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【ジュビロ磐田⚽】【雑感】どうすればゴール裏の迫力は増すのだろうか。

突然だが、
3,000円のランチを奮発して食べて、「マズい」と言う人はいない。


理由は他でもない。奮発したからだ。
当然”それなりのクオリティがあれば”という注釈が付くが、言い換えればそれさえあれば人は金を掛けた分、肯定したい気持ちに支配される。
よって、3,000円のランチを食べたほとんどの人は「とても良かった」と言う。

ビジネスにおいて「高級路線」を貫くブランド戦略の本質は、実はこの心理的操作にある。
つまり時間や金を掛けたものは、その人にとって”良い”のである。


そして、
この”現象”こそがアウェイゲームの声量の大きさの正体だったりする。

少し詳しく。



■時間と金を掛けたアウェイゲーム

いつもより朝早く起きてテキパキと準備する。

平日なら決して目の覚めない時間(むしろ布団から出たくない時間)にもかかわらず、自分でも引くほど軽快である。

持ち物と出発時間を気にしつつ、これから起こるであろう至福の時間を想いもうすでに幸せだ。

子供の頃の遠足と違って忘れちゃっても向こうで買えばいいし。みたいな余裕すらある。そう。これは大人の遠足。おやつ代の上限も決められていない、本当に気ままな自由時間。


こうして「非日常」は作られる。
「非日常」は、いつもより少し大胆な自分を創り出す。


不慣れではあるがその分、新鮮な気持ちで敵地(スタジアム)に入る。
そこには既に何人かの”同士”がチラホラ。話したことは無いが近い未来に同じ夢を見る仲間である。
ここではマイノリティであるという事実が、仲間たちを異様に心強く映す。

お腹も喉も満たされたところで選手がグラウンドに入ってくる。彼らもまた同じ色を纏ったマイノリティ仲間だ。やはり、いつもより逞しく見える。

ボルテージが上がる。絶対に楽しい時間にしたい!と無意識に力が入る。なぜならいつもより時間とお金を掛けているから。

声が出る。手が動く。


こうしてアウェイゲームのゴール裏は自然と迫力を増す。
3,000円のランチを肯定したいように手間暇かけたその場所はプロアクティブな人間が多い。

最高の時間と空間は、こうして創られる。


恐らくこれだけの原因ではないだろうし、絶対的な尺度であればどうかはわからない。
が、得てしてゴール裏はホームよりアウェイのほうが力強かったりする



■ホームのゴール裏

アウェイよりホームの方が迫力無いなんて・・・何たる痛恨。

しかし、
本当にこれはしょうがない事なのだろうか。

恐らく答えは否(いな)。

なぜなら世の中には恐ろしいほどの迫力を持ったホームチームのゴール裏があるからだ。やっぱりホームの応援が一番で、アウェイとはあくまでもそれを切り取った一部であるような。そんな感じ。
ホームとアウェイとで違いがあるようではそもそもいけないんじゃないかな、と。そんな正論を突きつけられてしまうような。

では、それって一体何が違うんだろうか。そして、何が原因なんだろうか。



個人的にはそんなチームとは大きく2つの違いがあるように思う。
言い換えれば、これこそがゴール裏の迫力を増す根本的な方法なんじゃないかな、と。

ひとつづつ。

個人的には今も好きなんだけどね。



■要因① 楽しいところに人は集まる

前にもどこかのnoteで述べた記憶があるけれど、何事においても「楽しそうである」というのは大正義である。


例えばSNSで、
「みんな来て来て!面白いからみんな来てね!!」

と言ったところで
「はい!」
という人はほとんどいない。残酷だがこれは自然の摂理である。


一方で、
「なんかこの人めっちゃ楽しそうだな」という感想がSNSの投稿から滲み出ていると無意識的に気になってしまう。文中に「来て来て!」という誘い文句が一つもないにも関わらず、なぜか興味を持ってしまう自分がいる。

理由は他でもない。楽しそうだからだ。


そんな人の周りには自然と人が集まりだす。そうなるとこの「楽しそう」の輪はどんどん広がって圧倒的な魅力に変わる。
そしてついには、
自分も行ってみようかな。と、ただSNSを見ていただけの人を動かしてしまう。

僕自身もnoteを書いていて一夜にしてもの凄いビュー数を示すものと、1週間たってもさほど伸びない記事がある。
でも僕はおそらく両方とも書くことを止めない。なぜなら、どちらも自分にとって「楽しい」から。

楽しければ続く。楽しければそれを共有してくれる人が少なくてもあまり問題ではない。
それより「なんかこの人めっちゃ楽しそうだな」というのがブレずにあれば、そのうち人は集まるという妙な自信すらある。



さて、ジュビロ磐田のゴール裏に話を戻そう。
ゴール裏にとって「なんかこの人めっちゃ楽しそうだな」とはなんだろうか。
それは究極的には、勝つことでしかないと思う。


スタジアムに行けば臨場感がある。スタグルもある。イベントもある。もちろん試合で勝つこと以外の楽しさはある。
しかし、ライト層がそこに行ってみたいと思い、ゴール裏の迫力を増す一員になるためにはやはり勝つことが一番重要で、強い。

その証拠に鹿島のゴール裏にはとにかく若い人が目に付く。
いかつい兄ちゃんと、往年のシニアサポと、目をキラキラとさせた少年少女と、思い思いに彩る高校生や大学生が入り混じる鹿島スタジアムには、これまで鹿島が勝ち続けてきた結果が充満している。

彼ら彼女らは、
「なんかめっちゃ楽しそう」に吸い寄せられ、いつの間にか「なんかめっちゃ楽しそう」側になったのである。

浦和もそう。川崎もそう。マリノスもそう。
迫力あるホームゴール裏は決して首都圏チームだけが成せるものではない。しっかりとした成績を残し続ければきっと出来るはずなのである。なぜなら、

勝てば楽しそうだから。



■要因② ゲストに対して誇らしいか

大人になってから何度か自宅開催のBBQに誘われたことがある。

マンション暮らしの我が家は招待することが出来ないのでいつも誘われる側なのだが、前日から準備したであろうゲストに対するおもてなしにいつも恐縮してしまう。
自然とこちらの手土産にも力が入る(笑)。

そして、
いずれもそんなお宅は素敵な新築であることが多い。お披露目要素も多分にあると思うのだが、おかげで環境的にもとても過ごしやすかったりする。

つまり、
もてなす側の気合いはもてなすだけの環境に依存していると言っても過言ではない。必ずしも新しくある必要は無いけど、狭くて不便だったらやはり人は集まらない。
ていうか、そもそも積極的に人を迎え入れようと思わないはず。



さてジュビロ磐田。
サッカー専用スタジアムだけあってその見やすさはリーグでもトップクラス。しかし、胸を張っておもてなすにはさすがに古くなり過ぎた

自慢の我が家。スタジアムの中も外も、ゲストをおもてなすには最高の環境。楽しんでってね。私たちで最高の雰囲気を作るから。

果たしてそんな感情が、今のホームタウンにあるだろうか。



「昔は強かったんだけどね」

僕自身も地元に帰省するので知っている。多くの人がそんな言葉を口にする。ジュビロ磐田は熱狂を通り越して、長いこと熟成期間にある。

興味は無いわけではないが、熱を帯びて語る程でもない。SNSだけに生息しているとなかなか実感は無いが、ジュビロ磐田の現実は多くの人にとってそんな立ち位置だったりする。

それはホームスタジアムに対しても同じ。
わざわざ盛大に迎え入れるほどの立派な家ではない。多くの人がそう思うようになってしまっていて、それ故、ヤマハスタジアム(それはゴール裏を含む)にはいつからか人が集まらないようになってしまった。

間違いなく居心地は良いんだけどね・・・。でも。
そんな感じである。




■敬意と、約束

・敬意

ていうか、
結局「勝つこと」「誇れる我が家(新スタジアム)」がゴール裏の人数を増やして迫力を増す方法なら元も子もないじゃん!!オレたちはどうすれば!?

という声が聞こえてきそう。
様々なやり方はあれど深堀りしてよーく突き詰めると、根本的にはそこに辿り着いてしまう。どうやらそれが真理であるようだ。


しかし一方で、
スタジアムが新しくして勝てば人は集まるが、それだけで良いのかと言われると必ずしもそうではない。

そこには、心地いい風土や文化が必要になるからだ。
その風土や文化を作っているのが今のゴール裏だったりする。浦和や鹿島に比べるとまだまだかもしれないが、確実にベースは創られつつある。

その証拠に、こんなnoteを書いたりもした。

DAZNから聞こえてくる声援に心燃やしながら、
昇降格を繰り返す状況にありながら熱くスタジアムに集う”同士”に心から敬意を持つ

「声出せ」とか、「旗で見えない」とか。細かい単位でのいざこざは無くなることは無いだろうが、本質的にはそれ単品がゴール裏の熱気を取り戻すことにはつながらないと思う。
しかしながら、
理想を求めて楽しむことを止めなければいつかチームは応えてくれる。必ず。


・約束

いつかどこかできっちり書いてみようと思うのだが、
ジュビロ磐田は近い将来 再び栄華を取り戻すのではなかろうかと、そんな風に思っている。

勘なのか経験則なのかそれとも漂う雰囲気なのか。これと言ったエビデンスは無いが、何となく、でも割とはっきりとそう思う

磐田はまた強くなる。


そうなればスタジアムに人は増えるだろう。ゴール裏も徐々に迫力を増すに違いない。待ちに待った環境がやって来る。

そんな時、
すなわち今現在ゴール裏で心燃やす10代20代の若い世代が10年ぐらい年を重ねた時、新しくゴール裏にやって来た自分たちより若い世代に対して「ようこそ!!」と言ってあげて欲しいなと思う。

「俺らの頃は勝てなかったけどもっと声出してた」とか、
「あの頃は劇的な勝ち方が多くて今より楽しかった」とか、
そんな辛気臭い発言はしてはいけない(笑)。

想像するだけでも絶対に言ってしまいそうだけど、耐えなくてはいけない。なぜなら、これこそが今現在キミたちが忌み嫌っている老害そのものだからだ。

老害発言は、楽しそう!をかき消してしまう。掛ける声は「ようこそ」ただ一択。
明るい未来に向けてこれは約束だ!!笑



苦しい時もあるし理想とはほど遠いかもしれないけれど、必ず報われる日はやって来る。ジュビロ磐田はやってくれる。

そう確信している。


だから決して止めないで欲しい。
楽しむことを。






本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!




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