不思議の国のアリス|翻訳13(第6章 ブタと胡椒③)
・はじめに
英文がスッと読めるようになりたくてアリスで英語勉強しています。
頭の中を整理するための訳なので、直訳ぎみで日本語がおかしい箇所があります。
最初から→不思議の国のアリス翻訳01
前回→不思議の国のアリス翻訳12
CHAPTER VI.
Pig and Pepper(ブタと胡椒)③
なのでアリスはこの小さな生き物を下ろした。やっと解放されたと思うと、それはトコトコと静かに森の中へ行ってしまった。「もしあの子が成長したら」アリスは独り言を言った。「とんでもなく醜い子供になってたはずよ。でもブタならまあまあハンサムかも」そしてアリスの知っているブタになったほうが良いかもしれない子達のことを思い浮かべた。「もしあの子達がブタになる方法を知っていたなら―」と考え始めた時、数メートル離れた先の大きな枝の上にチェシャ猫が座っていたので、アリスは少しギョっとした。
relievリリーヴ([不安・心配・苦痛などを]和らげる、緩和する、安心させる、解放する)
trotトゥラット([馬などが]速足で駆ける、小走りする)
dreadfullyドゥレッドゥフリィ(恐ろしく、ものすごく、非常に、極度に)
uglyアグリィ(醜い、不細工な、醜悪な、見苦しい)
handsomeハンサム([男性]ハンサムな、[女性]威厳のある)、素晴らしい、気前の良い)
startledスタータルドゥ(びっくりして、ドキッ、ギョッ、ハッと驚いて)
boughバゥ(大きな枝)
yardヤード(1ヤード91.44㎝、1メートルより少し短い)
【メモ】
she began thinking over other children she knew,
彼女は考え始めた、彼女の知っていた別の子供たちを
who might do very well as pigs,
(その子供たちが)したほうがとても良いとかもしれない、ブタのように
→「ブタになったほうが良いかもしれない子供たちを考え始めた」
'if one only knew the right way to change them—'
もし(one→誰かが)知っていたなら、正しい方法を、子供たちがそれらに変わる
→「もしその子供たちがブタになれる方法を知っていたなら―」
※アリスが思う、見苦しくてブタになったほうがマシだと思う子たちのことを思い浮かべたってこと・・・なんてひどいことを。
その猫はアリスを見てただニヤリと笑った。温厚そうに見えたが、とても長い爪とたくさんの歯を生やしていたので、慎重に話さなければとアリスは思った。
good-naturedグッドネイチャード(温厚な、人のいい)
treat(もてなす、取り扱う)
「チェシャ猫ちゃん」その名前で呼んでいいかどうかすら分からなかったので少し恐れながら話しかけてみた。しかしチェシャ猫はその笑みを広げただけだった。「よし、今のところは喜んでるわ」と思い、アリスは続けた。「お願いだから教えてほしいの。私はここからどっちの道に行くべき?」
Pussプッシ(子猫ちゃん、下品な意味合いもあり)
wider(広げる)
so far(今のところは、これまでは)
「それはお前さんがどこに行きたいかによるね」チェシャ猫は言った。
「どこに行きたいかなんてどうでもいいの―」とアリス。
「それならお前さんがどこに行こうとも問題ないじゃないか」とチェシャ猫。
「—どこかに行けさえすればどこでもいいの」アリスは説明を付け加えた。
「おや、必ずどこかへはたどり着くはずだ」チェシャ猫は言った。「お前さんがただずーっと歩いて行けばな」
dependsデペンツ(~次第)
I don't care(どうでもいいよ)
so long as = as long as(~する限り、~さえすれば)
be sure to do(必ず~する)
【メモ】
you're sure to do that
that→(somewhere)
アリスはこれは否定できないと感じたので、別の質問をしてみることにした。「ここにはどんな人たちが住んでいるのかしら?」
「あっちの方向に」チェシャ猫は右手を波打つようにクルクルさせながら言った。「帽子屋がいる。そしてあっちの方向には」今度は左手をクルクルさせながら「三月ウサギが住んでいる。好きな方を選べばいい。両方イカれてるがな」
denied(否定する)
「だけどイカれてる人たちの所になんか行きたくないわ」アリスは言った。
「おや、お前さんはどうすることもできないぞ」チェシャ猫は言った。「ここではオレ達みーんなイカれてる。オレも。お前も」
「どうして私がイカれてるって分かるのよ?」とアリス。
「そりゃあそうだろ」チェシャ猫は言った。「じゃなきゃお前さんはこんな所に来ないはずだ」
アリスはちっとも説明になっていないと思ったが、続けて質問した。「それと、どうしてあなたは分かるの?自分もイカれてるって」
「まず始めに」チェシャ猫は言った。「犬はイカれてない。お前さんそれは認めるだろ?」
「まあそうね」アリスは言った。
provedプルーブ(証明)
to begin with(まず始めに)
grant(承諾する、かなえてやる、認める)
I suppose so(控え目な同意、そう思います、そういうことになるね)
【メモ】
Alice didn't think that proved it at all
アリスは思わなかった、it=猫が言ったことが、that=アリスの質問の、証明にまったくなってないと
「よし、それなら」チェシャ猫は続けた。「いいか、犬は怒ると唸るだろ。そして嬉しい時にはしっぽを振る。さて、オレは嬉しい時に唸る。そして怒った時にしっぽを振る。だからオレはイカれてるのさ」
「唸るじゃなくて、喉を鳴らすって言うのよ」アリスは言った。
「好きなように言えばいいさ」チェシャ猫は言った。「お前さん、今日は女王とクロッケーはしないのか?」
「したいのはやまやまなんだけど」アリスは言った。「まだ招待されてないの」
「そこでまたオレと会うことになるだろうぜ」そう言うとチェシャ猫は消えてしまった。
wag(振る)
purr(ゴロゴロと喉を鳴らす)
Therefore(したがって、それゆえに)
アリスはチェシャ猫が消えても大して驚かなくなっていた。おかしなことが起こるのに慣れてきてしまっていた。しばらく消えてしまった場所を眺めていると、チェシャ猫は突然また現れた。
「ところであの赤ん坊は何になったんだ?」チェシャ猫が言った。「もう少しで聞き忘れるところだった」
「ブタになったのよ」アリスはまるで自然ににチェシャ猫が戻ってきたかのように落ち着いて言った。
「そうだと思った」そういうとまた消えてしまった。
by the bye(ところで、ちなみに、ついでながら)by the wayと同じ意味合い。
アリスはまた現れるのではないかと思って少し待ってみたが、チェシャ猫は現れなかった。少ししてからアリスは三月ウサギがいると言っていた方向へ歩き始めた。「帽子屋は前に見たことあるし」アリスは独り言をいった。「三月ウサギのほうが面白そうだもの。それと、多分だけど、今は5月だからおかしくなったりしてないはずよ―少なくとも3月ほどにはおかしくなってないと思うの」そう言って見上げるとチェシャ猫がまた木の枝の上に座っていた。
「ブタだったか?それともフタだったか?」チェシャ猫が言った。
「ブタって言ったのよ」とアリスは返事をした。「それと突然現れたり消えたりしないで欲しいわ。そうされると目が回ってクラクラするのよ」
raving(怒鳴り散らす、熱弁をふるう)
fig(イチジク)
giddyギディ(めまいがする、目が回るような、目がくらむような)
【メモ】
◆三月ウサギは何故3月になるとおかしくなるのか?
「Mad as a March hare(三月のうさぎのように気が狂っている)」という当時の慣用句から。
2月~9月にかけての長い繁殖期の始まりに見せる野ウサギの落ち着かない振る舞いからきているらしい。詳しくはウィキペディア
◆「Did you say pig, or fig?(ブタかイチジクか)」について
※言葉遊びを日本語にするとイチジクだと通じないので、フタかブッダしか思いつかなかった。
パブリック翻訳版では「ぶたって言った、それともふた?」(同じ!)
「わかった」そう言ってチェシャ猫はゆっくりと消えた。しっぽの先から始まり、最後にニヤニヤ笑いだけが残った。やがてその笑みも消えてしまった。
「まあ!笑わない猫ならよく見るけど」アリスは思った。「ニヤニヤだけ残す猫だなんて!今まで見たことないしすごく面白いわ!」
三月ウサギの家を見つけ出すまでそんなにかからなかった。アリスはまさにこの家に違いないと思った。何故ならその家はウサギの耳のような煙突と、フサフサの毛皮のわらぶき屋根で出来ていた。とても大きな家だったのでそのまま行くのが嫌だった。左手のキノコを少し齧り2フィート(60.96cm)まで背を伸ばしたが、それでもかなりビクビクしながら向かっていった。アリスは言った。「色々言ったけど、多分そうとうイカれてるはず!代わりに帽子屋の所に行けばよかったわ!」
thatchedサッチド(わらぶき屋根の)
nearer(nearの比較級。より近い)
even then(それでさえも、その時でさえ)
towardsトワーズ(~へ向かって)
after all(いろいろ言っても結局、なんといっても)
insteadインステード(代わりに)
【メモ】
I almost wish I'd gone to see the Hatter instead!
私はもう少しで願う、私は代わりに帽子屋に会いに行ったと
やっと第6章が終わりました!次は待ちに待ったティーパーティー!
まず自分で調べながら訳してみてそれから参考サイトで答え合わせをしていくのですが、言い回しとか同じだと嬉しくなります。そして各キャラの性格は自分のイメージしたものなので、あとでパブリック翻訳版で確認すると全然違ってビックリしたり。かなり拙いですが、日本語の勉強にもなるし何より楽しい。続きを読むのが楽しみです。