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初舞台のおもいで。②
あろはろは!
メンズストリップダンサーの朱雀ガラティアです☆
前回に引き続き、わたくし朱雀が初めてストリップの舞台に立った日のことを
なるべく丁寧に思い出して書いていくよ!!
①をまだ読んでない方はコチラ
前日に「あんな事件」を目の当たりにして、
内心不安感しかないまま迎えた当日。
急遽一人分の穴が開いたことにより、
香盤(こうばん=演目の順番)も突如書き換えなくてはならなくなりました。
演出の方には頭が下がる…
まぁそれはなんとかなったのですが、
当日、自分含め出演者、司会者、裏方など全員が朝早くから現場にいました。
最終チェックと最終リハがあるためです。
前日にある程度やったとはいえ、この当日朝の最終リハでようやく我々演者はショーを完璧なものに整えます。(これは今でも変わってないw)
自分が準備完了した時には、縄を使う先輩の演者Aさんがステージにいました。
昨日も確かにいたけど、挨拶以外でまだちゃんとお話したことのない先輩です。
そこで少しでも打ち解けようとした自分は、舞台上に変わったものがあるのを見つけ、それが何なのかと無邪気にAさんに声をかけました。
Aさん
「あぁ?…吊り床だけど。」(会話終了)
※吊り床=緊縛ショーにおいて人を縛って吊るすための天井の細工
思った以上に素っ気ない。
さすが本番前です。ピリピリしております。
しかしこれ、自分も自分だったなぁと反省しておりまして。
なにせわたくしが話しかけたのは、絶賛リハ真っ最中のタイミング。
(だって……早くから仲良くしといたほうがいいじゃん?)
「わぁ!なんかすごいですね!これは今、何してるんですかー?♪」
新人リポーターが真剣作業してるときにこう割り込んできたら、確実にぶっ飛ばされてます。
そういうわけでそのAさんは全く悪くないのですが、内心ちょっとビビっていたら
自分のリハの番が回ってきました。
この時、初めてフル衣装でリハに臨んだ自分は(前日のリハは動きを確認するためなので私服でよかった)
ヒールブーツを履いたまま
曲の最初、踊り始めの1歩目でスッテーンと大コケしました。
「えぇっ何コレ!?床が滑る!!」
そうなんです。ステージって思っているよりも意外とテラテラしてるので、ヒールなどで激しく踊ろうもんなら簡単に滑ってしまうんです。
こういうのは、やっぱり実際に衣装を身にまとった状態じゃないとわかりませんからね。
逆に言えば、リハで失敗しといてよかった、ってなことです。
また一つ学んで賢くなった朱雀は、その後はソロショーもペアショーも全員ショーも卒なくリハすることができました。
そしていよいよ開場。
古くからの常連さんが多いのか、すぐに満席になった場内ではお客さんと先輩演者たちが親しげに話しています。
とりあえず新人(自分含めて今回は3人いました)は楽屋にいてもいいとのことで、カーテンの隙間からその様子をワクワクドキドキしながら覗き見ていました。
そうこうするうち、司会の方のMCが始まります。
毎度の恒例なのか、今回初登場の新人3人をやけにプッシュアップした内容でお話してくれてます。
そ、そりゃ初めてだからある程度の注目はあるんだろうけど、ハードル上がっちゃうよ。。
と、普通の演者ならドギマギしますが、無駄に肝だけは据わっていた自分の心境としては「バッチコイ」でした。
最初の演目。
気さくな先輩演者Bさんによるダンスナンバーです。
アップテンポな曲に合わせてリズミカルに踊り、脱いでいきます。
その様子を客席の後ろ(楽屋ドア前)でボーッと眺めていた自分は、
突如Aさん(さっきの怖い人)に「おい」と声をかけられました。
「他の演者が踊ってんだから、手拍子とかして盛り上げないと駄目だろ。」
えぇぇ…そ、そうなの?そういうカルチュアなの?
パフォーマーの常識としてはよくある話ですが、
当時自分はこの業界入りたて。
具体的なことは何も教わっていなかったので右も左もわかりません。
自分が「はぁ、そういうもんですか、」みたいな煮え切らない挙動をしているのを見て(お客さん誰も手拍子してなかったしいいやって思ったw)
しびれを切らしたAさんはもんの凄い形相でこちらを見た後、自ら手拍子をし始めました。
それに引っ張られる感じで自分も手拍子したのですが、
この時、「Aさん=怖い人」説は「Aさん=めちゃめちゃ怖い人説」にとってかわられました。
(後にめちゃめちゃよくしてくれたしめちゃめちゃ仲良くなったんだけど笑)
そんなことをしているうちに次の演目(忘れた)が始まり、
その間自分は楽屋でお着替えと準備。
それが終わればいよいよソロでの出番です。
そう、先程ヒールDEスッテンしたあの演目です。
結果はというと…
ほんとーに無難にしっかりやりきって終わりました(確か)。
もともとそんなに緊張するタイプじゃないので楽な気持ちで踊れたし、
初めてにしては自分なりによく魅せられていたんじゃないかなぁと思います(手前味噌)。
初回から既にお客さんを挑発するような視線を投げる余裕もあったりして、もうすっかり有頂天。
「うむ、ストリップ楽しいかも。」となったのでした。
この初めて人前でストリップの舞台に立った感覚が、今の今まで続けられていることに繋がってるのかもしれないです。
そして次はめちゃめちゃ怖い先輩Aさん(後にめちゃめちゃ仲良し)と、新人Cくんによるペア緊縛ショーです。
さすがAさんは当時第一線でいろいろ活動されてただけあって、先輩としても1パフォーマーとしてもお勉強になるショーを見せてくださいましたよ。
新人Cくんがしっかり引き立つように重きを置きながら、自身のカッコいい場面もちゃんと作る。
さっき怒られて戸惑ったけど、これは素直に凄いなと思いました(小並感)。
その後は、自分と、同じく新人のDくんとのペア演目です。
彼とは以前から面識があったので、もうなんとなく阿吽の呼吸というか、お互いの空気感を掴んだショーが出来ると踏んでおり、こちらも緊張しませんでした。
ちなみにその時やったショーは
SMショー。
新人同士で最初からSMショーやる人ってなかなかいないよ!
しかも自分がいじめる側です(笑)
初心者なりに当時覚えたての諸々にチャレンジし(鞭で叩いたりとか)、内容はごく簡単なものでしたが、
お客さんからしてみれば「いきなりSMショーでデビューして相手役をしばき倒すヤバい新人」と思われていたことでしょう(遠い目)
でもそんな演目も無事に終わり、会場が盛大な拍手に包まれたところで一安心。
この後は、すぐさま最後の全員演目に入ります。
内容や設定は全部先輩が考えてきてくれる(というかそもそもストーリーとかあんまりない)ので、
新人はとりあえず先輩に身を任せてればいいよーという感じでした。
抱きつかれたりちょっと縛られたりと色々あるのですが、先輩たちのリードがあったので特に臆さず委ねることができました。
今では自分がリードする側になったと思うと感慨深いですね!
演目は無事終了、残るはチップタイムです!
人生初のチップタイム。なにもわからずおどおどしながらのチップタイム。
「えぇ、そんな。自分なんかがもらっちゃっていいんですか>_<」みたいな顔色。
しかもフリとかじゃなくリアル!
そう、朱雀にもまさかのそんな時期があったんです。
今ではチップの銭ゲバと呼ばれるようになったと思うと感慨深いですね!
勝手がわからないので、とりあえず先輩を真似てお礼を言いながらフロアを回ります。
慣れていないのでやはり、多少もたつきはあったものの、幸か不幸か(?)とくにやらかすこともなく回りきることが出来ました。
そして最後に回ったお客さんからは現生チップも!
(通常は¥1,000/4枚販売のチップチケットです)
人生初のチップタイムで人生初の現生をもらうことができました。
んで、無事イベントは終了。
そのあと荷物置き場として近くに取ってもらっていたホテルの一室にみんなで戻り、ごはん休憩です。
あ、言い忘れていたんですが、当時の公演、
3部まであったんです。
午前の部、午後の部、夜の部。
同じ内容を3回やります。
つまり今まで書いてきた演目を全てあと2回ずつやるんです。
しんどそうでしょ?
でもなんとかやりきりましたよ。
丸一日かけて公演を終えた出演者たちは満身創痍。
でも、ギャラ精算をして一気に回復。
「普通のバイト何回分?」ていう出演料(+チップバック)がもらえたのでした。
まぁ、お金、っていうのも今まで続けてこられた大きなモチベーションの一つですよね。
やはり供給の少ない仕事、やれる人・やりたい人が限られる仕事っていうのはそれなりに需要が高いものなんだ、としみじみ感じたものであります。
イベント後の打ち上げも楽しく、1日ですっかり「一緒にいて安心できるメンバー」になってしまった演者たちに囲まれて、
駆け出しの朱雀少年は次回もまた出ようと即座に決意したのでござった。
…
…
…
そっからはもう、ほんとーーに色んなことがありましたよ。
そしてこれからもあるんだと思います(笑)
それについてはまたちゃんと記事に書くので楽しみにしててね(^-^)v
ともかく、無事にデビューを終えて総じての感想といえば「楽しかった、余裕だった」です。
その気持ちは今でもかわらないかな。
演目作りで苦労したとか、パフォーマンスに思い悩んだとか、そういう経験ないんです。
人間やっぱり、「楽に出来ること」に人生のたくさんの時間使ったほうがいいよね。
あの日のデビューから約7年。
どこまで出来るかわかりませんが、とりあえず飽きる・嫌になる・無理になる、どれかになるまでは続けることになるのかなぁと思ってます!
継続は力なりだもんね!
継続というか、気付いたら続いちゃってただけだけど!!
ところで、継続によってどんな力が手に入ったんだ?
そこんところよくわかってない朱雀ガラティアでした☆
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