【週刊ユース分析】本当に強いユース世代はどこだ!? ②
さて、前回のnoteにてユース世代の最強チームを定義付けるべく独自の採点方式にてポイントをつけて順位付けを行い、トップ10を明らかにしてみました。
※採点方式はこちらから
どのチームをフォーカスしてみても、立っている現状やチームのポリシーなど調べてみたいことは沢山出てきたのですが、今回はトップ10以下の動向について結果を見てみようと思います。
トップ20までに入った強豪チームはどこか?
まずは結果から↓
惜しくもトップ10を逃しているのはガンバ大阪ユース!
10位の流経大柏とのポイントもわずか1なので、今シーズンで一気にトップ10に食い込む可能性も大です。12位とのポイント差を見てみてもガンバユースまでが実質Aクラスといえるでしょう。
稲本選手、家長選手、宇佐美選手、井手口選手、堂安選手・・・そうそうたるメンバーを輩出した若手の宝庫ですが2011年のプレミア創立初期にリーグに加入していないことが影響しています。2013年に初参入してからは広島、セレッソらと同じくWESTをけん引し続けている強豪です。
また、12位、13位に柏ユース、市船がいることも興味深いです。流経大柏とは少しポイント差はあるものの、やはりこの3チームは千葉県内で三つ巴の争いをしていることがよくわかります。
浦和ユースと大宮ユースがポイント差わずか1で争っていることも興味深いです。首都圏の千葉や埼玉では強烈なライバルチーム同士がユースレベルで日常的にダービーマッチをしているのです!
あれ!?あのチームがいない??
トップ20まで見てみて”違和感”として特筆すべきが2点あると思います。
まず1つ目として
✔ 神奈川のチームがトップ20にいない!?
マリノスユース、川崎ユース、桐光学園・・・誰もが知っているような強豪ですが高円宮プレミア基準で見てみると苦戦しているようです。
千葉勢、埼玉勢の立ち位置を考えると、同じく人材豊富な首都圏でありながら神奈川勢のこの立ち位置というのは気になります。何が理由なのか?人材の分散だけでは説得力に欠けます。※人材豊富すぎて川崎下部出身の久保選手のようにユース通り越してバルサ・カンテラへ行ってしまったケースもありますけど。。
どなたか見解ありましたらぜひ教えていただきたいところ・・・です。
そしてもう一つは、
✔ 選手権強豪校がまだ出てこない!?
青森山田、東福岡、流経大柏、市立船橋、富山第一。トップ20に名を連ねているいわゆる高体連チームは上記5高のみでした。
選手権ファンならすぐに名前が出てきそうな、前出の桐光学園のほか、今年のお正月を沸かせた静岡学園、帝京長岡、矢板中央、昌平などなど。あれほど強かったチームがトップ20に入れていないのが実態なんですよね。。。
今年の選手権の決勝前に静岡学園の川口監督が青森山田を”絶対王者”と呼んでいたことも、プレミア事情に詳しければよくわかります。ここ数年の高体連チームの実績を見てみると青森山田がどれだけ強いかが、上記のポイントからも明確です。
静岡学園の選手たちは静岡に24年ぶりの優勝をもたらしただけでなく、この絶対王者相手に逆転優勝したわけです。プレミア事情に詳しい県民の皆さんは、「久しぶり」に加えて「凄いことをやった」という想いが上乗せされて喜びも倍増していたのではないでしょうか。
それでは経緯を見てみましょう!
トップ10の時もそうでしたが、現在の順位を見るだけでなくプレミア9年間の時間経過を織り交ぜてみることで、全体像が見えてまいります。
順位の経緯を示したグラフを見てみましょう↓
■11位~15位の推移
まずグラフを見ていて気付くのが、ガンバユース、柏ユース、市船の11位~13位がプレミア設立初期に出遅れたものの、本来の実力通りにしっかり右肩上がりに順位を上げていることです。
この3チームは今年度もプレミア所属ですし、今後きっちりトップ10に食い込んでくることは間違いないでしょう。
■16位~20位の推移
そして面白いのが、ポイント差1で並ぶ浦和ユース、大宮ユースのグラフです。
右肩下がりの浦和と右肩上がりの大宮。ポイント差は1でも勢いは大宮にあるようです。昨年のプレミアでも大宮が浦和相手にシーズンダブルを達成しています。総合順位は浦和ユースが上でしたが唯一2連敗を喫したのが大宮でした。ユース世代のダービーもバチバチで面白いですね。
大宮はこの勢いをもってトップチームもそろそろJ1昇格を果たしたいところでしょう。
プレミア初期 強豪チームの憂鬱
また逆に、うかうかしているとトップ20から漏れてしまいそうなのがヴェルディユースと札幌ユースです。
この2チームはプレミア初期にはトップ5に入っていたのですが、近年は厳しい戦いが続いています。
特に札幌ユースは、2015年に降格してしまうと、その後、3度の参入戦に失敗。いまだプレミア復帰を果たせずにいます。道内では敵なしのため、参入戦にはコンスタントに挑戦できているのですがそこから先の壁が突破できていません。移動を考えるとプレミアでの戦いは地理的に不利なのですが、一発勝負の参入戦は移動によるコンディションの影響は少ないはずです。憶測ですが近隣の青森山田に人材が流出しているのかもしれません。
トップチームがミシャ式でメキメキ力をつけ、J1で結果を残しているだけに、ユース世代の不振は気になるところです。
また、ヴェルディユースのここ最近のパフォーマンスもオールドファンには少し寂しいのではないのでしょうか。いまや東京の筆頭はFC東京Uー18です。2017年に優勝を果たすなどプレミアでの地位も確立しています。
ヴェルティユース出身といえばJや海外で活躍している選手は枚挙にいとまがありません。鹿島の三竿選手、元鹿島でポルティモネンセの安西選手、マリノスの畠中選手、名古屋の前田選手、ポルトの中島選手。テセウスの船の竹内選手。。。
彼らがトップチームではなく移籍先のチームで活躍するのはなぜなのでしょうか。
しかしながら歴史あるクラブで人材も豊富。若手有望株でたびたび名前が挙がる松橋選手をはじめとし、年代別代表を経験した4選手がトップ昇格するなど、反攻に出ている感じはします。これからに期待しましょう。
21位以下もまだまだ面白い!
今回はトップ20までを見てみましたが21位以下も大変興味深い傾向が見られます。
もう少しリーグは中断しそうですから、時間のある限り分析してみたいと思います。