【週刊ユース分析⚽️】凄すぎる神村学園を改めて調査する!!
2種年代の常識を覆しているチームが鹿児島にある。
それは遠藤保仁や松井大輔を輩出した鹿児島実業でもなく、大迫勇也を輩出した鹿児島城西でもない。
まさに桜島のマグマのごとく人材を湧き出し続けている神村学園である!!
今回はこの神村学園の注目選手を述べつつ、
どんだけ凄いのかってのを力説してみたいと思います!
■そもそも
高校生のスポーツとは、強さを求めるにあたって実に取り扱いが難しい宿命にあると思う。特にサッカーはそうだ。
施設を整えて多くの選手を搔き集めて、その中から光る卵を発見するのも一つの方法ではあるが、そうなってくると今度は不祥事が起きやすくなる。
強豪チームであっても、何かのきっかけで”歯車”が狂えば一気に転落してしまう。それが2種年代のサッカーチームの難しさだったりする。
そして、
その”歯車”の一つとして大きなファクターを占めるのが世代交代ではなかろうか。高校生の世代交代とはプロのそれとは大きく異なる。とにかく時間が無い。
3年という限られた時間の中で「勝利」と「試合経験」の両方を積むことは非常に難しい。”ゴールデンエイジ”と呼ばれる世代のすぐ横には”谷間”と呼ばれる世代があるのはこのためだ。
キラキラと眩しければ、残念ながらその前後は影となってしまう。これはある意味 自然の摂理。しょうがない事なのかもしれない。
しかし!!
その”しょうがない”を近年まったく苦にしていないように見えるのが今回取り上げる神村学園。
神村の凄さはこの記事の頃から始まっていたと回顧する。
福田師王が大学生相手に2発。彼はこの時、高校1年生だった。
■福田、大迫世代
個人的に神村学園の名を強く意識しだしたのは間違いなく福田師王という1年生を目撃したとき。
高校1年と大学生では体格的に大人と子供の差がある。しかも相手は関東大学のトップクラスである流経大。そんな中で福田選手は2点を決めてしまった。間違いなくホンモノだと誰もが思っただろう。
ジュビロ磐田は鹿児島とは大の仲良しであったし、当時の磐田には鹿児島の生んだスーパースター遠藤保仁がいた。
慢性的なFW不足に悩んでいた推しチームを想い、私は人知れず福田入団を画策(妄想)していたのだが・・・3年後に射止めたのは思いがけないチームだった。
高卒即海外クラブは刺激的なニュースだったが今思えばこれは既定路線。それだけ福田師王は凄かった。
であればこっちはどうだ!と息巻く選手がもう一人。そう。世代を代表する大エースには必ずと言っていいほど相棒がいる。翼くんで言えば岬くんの様な存在。
それが大迫塁であった。
長い手足と正確なキック。
福田師王の得点能力は大迫塁のチャンスメイクによってさらに凄さを増していたと言ってもいい。
そんな彼もまた当たり前のようにセレッソ大阪に引き抜かれていったのだった。
いずれにせよ、福田と大迫で神村学園は一時代を築いた。
それは明らかに伝説級ではあったが、一方で来年の神村は厳しいだろうな、と私は個人的に思っていた。眩しすぎた先輩たちの後には、必ずと言っていいほど影の世代が存在するからだ。
2023年の神村学園は谷間のシーズンになると思われた。しかし・・・
■吉永、西丸世代
まずもって、
吉永夢希(よしながゆめき)という選手を知らなかった自分が信じられなかった。
2023年のプレミアリーグWESTの序盤の印象は「吉永選手すげぇ」にほとんど持ってかれていったと言っても過言ではない。
ポジションは左サイドバック。
彼からのクロスはどれも正確無比でもの凄い精度を放っていた。敵としてみればむちゃくちゃ怖いのである。
そして、
当然ながらこの吉永選手にも同年代の相棒はいた。それが西丸道人選手。
道人と書いて「みんと」と読む。清々しい名前とは裏腹に、実に泥臭いゴールを決めるストライカー。これまた福田師王ばかり見ていた自分としては完全にノーマークの選手だった。
繰り返しになるが、
普通は世間を賑わせた名選手がいた前後の世代は少しおとなしくなる。福田・大迫世代はまさしくそんな影響力を持っていたはずだ。
しかし、
神村学園は翌年にもの凄い才能を世に放ったことになる。
吉永選手はのちにU-17日本代表に選出。そして10月には海外クラブへの入団を決めた。
高校生ながらJ2で7ゴールを挙げてベルギーへ発った後藤啓介と同級生。気付けば吉永選手もまた同じ年にベルギーでの挑戦権を得たことになる。
そしてその相棒である西丸選手もきっちりとJリーグ入り。
かつて
2年連続で海外プロとJリーガーを輩出した高校があっただろうか。
これだけでもかなりすごい事なのだが、神村学園の恐ろしさはこれだけにとどまらないことにある。
そう。あの選手がまだ(2023年度時点で)2年生なのである。
■名和田、新垣世代
福田・大迫の3年生が注目を集めて躍動した年、10番を付けていたのが1年生の名和田選手だった。
言わずもがな、
甘いマスクと抜群のテクニックで選手権で名を馳せていた全国ベスト4の10番。福田・大迫と同じピッチで堂々とプレーしていたあの時の彼が、あの時1年生だと認識していた人はどれだけいたのだろうか。
そして、
彼の活躍はもはや国内にとどまらない。多くの人が記憶しているだろう。U17アジアカップでの得点王&MVP。
2年連続でJリーガーと海外プロを輩出した高校にはさらにそれを凌駕する才能がいたことになる。
なんてこった…。
そして、
当然ながら名和田の代にも特筆すべき選手がもう一人いる。それが180cmの大型ボランチ・新垣陽盛(にいかきようせい)である。
背が高くて足が速い中盤の選手。もう絶対に争奪戦になるじゃん!
今年の選手権でも神戸広陵戦でゴールをゲット。ボランチ転向してまだ日が浅いとのことですが24年のプレミアリーグ、選手権では必ず注目される選手になるはず。
もう名和田選手だけ追ってちゃダメなんです!
■福島、日高世代
さすがにもういないんじゃない?
そう思ったあなたは神村学園の恐ろしさをわかっていない。今年の選手権、錚々たる先輩方に混ざって9番、10番を付けていたのが実は1年生。
ちょっと考えられないです。。。
その名は、
9番・日高元(ひだかはじめ)
10番・福島和毅(ふくしまかずき)。
日高選手はエース西丸選手と共に前線に張りながらボールの引き出し役として躍動していた丸坊主の選手。
福島選手は、2年生の新垣選手とコンビを組んでいたダブルボランチの一角。
とにかく人材宝庫過ぎるチームなので、現時点で彼らをチームの代表として取り扱うのが正しいかの判断はまだわかりませんが、いずれにせよ9番10番を背負った至宝である事は間違いないわけで・・・。
24シーズンもそのまた次の年も。彼らを軸に注目して行けば間違いないはずです!
■最後に
とにもかくにも。
ちょっと調べればどんどんと注目選手が出てくる神村学園。Jリーグの内定、世代別代表選出のみならず海外クラブへの入団も含めて、継続的に注目していけば必ずエポックメイキングな出来事に巡り合うでしょう。
高校サッカーってのは世代を代表する選手がチームに一人いればもう十分に絵になるんですよ。それが翼くん岬くんのように複数いて良いコンビを築いていればそれだけでもうドラマ。
それなのに!そんなのが各年代にいるなんて!!
普通に考えればあり得ない(汗)。つくづく恐ろしい(面白い)ものを見ているんだなーと、本当にそう思います。
まもなく新しいシーズンが始まる2種サッカー。
まずは神村学園を軸に着目してみればかなり楽しくなるはずです!!
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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