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【週刊ユース分析】大学経由はありか?無しか?①

2020年のJリーグ。今年ほど大卒ルーキーが活躍した年は無かったのではないでしょうか。

基本的に即戦力として雇用されるわけですから、そのクオリティは求められて当然なのですが、今年に限って言えばその質のみならず、量についてもかなり特殊でした。

つまり、本当に多くの大卒ルーキーたちがピッチで躍動しました!

なぜ、大卒ルーキーは活躍できたのか?

多くの方が同じ考えだと思いますが、改めてまとめてみたいと思います。

理由は2つ。

1.交代枠の増加
2.いわゆる”トキワ荘”効果

まず一つ目。コロナ禍によるレギュレーションの変更が、ルーキーたちにとってとてもポジティブに作用したという点です。

今年はどのチームも本当に多くの選手がピッチに立ちました。半ば強制的にメンバーを流動的にしなくてはいけなかったことと、J1においては降格のリスクがなかったため多くの若手にチャンスが与えられました。

そして、いい意味で首脳陣を裏切り(?)、多くの選手がgoodな答えをピッチ上で示しました。

このことは今後、レギュレーションが元に戻ったとしても大卒ルーキーの扱い方を変えていく大きな分岐点になるのではないでしょうか。

そして2点目は、”トキワ荘”効果

トキワ荘とは、手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら著名な漫画家が居住していた、言わずと知れた漫画の「聖地」。

よくもここまで未来の有名人たちが集ったものだ・・・と思われがちですが実際のロジックは少し違う、と言うのが私の意見です。

それは、トキワ荘とは「成功する軍団」の条件を満たした空間だったのではないか、という説。

成功する軍団の条件として私は3つを定義します。

①ポジティブであること 
②建設的であること   
 それから、
③他人の成功を身近に感じること

この3つです。

特に大事なのは③で、空間を共にする誰かが成功したとき「あれ、じゃぁオレもいけるかも」とその気になれるかどうかが、非常に大きく作用します。

つまりトキワ荘とは、

「偶然に未来の有名人が集った奇跡の空間」ではなく、「必然的に次々と成功者が誕生するポジティブな空間」だったのではないか、と。

話戻しまして、今年のJリーグの大卒ルーキーの間で同じことが起きたと考えます。

「あれ、あいつが活躍してる。じゃぁオレもできるかも」
「あいつが出来るならオレが出来ないわけがない!!」

など。

実にポジティブなイメージを、同世代間で共有していたのではないかと思うのです!

大学経由は、ありか?無しか?

前置きながくなりましたが本題です。
私はこれを「あり」と結論付けて以下まとめていきたいと思います。

まず、早くしてトップリーグに身を置くことを否定しているわけではありません。そして、個人差(性格との相性)によるところも大きいと思います。

これら踏まえたうえで、大学経由を”あり”と提言します

そしてこれは、特にクラブユース出身の選手ほど当てはまるのではないかと。

理由は以下2点です。

1.セルフマネジメント

高校を卒業して大学生になった経験のある方は恐らく同じ感覚を持っていると思いますが、高校3年の18歳と、大学4年の22歳とでは、雲泥の差があります。

これは行動力、経済力、責任感、自主性などなど、自己管理能力を求められる環境が18歳以降に飛躍的に増えるからです。

クラブユースの特徴として、トップチームに通じる人材の育成。という大前提があります。これは連携面やプロ意識構築の面では大変な効果を発揮しますが一方で、

決められたレールの上を、上手に走る

という感覚がデメリットに作用しているのではないかと。

幼い頃から地元のクラブで育った選手は、もしかしたら親御さんの送り迎えにお世話になっていたかもしれません。

チームに行けば最高のコーチと設備があり、より高い再現性を求められる環境。うまい選手、そしてチーム色に染まった選手がセレクトされていく。

これら、決して悪いことではありません。が、ピッチ内外のセルフマネジメント、という観点で少しフォローがリッチ過ぎるのではないかと思うのです。

そこで、大学サッカーです。

先ほど、高卒時と大卒時では雲泥の差がある、と述べました。この差とは、セルフマネジメントの完成度の差を示します。

高校3年のとき(自分の場合は!)、はっきり言って父さん母さんの所有物だったと思います。実際にいろんなことをやってくれていましたから。

それが大学になると、ほとんどのことを自分自身でこなします。プライベートでもそうですし、チームの運営、管理に至るまで、”大人”の支配下から外れ、自分たちで何とかする時間が増えます。

こうした経験を4年間じっくりと吸収すれば、もともと高い技術や再現性を持った選手たちですから、自分の中でシナジー効果を生み、

サッカー選手として飛躍的に「伸びる」のではないかと考えるのです!!

そして2つ目のキーワード。

2.混ざる

プレミアを中心にユース年代を見渡していると、本当に様々な環境や理念があるのだな、と感じさせられます。

これら、トップチームを見据えて確立されればされるほど、狭くなる。という逆効果が生まれているのではないかと感じます。

大学サッカーでは、これらを混ぜることが出来ます

具体的にはどういうことか・・・。

こちらは次回のnoteで述べてみたいと思います!!

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