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【N/S高政治部】大門実紀史さんによる講義を受けて
初めまして。
N/S高政治部5期生のすずです。
10月16日に行われた、前参議院議員 大門実紀史さんによる「野党の役割」のゲスト講義を受けて、私が日本に生きる高校生として考えたことを書かせていただきたいと思います。
初めてのnote記事で拙い文章になるかと思いますが、ご一読いただけますと幸いです。
1,政治初心者の私が考える「野党の役割」
2,大門実紀史さんの講義
3,感想
4,まとめ:「野党の役割とは」
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1,政治初心者の私が考える「野党の役割」
大門さんの講義を受ける前、私が考える「野党の役割」は、
「与党に対して批判的な視点で意見を出すこと」だと思っていました。
私が政治に興味を持ったきっかけは、ニュースで報じられていた自由民主党の裏金問題でした。いわゆる「スキャンダル」と呼ばれるような事柄から関心を抱いたため、どうしても「政治家は胡散臭い」という固定観念を持っていました。
こうした背景から、現在も政治家に対する不信感は根強く残っています。
また、Yahoo!ニュースのタイトルでもしばしば見られるように、現在の政治に対して不信感を抱いている方は多いように思います。
私は、与党のみならず、野党に対しても多少の不信感はあるものの、裏金問題のインパクトやその後の対応により、与党に対する落胆が特に大きく感じていました。そのため、与党よりも野党の方が国民の意見を聞いてくれる「味方」のように感じていました。
2,大門実紀史さんによる講義
大門さんは、政治に関してあまり詳しくない私でも、わかりやすいように解説パネルを用いて説明をしてくださいました。
以下が講義で紹介された野党の主な役割です。
①政府・与党が提案する法案のチェック
②野党としての政策提案、議員立法
③与野党一致で法案を成立させる
④行政のチェック
また、政治の役割に関しても、パネルを用いて具体的に解説してくださいました。
視覚的に非常に分かりやすかったので、ぜひ講義のアーカイブ動画をご覧いただきたいです。
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講義の中で私が好きになった言葉は「政治家の究極の目標は、戦争のない世界をつくること」です。
これまで私は、政治家というだけで不信感を抱きがちでしたが、大門さんの意見を聞いて感銘を受けました。
また、日本の民主主義の在り方についても考えるきっかけになりました。
日本は間接民主主義であり、選挙で国会議員を選び、選ばれた国会議員が政治を行う事を当たり前に思っていましたし、私はこの方法が最善だと考えていました。
ですが、世界では直接民主主義が重視されているという話を聞き、間接民主主義ではなく直接民主主義に変える事により、若者の政治に対する関心も高まるのではないか、と考えるようになりました。
さらに、メディアによる野党の攻撃的な発言の切り抜きに関しても話してくださいました。
「野党は批判ばかり、反対ばかりで賛成しない」という印象がメディアにより植え付けられている一方で、実際には野党が与党の政策に4割も賛成していると学び、大変驚きました。
メディアは、私たちの一番身近にある情報を得るための手段ですが、映し方により印象がかなり操作されてしまうのだと実感しました。
大門さんと部員の質疑応答のセクションでは、衆議院議員総選挙の選挙期間中だったこともあり、各党が掲げている公約に関する質問が多かったように感じました。
私自身も気になっていたのは、政党が掲げている公約が選挙後もきちんと形になるかどうかです。部員の質問内容には、政治家や政党に対する不信感がにじみ出ていると感じました。
特に、私は政治部に入部してから今まで、ジェンダー問題をメインに考えてきたため「男女共同参画に関する公約を出している党が多いが、男女共同参画は目標なのか、選挙で議席を増やすためのツールなのか」という質問が強く印象に残りました。
大門さんの回答
・票を取るためのツールとして、ジェンダー平等の公約を掲げているわけではなく、国民の 声に合わせて公約を出している。大半の党は議席を得る事を通過点と考えている。
・国会でもジェンダー問題は話題に上がり、議論が何回も行われている。ジェンダー平等に
反対する議員もいるが、ジェンダー平等に反対する議員は反対派の国民の声を代表して意
見を述べている。
・男女共同参画とは人権の問題であり、人権が損なわれている現状がおかしい。男女共同参
画は出発点
・ジェンダー平等が進んでいる国は、経済が発達している。経済のためにジェンダー平等を
進めるわけではないが、結果的に経済にも影響を与える。
3,感想
講義前、私は政治家への不信感が強く、掲げている公約は選挙で議席を増やすためのツールに過ぎないのではないかとばかり考えていました。
大門さんのおっしゃるように、掲げている公約は議席を増やすためのツールではなく、理想の社会を実現するための通過点のようにすべての政党が考えているかどうかは分かりません。
また、講義前は「政治家」というフィルターを通して見ていたため、無意識に大門さんに不信感を持っていた部分もありました。
ですが、今回の講義を通して、野党も与党も国民の意見を代表し、それぞれが実現したい社会に向けて公約を打ち出したり、時には反対意見を出したりしているのだと感じることができました。
4,まとめ:「野党の役割」
講義前の私が考えていた「野党の役割」とは「与党に対して批判的な意見を出すこと」だと思っていました。また、メディアの影響もあり、野党は批判的な意見ばかりだと思い込んでいました。
しかし講義を受けた後の私の考える「野党の役割」は「国民、とりわけマイノリティの声を代表して、国会に届け、反映させること」だと考えています。
大門さんのお話を聞けたことで、政治家の方々を「政治家」ではなく「国民の意見の代表者」として見る事ができるようになり、これからの自分の意見や、考え方の変化も楽しみになりました。
「政治家を無条件に信じるべき」とは思いませんが、国民の意見の代表者として捉え、多様な意見に触れることが大切だと考えました。
また、今回の選挙では、選挙後も掲げていた公約を実現しようと動いている政党もあり、私の中の政治家に対する印象もかなり変わったと感じています。
最後に、ご登壇いただき、貴重なお時間とご意見をくださった大門さんに、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
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