【⚽️日本サッカーを愛そう】シーズン移行が実施された理由。
本日、2026-27シーズンからのシーズン移行が決定されました。
やや強引とも言えるこの決定はなぜ成されたのか。
自分なりの解釈を簡単に整理してみようと思います。
なるべく俯瞰的に色んな情報を加味して理解したつもりですが、専門家よりは全然浅い考察かもしれませんし、この考えが正しいのかも不明です。
ただ、
冬は寒いのになんでこんなことするの?って腑に落ちない方には少しだけ参考になるのではないかなと思います。
興味があれば少しだけお付き合いいただければ。
■Jリーグが考えていること
Jリーグはビジネスです。
ビジネスにとって、市場規模というのはとても大事です。
市場規模とは言い換えれば金を払ってくれる人たちの数です。
どんなに優れた製品でも、どんなに優れたサービスでも、金を払ってくれる人が居なければ世の中に存在し続けることが出来ません。
しかも、
恐ろしいことに日本という国はこの市場規模がどんどん縮小していくと言われています。理由は少子化です。
人が少なければ金を払う人が減る。簡単なことです。人気があるとか無いとかそれ以前の問題で、日本のあらゆる産業は衰退のリスクを持っています。
Jリーグはどうやら、次の30年に向けてこの市場規模縮小をとても恐れています。
つまり、今までと同じようにサッカーをしていてはJリーグというビジネスモデルは成立しなくなる可能性があると考えているわけです。
これについては私も同感です。
日本の少子化は異常です。しかもJリーグは”サッカーをして観客からお金を集める”という基本構造を変えることが出来ません。
つまり、やることを変えずにどうやってこの市場規模の縮小と戦っていくのかというのを、他の産業より躍起になって考える必要があるのです。
■Jリーグの市場規模拡大とは
では、Jリーグはどうすれば市場規模拡大できるのか?
それは世界に出ていくことです。
世界史を習ったことがある人ならわかるでしょう。人は内部の経済が停滞したら外に出るのです。
具体的には、
Jリーグのチームがアジアをはじめ世界中の人たちに認識されることです。認識されれば放映権による収入が増えます。Jリーグのユニフォームが世界で売れればそれだけ収入が増えます。
つまりJリーグは世界に名を馳せるという行為で、縮小していく市場規模を打開するしかないのです。
知名度を上げるにはチームを強くする必要があります。あるいは世界的に有名な選手を連れてくるのもありです。
いずれにせよ金がかかります。Jリーグのチームには金が必要なんです。金が欲しいのです。
そこで、ACLのシーズン移行が大きく関わってきます。
理由を少し詳しく述べてみます。
■知名度とACLの効果
世界的な知名度を上げて、市場規模拡大を図りたいJリーグ。
そんなJリーグがなぜACLを大事にするのか。それには大きく2つの理由があります。
1つ目の理由は単純です。
ACLで勝てば、それだけで知名度が上がりファンが増えるからです。浦和がシティといい試合をすれば世界中にその話は伝播します。Jリーグの価値向上にとって、こんなに優れた宣伝はありません。
2つ目は、これも大きな話題になりました。
ACLにて支払われる賞金が超デカいからです。
17億ですよ。国内リーグの賞金の比じゃありません。
日本のチームがこの額の賞金を手にするようになれば、いよいよ世界で戦えるチームが出来上がっていく、加えて知名度が上がる、ひいては市場価値が上がる、市場規模が広がる、という訳です。
■シーズン移行するしかなかったJリーグ
ACLがシーズン移行したことにより、Jリーグはこれについていくしかなくなってしまいました。
なぜなら現行のシーズン体制は、
市場規模を確保するために必要なACLを戦ううえで非常に不利だからです。
マリノスは大会の途中で監督が代わりました。J1復帰したい甲府ですがオフのチーム編成そっちのけでACLを戦う必要が出てしまいました。
Jリーグにとっては、これらのことが起きてしまう現行体制はやっぱり良くないことと認識しているんだと思います。
夏場はパフォーマンスが落ちるからシーズン移行した方が良いとか色々言ってますけど、正直こんなのは取って付けた理由に過ぎないんです。
縮小していく市場規模に対抗して生き残っていくためには移行するしかなかったんです。これは出来レース。移行ありきで話が進んでいたように見えた人が多かったと思うんですけど、その通りなんですよ!
なぜなら、未来にも存続し続けるためにはそうするしかなかったから。
■雪国の苦悩
この出来レースで割を食ったのは間違いなく雪国のチームでしょう。
僕はですね。この決定についてしょうがないんだから黙っとけ、というつもりは全くありません。
むしろ言って当然です。
ただ、
これらの背景を知ったうえで建設的に意見を言っているか、ただただ野々村が雪かきしろバカヤロー!と吠えてるかの差はデカいと思っています。
ほとんどの雪国のJリーグチームの社長は今回の移行を容認しています。経営者は市場規模の大切さを良く知っています。リーグの縮小は自チームの縮小を促すからです。
苦渋の決断ではあったと思うんですが、きっとこれらの事情をよく理解して判断をされたんだと思います。
誰だって雪や寒いのは嫌ですよ。
でも未来永劫存続していく術を考えた時、雪対策してでもこうするしかなかったというのが実態なのかなと思います。
■この話の続き
ところで、
このシーズン移行には恐ろしい続きの話があることをご存じでしょうか。
Jリーグ存続のためには市場規模の確保が必要。
そのためには世界に出よう。
世界に出て知名度を上げられるリッチなクラブになろう。
そのためにはACLで勝てる体制を整えよう。
これがシーズン移行する理由の大筋ですが、これ、全てのJリーグクラブが同じ夢を見れると思いますか?
正直そんな悠長なこと言ってられないんですよ。
そして野々村さんは明確に
「世界で勝てるリッチなクラブを作るために優遇する」と発信しているんです。
それが、Jリーグの分配金格差。
Jリーグはですね、強いチームにしか金を払わない。世界で勝つためには格差は出来て然るべき、と明言してるんです。恐ろしいことに!
浦和、横浜FM、川崎、鹿島、FC東京あたりが有力候補でしょうか。いずれも今シーズンの集客トップクラスだった首都圏のチーム。
そして、
それ以外のチームってのはあっち側に行けるか、行けないのかの超正念場にいるんです!!
僕がですね。ジュビロ磐田が今年絶対にJ1に行くべきで、来シーズンははいつくばってでも残留すべきだと唾を飛ばして力説するのはここにあります。
いつまでもJ2にいたらあっち側に完全に行けなくなってしまうからなんです!
マジでヤバいんですよ。個人的にはシーズン移行よりもっと盛り上がって良い話題だと思うんですけど。。。
■気を吐くファジアーノ岡山
実はですね。このことに早くから危機感を抱いていて、積極的に動いてるなと感じるチームがあります。
それがファジアーノ岡山です。
私の記憶だと、ファジアーノは3年ぐらい前からこの危機感を明言していて、クラブと街とが一体となって何としても今のうちにJ1へ上がろうと躍起になっています。
スタジアム建設構想。選手への投資。未だ昇格という悲願は達成できていませんが観客数が確実に増え、ユースが一足先に初のトップリーグ昇格を果たしました。
確実に前に進んでいると思います。
岡山の補強の速さと的確さに目を見張るJ2ファンの方は多いと思いますが、ファジアーノ岡山を強く面白いチームにしているのは、間違いなくJリーグが掲げる世界に勝てるチーム作りへの優遇に他なりません。
シーズン移行はその契機。岡山の関係者もいよいよ始まってしまったな、とそう思っているのではないでしょうか。
つまり、
今回の移行に関しては全てのチームに相当のインパクトを残します。雪国だろうがそうでなかろうが本当に分かっているチームはこれについて建設的に、そして前向きにとらえて行動しているんです!
■最後に
シーズン移行を容認すると、否定派の方々からお前は寒くても良いのか!と言われます。
寒くて良いわけがありません!嫌ですよ。僕だって。
でもこれは、グレーしかない中でベターな方を選ばばなくてはいけない究極の選択。白黒つけられる問題じゃないんです。
寒いってのはわかりやすいのでどうしてもそこで議論されがちですが、野々村さんや経営者ってのは恐らくもう少し高い視座と、もう少し向こうの未来をみて判断しているのだと思います。
僕たちもそれがわかれば、今回の決定ももう少し腹落ちできるのかな、と。
稚拙な整理でしたが、今回のnoteが皆さんの納得感を少しだけでも後押し出来たらこんなに嬉しいことはありません。
正しいかどうかはわかりませんけどね、私はこのように解釈しました。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
AFCがACLの賞金とかを勝手に下げないことを祈ります(汗)。