世界一の朝食(2)
熊:「はっつぁん、おはよう!今日は力仕事だぞ。おめぇ、ちゃんと朝メシ食ったのかい?」
八:「おぅ熊さん、おはよう!食った食った!力つけるために、昼メシの分まで食ってやったよ!」
熊:「バカな男だねぇ。昼メシはどうするんだい?」
八:「晩メシの分を食う!」
熊:「じゃ晩メシは?」
八:「明日の朝飯!」
熊:「ったく、偽青島食堂みてぇな奴だな。」
八:「何?何それ?褒めてんの?」
熊:「褒めてんじゃねぇよ。おめぇ、青島食堂行った事ないのかい?」
八:「ンパンパっ…青島だぁ」
熊:「そのモノマネ、古くて誰も分からないし…」
八:「青島だろ?アキバの。本店は新潟の長岡。醤油ラーメンでチャーシューがごつくて、いっつも列んでる店」
熊:「そう。その特徴と言えば?」
八:「そりゃ、何と言っても、あの香りよ。鳥居でも黒木でもない。あの生姜の…」
八:「そっか!青島ったら生姜だ。偽青島ってのは、見た目おんなしで生姜が入ってないやつの事だ。それで生姜ない…しょうがない!面白れぇじゃねぇか!」
熊:「相変わらず遅いんだよ(笑)とにかく朝メシを食ったのはわかった。ところでおめぇ、『世界一の朝食』ってのは、知ってるかぃ?」
八:「世界一の朝食?そりゃ築地井上の中華そばに決まってんだろ!」
熊:「そりゃおめぇさんの中でだろ。大体燃えちまって今無いし。世間一般に言われてるのがあんのよ」
八:「へぇ~世界一の朝食ねぇ。世界一の朝食…」
熊:「教えてもいいけどねぇ。おめぇには合わねぇと思うんだが」
八:「なにぃ~!世界一のオレ様に、世界一朝食が合わないわけがねぇ!ようし、こうなったら、オレひとりで、食ってきてやる!覚えてやがれ」
熊:「おい!待て!待てって!あ~行っちゃったよ。アイツ、甘ぇもん苦手なんだよなぁ」
熊:「てか、仕事どうすんだよ…」
続く