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【週刊ユース分析】結局、部活とクラブユースどっちが強いのか!?(2021版)
さて、
リーグ戦や各種大会がひと段落したこのタイミングで、いよいよこちらの方を結論付けてみたいと思います。
ちょうど1年前ぐらいから、ユース年代の調査を本格的に始めてみようと思ったきっかけの一つが、タイトルにもある「結局、部活とクラブユースはどちらが強いのか?」という疑問からでした。
そのため、その両方が参加している高円宮杯プレミアリーグに注目し、全国1位と2位以外の順位がわからないリーグを自分なりに採点し可視化してまいりました。(詳細はこちらから ↓)
調査していて、どこに所属していようがユース年代は皆勝利に向かって頑張っている!という事実を目の当たりにし、
これって比べる必要あるか!?という感情も出て来たのですが・・・
この疑問を自分なりに結論付けることを目的としてきましたので、いったんここで整理しておこうと思います!!
■「強い」の定義
まず、「強い」の定義には2つあると思います。
✓ 今後のキャリアも含めたサッカー選手として「強い」のか
✓ 今現在の完成度として「強い」のか
ここでは、後者を「強い」の定義として話を進めます。
また結論は、ある特定の選手やチームを指して比較するものではありません。あくまでも、括りとして考えた時の考察になりますので、その辺はご容赦くださいませ。。。
■で、結局どっちが強いのよ?
私の結論は、
クラブユースの方が強い
です。
根拠は以下になります。
2010~19年までのプレミアリーグ9年間の実績を数値化すると、トップ20のうち
クラブユース 15チーム
高体連所属(部活) 5チーム
となっています。また、獲得したポイントは、
クラブユース 1,286ポイント (全体の65%)
高体連所属(部活) 444ポイント (全体の35%)
となっており、クラブユースに軍配を上げるに値する差がついています。
プレミアを戦い続けるには資金も必要ですし、トップを意識して「チームを作る」クラブユースと、トップが無いので「個を育てる」ことに注力する部活とで成績は変わってくると思いますが、
それらひっくるめて(むしろそう言ったことが要素として働くことも含めて)、現時点ではクラブユースの方が強い。というのが実態です。
■「強い」=プロに近いのか
一方でとても興味深い数字があります。
2021年シーズンに向けてプロ内定している高校生(2021.1.8時点)は、
クラブユース出身 32人
高体連(部活)出身 35人
と、ほぼ同数(むしろ部活出身者の方が多い)です。
プレミアで結果を出すチームと、プロ選手を輩出するチームは必ずしも比例関係にないことがわかります。
プロと一言で言っても、どのカテゴリーのチームに入団したかというのも気になりますので、(2021年シーズンの)J1チームへの加入を3点、J2チームを2点、J3チームを1点として計算してみましたら、
クラブユース出身 32人 78点
高体連(部活)出身 35人 75点
と、エスカレーターがあるクラブユースがやや有利となりましたが、こちらもほぼ同じという結果になりました。
プロになるならクラブユース。というこれまでの通説が、数字の上ではあまり説得力がないのが実態になりつつあるようです。
”10年ひと昔”と言いますし、これは近い将来ユースへの昇格を蹴って強豪校に行く。というルートが流行る予兆かもしれませんね。。。
■とはいえ、
「結局、部活とクラブユースはどちらが強いの?」という漠とした疑問にぶつかった時、
ここ数年の定点観測ではクラブユース。
と言うのが私の(2021年時点の)結論です。
繰り返しになりますが、この結論はある特定の選手やチームを指して比較したものではありません。あくまでも、括りとして考えた時のファクトベースの考察になります。
これら皆さんの考察と併せて、疑問解決の一助になりましたら幸いです!
とはいえ、
一番伝えたいのは、「ユース年代にはロマンがある」という事。
それを紐解く戦いが「高円宮杯プレミアリーグ」に詰まっているという事。
です。
引き続き2種全体をウォッチしていきたいと思います!!
**本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!**