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【ジュビロ磐田⚽】【雑感】無失点か。大量得点か。

だいたいこの手のnote書く時ってのは自分の意見は決まっていて、
それをダラダラと書きつつもなるべくロジカルに整理しようと努めているのですが、今回はですね。ズバリ自分の中でも意見はまとまっておりません!!

そんな悩めるテーマは、
”チームが志向すべきは無失点か。大量得点か。” 

これです。


そりゃ無失点かつ大量得点出来れば最高ですけど、サッカーとは攻守が表裏一体のスポーツ故、なかなか両方を得るのは難しい。
出来るのは甲子園でブイブイ言わせてた頃の大阪桐蔭だけです笑

てことでこれに関してはどうしてもチームの色ってのが出ると思うんですよね。

つまりどちらを目指しますか?と。




■かつては無失点派

とは言うものの私、これまでは圧倒的に無失点派でありました。

当たり前の話にはなりますが失点しなければ負けることは無い。リーグのレギュレーション的にも、これでも勝ち点は手に入る。

残留争いするチームの中で、
残るか落ちるかを見分ける手段として失点が減っているか否かを見ればわかるというのはもはや常套句だったりするわけです。


5-4で勝つぐらいなら、1-0で勝った方が断然いい。残りたいならね。個人的には圧倒的にこの論調の信者でありました。




■ヤットさんは大量得点派

一方で昨シーズン限りで引退したヤットさんはDAZNの特別番組の中で自分が監督なら「超攻撃的にやる」と言ってましたね。

フィジカル重視の現代サッカーに対し、テクニシャンを並べて圧倒的に点を取りに行きたいとの思想。いかにも彼らしい。

ただし本人は「5節でクビになるかもしれない・・」と、苦笑してましたけど(笑)。


これ見た直後に磐田がアウェイ川崎相手に5-4で勝利を収めたもんだから印象深かったし、確かに超面白い!と改めて認識させられたわけです。

ヤットさんも試合見て「これこれー」と言ってたのかな、などと想いを馳せたりして。




と、
世の中には色んな意見や思想がありつつも、自分が保守的だからなのか「やっぱ無失点の方が良いよなー」と、結局そこに行きついたりしてました。

みなさんはどうですか?


そしたらですね。
とあるチームが今まさにこの”無失点”を志向して苦悩してる。そんな実態を目の当たりにしたわけです。

少し深掘ってみます。




■長谷部アビスパの真実

エレベータークラブであったアビスパ福岡をJ1に定着させたのは間違いなく長谷部さんの手腕。

そしてそのやり方は、圧倒的に強固な守備であったと推察します。


ちなみにこれはジュビロ磐田がJ2降格した2022年を失点の少ない順に並べたもの。


残留争いに巻き込まれたアビスパですが、失点は僅か38。リーグで2番目に少ない数字。

結局最後は堅守が勝つ
そういう事なんですよね、と真実を突きつけられた感じ。
ちなみに磐田は・・・なるほどそういう事です。


ただそれって16位京都や12位湘南と何が違うの?
と突っ込まれそうですけど、
長谷部アビスパがこの堅守を突き詰めるという点において他と一線を画していたのは翌年のルヴァンカップにて証明されることとなります。

残留どころか、遂に優勝しちゃいました。


個人的にはこの時、
「無失点」戦略こそ正義だと確信しましたね。点を奪われないこと、負けないことは、優勝までもを引き寄せるのか!!と。


守れ!守れ!守れ!!
前線は金積んで強固なストライカーを連れて来ればいい!J2から得点王を獲れ!!えっ!?ルキアンはそこまで点取らなかったって?うるせぇそれなら紺野・岩崎を獲得してドリブラーで単騎突破だ!!

その代わりボランチから後ろは締めて締めて締めまくれ!!名前は前だけど後ろを締めろキャプテン!後ろのケアを徹底しろ!!松岡も田代も戦術に合うならお隣からでも奪ってこい!!


批判してるんじゃありません。
「無失点」は突き詰めれば勝てる。それは残留とかいうレベルじゃなくて優勝まで行ける。長谷部さんはこの仮説を圧倒的な実行力で証明してみせたわけです。




■長谷部アビスパの憂鬱

こうして僕は無失点信者になりました。

タイトルが欲しけりゃまずは守備からだ!!つたないビルドをするぐらいなら開き直ってでもリスクを負うな!!
長谷部さんを見習え!福岡を見習え!!と。


しかしですね。チャンピオンを経験して開幕した2024シーズンのアビスパ。注目してたんですけどちょっと様子がおかしいんですよ。

それがこちら。

見にくいので画像を貼らせていただきます。

FC公園@Jリーグ観客動員数さんXより


今シーズンの観客動員数はなんと平均1万人に満たず19位
そっかぁ。。。

調子の悪い札幌、磐田、京都、柏、湘南、鳥栖あたりと動員数下位を争ってますけど・・・
福岡って昨年満を持して優勝しているチームなんですよ!


僕はですね。試合のイベント充実やグッズで盛り上げるのは大事だけど、観客増やしたかったら大前提として勝たなきゃ!と、これまで口を酸っぱくして言ってまいりましたよ。


なのに、
勝っても観客増えてないじゃん!!何なら減ってんじゃん!!

と、これは正直ショックでした。




■頭をよぎるあの時の話

簡単に書くとこれが私の正のループ(妄想)でありました。

無失点を志向すれば勝てる
その先には優勝もある(sauceはアビスパ)

勝つ

観客増える

また勝つ

どんどん観客増える

儲かる

良い選手が集まる

もっともっと勝つ

儲かる

新スタジアムが見えてくる

ビジネス成功においてもチーム強化においても勝利こそ正義。

勝利のためには出来る事なんでもしよう!思想としてまずは無失点を目指そう!!だって長谷部さんが証明してんじゃん!! と。


しかしですね。福岡の地で必ずしも観客は増えていない。。。


あそこにはホークスという大人気球団があって、同日開催だと観客を奪い合っちゃって・・・みたいな事情もあるとは思うんですけど。
にしても念願のチャンピオンになってしても観客が増えないのはどういうことか。(私は悔しい)

これを紐解く一つのエビデンスがこれかもしれません。
失点の少なさで残留を決めた2022年。先ほどの順位表を今度は得点の少ない順に並べてみます。

一言で言えば、失点は少ないが得点も少ない

負けないかもしれないが、華々しい勝ちもない。堅守という思想は勝ちをもたらすが、どうやらそれだけではいけない…らしい。

言葉を選ばずに言うと、地味なんですよ!!


そうなってくるとですね。個人的にはこれが頭をよぎるわけです。

急に野球の話になってごめんなさいね。

2000年代に強さを極めた落合監督時代の中日ドラゴンズ。8年間全てAクラス。リーグ優勝4回。

そんな落合さんの持論が「勝つことが最高のファンサービス」。これでした。




■勝つことだけではダメなのか

落合さんの持論は何も間違っていないです。ただですね。この頃の中日は本当にファンサービスをしなかったんですよね。

一方でこの時期ってのは、
日ハムが北海道で、ダイエー(ソフトバンク)が福岡で、ロッテが千葉で、西武が埼玉で地域密着を掲げて本格的にファンの喜ばせ方を意識し始めたころでした。

かつて「人気のセ。実力のパ。」と言われ、パリーグの球場には本当に閑古鳥が鳴いていたんですが、この頃を潮目に観客動員はうなぎ上り。パ・リーグは人気球団に変わりました。


落合さんが監督になった2004年から11年までの8年間。中日は強かったですが実は日本一になったのはパリーグ勢が6回。

”万年Bクラス”とまで言われていた日ハムやロッテが地元密着、ファンサービスの徹底に目を付けて、派手な勝ち方と共に日本一になってしまったのは本当に驚いたわけです。

日刊スポーツより


落合さんの退任した中日が、その後どうなったかは以下の通り。
僕は落合さんを責めるつもりは全くありませんが、「勝てばなんでもいい」ってのは長い目で見れば誤りなのかもしれない。

そう感じさせるには十分なエビデンスかな、と思うんです。

一番右が順位。落合さんが去ってから12年。Aクラスはほぼ無い。



さてここで本題に戻ります。

サッカーチームが目指すべきは、無失点か。大量得点か。
勝つことを志向して、それに最も近い無失点を目指していれば本当に問題ないのか。


長谷部さんはアビスパでこの上ない実績を残しました。勝つことをサポーターにプレゼントしました。

しかし一方で、
得点の極端に少ないチームは観客を増やすことが出来ませんでした。
頭のいい長谷部さんのことですから、自らが退くことでこの流れは断ち切らなくてはいけないと気付いているのかもしれません。




■最後に

自分としては不本意なのですが、
今回のnoteは結論を皆さんに丸投げします。

勝つことは大前提。
負けないためには失点しないこと。
しかし、
それだけで本当に良いのか・・・。


無失点かつ大量得点。1シーズンなら出来ているクラブもありました。メチャクチャ強かったフロンターレとか、マリノスとか。

でもそれを維持するためには何をどうするのが正解なのか。
歯車が狂えば即降格してしまうリーグにおいて、長中期的にクラブは何を志向するべきなのか。



皆さんが強化部ならどうしますか?

皆さんが監督ならどんな戦術を選びますか?

皆さんが経営者なら何を重視しますか?








本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。



ちなみに、

長谷部さんが退任する来シーズン。
前田、サニブラウンとユースからスペシャル級のストライカーが揃って昇格する事実も興味深いです。

無失点か。大量得点か。
その答えは若い選手がカギを握っているのかもしれません。


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