教えて!ベッカー型筋ジストロフィー ~遺伝編~
前回の記事で自己紹介をしました。
その中で少し触れたベッカー型筋ジストロフィーについてもう少し説明します。と言ってもほとんど論文の概要紹介となります(笑)
今はかなり沢山の情報がてでるのでそれら全てを網羅するのは大変です。原著論文から情報を得ることで的確に病系の理解が出来ると思います。実際のところ筆者もこれがわかり易いと思いました。
カレー作る時も最初からスパイスで作る人はいないと思います。カレールーを買ってきて、それを食べてから要領を掴んでスパイスにたどり着くんだと思っています。
新しいX染色体連鎖の筋ジストロフィー
時を遡ること1955年ドイツの神経科医・精神科医・遺伝学者であるPeter Emil Becker博士(前述したベッカーさん)が彼の論文
Eine neue x-chromosomale Muskeldystrophie
にて症状を報告した筋ジストロフィーです。
日本語にすると新しいX染色体連鎖の筋ジストロフィーというタイトルで、その症状に関する報告がされています。
ベッカーさんが発表したので、ベッカー型筋ジストロフィーという名前なんですよね笑 筆者も何かに自分の名前付けてみたいです。星でも探しましょうか?
ちなみに、この論文はドイツ語で書かれてたのでこれを読むために光学スキャンしてDeepLで翻訳しました。これ5年前にはできなかったと思うので技術の進化は偉大ですよね。
ちょっと本題からそれたので、もどります。
1955年当時、筋ジストロフィーとして以下の三つの型が報告されていました。そこに新しく追加されたのがベッカー型筋ジストロフィーです。
常染色体顕性(優性)遺伝
常染色体潜在(劣性)遺伝
X連鎖潜在(劣性)遺伝
X連鎖顕性(優性)遺伝 ← new!!
漢字が多くてややこしいですよね。パッと見全部一緒やないかい。3,4のX連鎖遺伝のみを説明するとこんな感じです。
要するに男性のみに発症します。この図を見れば一目瞭然だと思います。
顕性とか劣性とか常染色体とか知りたい場合は以下のウェブサイトが参考になります。
現在では遺伝形式と筋ジストロフィーの病型が以下の表のようにまとめられています。
皆さん気づきますか?この違和感、、、
なんか表の間取りが、、、変じゃないですか?
ベッカー型無ァァァァァァァァァァァイッッッ!!!!!!!
気づきかもしれませんが、ベッカー型ないんですよね。そうなんです!なんかないんですよね笑 1番上の難しそうな怖そうな単語であるジストロフィノパチーに含まれているようです。
X染色体遺伝という面で、ディシェンヌ型というものがあるのでベッカー型を含めてジストロフィフィノパチーと言います。
まとめ
ベッカー型筋ジストロフィーはX連鎖顕性(優勢)遺伝で発症
発症は男性、女性は保因
ジストロフィノパチに含まれる