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【ジュビロ磐田⚽】【雑感】謙虚さと負け犬の間(はざま)

誰が言ったかナショナルダービー。

実績の上ではここのところ大きく溝を開けられているのだが、2年ぶりの鹿島との解決にそんなの関係ねぇ!!と強めに意気込んでみた。


憎き鹿島。愛しき鹿島。と題して筆をしたためたこちらの回顧録にはそれなりのリアクションがあり、両者の意識の高さと鼻息の荒さを実感。

それは磐田の一方的な片想いのようにも見えたが、
物々しいカシマスタジアムの雰囲気にDAZNの放送席も思わず触れてしまうほど、確かにそこにはクラシコの重みがあった。


で、
結果は敗戦。またしても敗戦。2年前のホームで痛恨の同点劇を喰らってから、それを払しょくするどころか振出しに戻ってしまった感すらある。

しかもポポビッチ相手に。

これで良いのだろうか。我々は、これで良いのだろうか。




■まごうこと無き善戦

悔しさの背景には善戦したという事実があるかもしれない。

大きくメンバーを変えて臨んだ代表ウィーク明け。見たかったものがいくつも垣間見れ、特に前半は慎重になり過ぎて立ち上がりに弱いという過去事例を上回るパフォーマンスだったように思う。


決意の海音くんはパスとドリの選択が秀逸で最終ラインから明らかに勢いを付けていた。CB最適論は各選手の特徴による趣味趣向があるため答えを出すのが難しいけど、全員共通して「違い」を感じたのではなかろうか。

レゴメさんは中盤での狙いの定め方と狩りに行く速さが最高。これは(個人的に)ずっと欲しかったもの。遅れて行ってカードを貰うシーンもあったけどここはまだまだ試合を重ねて上がるところ。

ペイペイは相変わらずのキープ力。かつ徐々にゴール前で脅威を見せることが出来てるし、何より驚いたのが足が速い。ネガトラ時の最初の蓋としてはかなりやってくれる予感。

リカも90分落ちないバックスプリントの速さが戻ってきて、海音くんとのコンビで彼自身も落ち着きを取り戻したように感じた。

ずっと気になってた昌也さんは明らかに何かの迷いがそぎ落とされて前へ前へ行く意識が戻り、自己突破もクロスへの合わせも良い時の彼が戻って来た。

そして何より、古川くんの進化が凄い
68分のコントロールショットはずっと見たかったやつだし、何よりアレが選択肢に入れば今以上にドリやクロスが効いてくる。
そんでそんで、コタローが惜しいシュートを放った75分の起点も感激した。彼には十中八九ダブルチームが付くのでそれを逆手にとってフリーを活かせればとずっと思っていたが、まさにそれ。
これには気の利いた上原選手も同時に褒めるべきだけど、敵陣でまんまと2人ものマークを欺いてフリー(コタロー選手)のシュートをおぜん立てした。

言わずもがな、これもまた選択肢に入ってくれば彼のドリは今以上に活きて来る。楽しみでしかない。

このシーンには心から感激した。


試合終了後に鈴木優磨が「しょっぱい試合」と評したが、これもまた素直な実感なのだろう。

確かに磐田は善戦した。しかし、
この「善戦」という言葉が少々厄介だったりする。

それは他でもない。結果が伴わないことに対する必要以上の謙虚さが、負け犬を創り出してしまうからだ。
少し脱線する。



■大嫌いだった先輩

僕が入社して2,3年経った頃。まだまだ若手の部類だった当時、大嫌いな先輩がいた。
その先輩の口癖は「オレ、バカだから」

はじめは自分なんかに対してなんて謙虚な人なんだと思い、恐縮したりもした。「凄いねー。良く調べてるね。オレバカだからさ。あんまり良くわかってないからさー」とこんな感じで物腰柔らかく、低姿勢で接してくる。話しやすい先輩だった。


しかしこれ。
実態は謙虚でもなんでもなくって、ただ自分を蔑むことにより楽をしているだけなんだと、のちに気付いた。

胸に手を当ててみると自分自身にも思うところがある。何かを諦める時、失敗を自ら庇護するとき。
それを運命や成り行き、生まれ持った性格や生い立ちに当てはめて、言い訳する。「オレ、〇〇だからさ」と。

これは果たして謙虚なのだろうか。


オレは最高だ!オレのいう事を聞け!!と迫ってくるパワハラ上司よりはよっぽどいいかもしれない。しかし、

はっきり言おう。

謙虚さと、負け犬は紙一重である。




■挑戦する立場

課題を抱えたままJ1へ。
J1初体験の2年目監督。または多くの選手たち。
15人も入れ替えて試行錯誤する進化の過程。
実力未知数の外国籍選手たち。それから多くの若手たち。


多くの課題を持ってチャレンジしているジュビロ磐田。そんな中の善戦が光明であることは間違いない。
しかし、
次は行ける。良くやっている。が、だってしょうがないよね。とセットだと、それは一気に負け犬の遠吠えと化してしまう。

「負けに、不思議の負けなし」

善戦したとて、3連敗の裏に物理的価値はない。事実、勝ち点0は残留に1歩も近づいていない。

自分で書いていても悔しくなるが、鹿島戦の敗戦を必要以上にポジティブに見てしまうと、僕には先輩の声が聞こえてきてしまうのである。

「だって、昇格したばっかりだからさ」


これに嫌悪感を示すのは自分だけの感覚かもしれない。しかし、
アレは間違いなく、自分を蔑むことにより楽をしているだけの負け犬の言葉だった。
決して、謙虚さではない。

ジュビロ磐田は決してそうなってはいけないが、捉え方を一歩間違えるとそうなりかねない、危うい立場まで来てしまった。

そんな気がするのである。




■水には慣れた。喰いに行く。

あまり引用したくはないが、真逆を行っているのが町田だったりする。

自らの足元が正確に見れていない中での強気な発言はかなり危うい。これこそが謙虚さの無い状態であり、アキラさんと臨んだ2022年のJ1は少しその気があったことは否めない。


では、今シーズンの町田はどうか。

黒田さんの語気にはそれなりの強さを感じるが、謙虚さが無いかと言われると必ずしもそうとは思えない。そう感じる大きな違いは、自らの足元がメチャクチャ良く見えているという点かもしれない。

もっと言うと、自らの足元しか見ていない。相手より、自分。相手をリスペクトする暇があったら、自らを信じて高めることを考える。

アジャストを目指すより、自分たちがやれるか否かでしか見ていない。こういうチームは、嵌れば強い。
なぜなら、自分たちが良く見えているからだ。謙虚ではないかもしれないが、決して傲慢でもない。



さてジュビロ磐田。冷静に振り返ってみよう。

開幕の神戸戦は圧倒的に制圧された。これは事実。2戦目の等々力でやれることも見えた。
で、そこからの3連敗はどうだっただろうか

柏戦、ガンバ戦、鹿島戦。本当に負ける試合だっただろうか。この3つで勝ち点が積み上げられなかったことは、本当にしょうがなかったのだろうか。

「昇格したばっかりだからさ」

この言葉は謙虚なんだろうか。もしそうであったとしても、本当に必要なんだろうか。


期待と、不安。
手ごたえと、焦り。
まだ5節とも思うし、もう5節とも思う。

色んな感情が自分の中でもうごめくが、一つ言えることは誤った謙虚さで負け犬に近づいてはいけないという事。
そろそろ自らの指針で自らの殻を破り、ゴーイングマイウェイするときではなかろうか。


水に慣れるには十分な連敗だっただろう。
自らのストロングも見えた。喰いに行こう。足元を見て、喰いに行こう。鹿島がなんだ。マリノスがなんだ。浦和がなんだ。広島がなんだ。

できるだろう。昇格組は、苦戦しなくちゃいけないのか?




謙虚さを忘れるな。
しかし、負け犬にはなるな。奮起して欲しい。もっと、もっと。


そろそろいいだろう。
J1を、喰いに行こう。





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