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世界一の朝食(3)
意気揚々と、道を行く八っつぁん。
八:「…て気前よく出てきたのはいいけど、やっぱひとりじゃ不安だなぁ。誰か物知りいなかったかなぁ。物知り物知り…あ!いたよ、いた!」
八:「ご隠居がいたよ。いっつも偉そうにしてっけど、年寄りだけに、モノ、知ってんだよな。歳食ってるだけに朝食もよく食ってんだろ…上手い事言うねぇオイラも。よしご隠居に聞いちゃお。オイ隠居さん、出てこい。陰キャ!出てこいこのヤロー」
隠居:「誰が陰キャだと?」
八:「す、すんません」
隠居:「なんだ、八っつあんじゃないか。そんだけ大声出したらウチん中までまる聞こえだよ。まぁいい。あがんな。」
八:「失礼しやす」
隠居:「で、何の用事だい?」
八:「へぇ、実はくだらねぇ事なんすが…」
隠居:「いいかい、八。人が疑問に思う事に、くだらねぇ事なんてねぇ。何でも言ってみな。なんで維新は大阪でウケるのか?円安?ホーリーホックの監督の采配が酷いのは…」
八:「いや、そうじゃねぇんです。朝メシなんです…」
隠居:「朝メシ?!この私を捕まえて朝メシだと!?まったくそんなくだらな…」
八:「へ?」
隠居:「いや、失礼。そんな事はないな。立派な相談だな。言ってみろ」
八:「へい…ご隠居、『世界一の朝食』って知ってますかい?」
隠居:「あぁ、築地井上の中華そばだろ」
八:「それは、ご隠居にとってでしょう。それに燃えちまって今は食べられないじゃないですか。所謂世間一般で言われてるやつですよ。もちろん、ご存知ですよね?」
隠居:「え?あ、ああ、もちろん。アレだな、あれ。」
八:「あれ?…ひょっとして…」
続く