思います。


良いんですよ。上手くいかなくたって。全てが理想通りにいくわけがない。ブルーシートみたいに変な感じになっちゃうこともある。
ただそれに対してですね。なぜそうしたかと、結果どうだったかを共有する。

これだけでいいんです。これだけで。


山田CROには選手として、スタッフとして。それから経営層の一部として。そんなんを熱く、リアルに発信してもらえたらこんなに嬉しいことはありません!!




■最後に

思うところをつらつらと書いていたら5,000文字を超えてしまった。

あまり長いnoteは本望ではないのですが・・・まぁ積年の思い(というかジュビロ磐田はこの手のネタが豊富)ということで。


サポーターとの距離感なんてそりゃサポからしたら近ければ嬉しいですけどね。
一方で、そんな低い視座でいないで欲しいというか。それもまた本音。見るべきは優勝とか、海外とか、選手としてのキャリアアップとか。そういうのに万振りで集中して欲しいんです。

それで結果が伴えば、サポーターなんて勝手に関心事として盛り上がりますから。



サポーターは大事。でもだからと言ってすべてに対してまともに向き合っている場合じゃない。
SNSがある現代でこれを上手にバランスとるのって凄く難しいと思うんですけど、言い換えれば、それが出来るクラブが今の時代は”良いクラブ”なんだと思います!!








本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

バモ磐田。グラウンドの中も、外も。



※サムネ画像は海の家さんから。いつもありがとうございます。

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