
【レポート】CMX Connect TOKYO #08 Community Industry レポートを読み解く
4/17(土)にオンラインで開催した「CMX Connect TOKYO #08 」に参加しました。1パート、発表もさせて頂きました!
今回は「Community Industry Report 2021」を読み解く会でした。
今回も学びが多い会でした。多くの人の意見を聞くことで、自分だけでは気づけなかった部分に気づけたり、別視点の解釈を知ることができ、理解が深まりました。
レポートにある質問をイベント参加者にもチャットで聞くことができ、海外と日本の比較もでき、勉強になりました。
イベント内容を簡単に振り返りながら、個人の感想を備忘録として書いていきます!
Community Industry reportとは?
『Community Industry Report 2021』は、CMXが世界中のコミュニティビルダーを対象にアンケート調査を行い、業界のトレンドをまとめたものになります。42カ国、528人のコミュニティマネージャーの回答が集まっております。
以下からダウンロードできます。
https://cmxhub.com/community-industry-report-2021/
「コミュニティ運営への投資は増えているのか?」「どんな指標をKPIにしているのか?」「どのように効果測定をおこなっているのか?」というコミュニティへの価値や効果測定の話から、「専任のコミュニティマネージャーは何人いるのか?」「何のツールを使っているのか?」など運営に関する具体的な質問もあり、とても興味深い内容でした。
海外の傾向、日本の特徴を知る意味でも、とても参考になりました。
ここから各パートの発表ごとに紹介していきます。
The State of Community Programs P11-20
菊池さんから「The State of Community Programs(コミュニティプログラムの状況)」について解説頂きました。
「コミュニティチームはどの部署に属していますか?」
「少なくとも1人は専任のコミュニティマネージャーがいますか?」
など、気になる質問がたくさんありました。
コミュニティチームは、マーケティング(30%)、カスタマーサクセス/エクスペリエンス(18%)、コミュニティ専門の部署(15%)がトップ3。
88%のチームに専任のコミュニティマネージャーがいるとあり、日本と比べると専任の割合は高いのではと感じました。
「コミュニティや運営について、今抱えている最大のフラストレーションは?」に関する回答は、「価値の定量化」「メンバーとの関係性」と、参加メンバーもうなずきがとても多かったです。
Measuring the Value of Community P21-31
「Measuring the Value of Community(コミュニティの価値測定)」については、僕からです。仕事でも、コミュニティの価値測定・可視化について取り組んでいるので、とても興味深い内容でした。
「コミュニティの目的は何か?」
「どんな指標を見ているのか?」
「どんなツールを使っているのか?」
コミュニティの価値を測るためには、まずはコミュニティの目的をハッキリさせる必要があるとあり、「SPACESモデル」が紹介されていました。指標としては、「アクティブユーザー」「新規メンバー」を意識しているコミュニティが多いようです。
見たい指標が測定できてないケースも多いと思うので、見たい指標と見ている指標のギャップもありそうだなと思いました。
「コミュニティの価値の定量化の自信は?」という問いには、わずか12%のみが自信があると答えていたので、価値測定の悩みは世界共通なのだと思いました。
COVID-19 & Virtual Events P32-41
アンドレさんから「COVID-19 & Virtual Events(コロナの影響とバーチャルイベント)」については解説頂きました。
「コロナによってどんな変化があったか?」
に関してさまざまな視点から質問がありました。人数でみると、横ばい、もしくはパンデミック前に比べ加速したという回答が多いようです。また、組織内でもコミュニティへの投資が増えたり、評価も上がっているとの回答があり、社内・社外両方でコミュニティがより注目を集めているようですね。
「リアルイベントが再開してもバーチャルイベントは行うのか?」という質問は参加メンバーでも盛り上がりました。多くの人が引き続き行うと答え、リアル&オンラインの同時開催での良い方法について話が広がりました。
Diversity, Equity and Inclusion P42-46
直野さんから「DEI:Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性、受容)」については解説頂きました。
「DEIに関するポリシーを持っていますか?」という問いには、51%のコミュニティがYESと回答されていました。2020年にアメリカでおきたジョージ・フロイドさんの死の事件をきっかけに、DEIに関する意識は高まっているようです。身近な例として、「性別」に関する選択肢について話題になり、「その他・無回答」という項目を設置しているアンケートが増えているという話になりました。
実際のコミュニティのガイドラインも紹介いただき、とても参考になりました!
What's Next? P47-
CMX Connect TOKYO代表の小野さんから、「What's Next?(2017→2021→その先へ)」についてお話を頂きました。
コミュニティ業界のキーテーマについて、2017年からの遍歴を知れたのは、とても勉強になりました。焦点が「立ち上げ・持続性」かただんだんと「成長・効果測定」と変わっていき、コミュニティの価値の可視化がどんどん求められていることを感じました。
「ピンチはチャンス」。新たな挑戦をしていきたいと改めて思いました!
個人的な振り返り
最近、オンラインコミュニティやオンラインサロンが増えつつありますが、全体の傾向を数字で見ることはとても少ないので、とても参考になりました。
「他はどうやっているのか?」「自分のコミュニティは特別なのか?」
は多くの人が悩むポイントだと思うので、業界の全体像と自分の現在位置を知ることの大切さを改めて感じました。
イベント中でも多く話題になった「コミュニティの価値測定」。
ほとんどの人が悩む部分であり、企業で続けていくにはとても大事な部分です。永遠のテーマなのかなとも思いました。
一方、イベント後に『コミュニティに関わる数字は「ノルマ」ではありません。』という感想を頂き、本当にそうだなーと思いました。
ビジネスでやっていく以上、数値化・目標達成は切り離すことのできないテーマではありますが、数字だけを追うのは少し違うなと個人的には思っております。「コミュニティを数字で評価するのは正しいのか?」と記事を書いたこともあります。
僕が教わって、忘れないようにしている言葉に
『コミュニティやチームを作るときの失敗の呪文は「ROI(Return On Investment:投資利益率)」』
があります。
コミュニティには、『人のつながり』や『居場所』といった数値化できない価値がたくさんあり、その価値のほうがとても重要だと思います。なので、「利益」を真っ先に追ってはいけないのだと思っております。
とはいえ、『人のつながり』や『居場所』を可視化したいという想いもあり、それが僕の仕事でもあります。コミュニティの魅力を多くの人に知ってもらい、コミュニティが広がっていくためにも、コミュニティの価値の可視化に取り組んでいきたいと思います!
次回のCMXイベントは6/19(土)10:00〜予定です!
早くも次回が楽しみ!