不思議の国のアリス|翻訳11(第6章 ブタと胡椒①)
・はじめに
英文がスッと読めるようになりたくてアリスで英語勉強しています。
頭の中を整理するための訳なので、直訳ぎみで日本語がおかしい箇所があります。
最初から→不思議の国のアリス翻訳01
前回→不思議の国のアリス翻訳10
CHAPTER VI.
Pig and Pepper(ブタと胡椒)①
1,2分ほどアリスは家の前に立って、次は何をしようかと見つめていた。その時、突然森の中から仕着せ姿の使用人が出てきた――(アリスは彼の事を仕着せを着ているので使用人だと思った。そうでなければ、顔だけで判断すると彼のことを魚と呼んでいただろう)——そして拳でドアを乱暴にノックした。
footman(従僕、召使い)
liveryリブリィ(使用人が着る制服、仕着せ)
otherwise(さもなければ、そうしないと、そうでなければ)
judging(ジャッジ、判決、判定、判断)
rapped(rapラップの過去形・過去分詞、トントンたたく、ノックする非難、大声で言う)
loudlyラウドゥリィ(大声で、騒々しく)
knuckles(knuckleナックルの複数形、指関節、拳)
【メモ】
◆otherwise, judging by his face only,
そうでなければ、彼の顔だけから判断すると
ドアを開けたのはまた仕着せ姿の使用人で、丸い顔で大きな目をしたカエルのような見た目をしており、二人とも髪全体が巻き毛で粉が振りかけられていることに気づいた。アリスは彼らが何をするのか好奇心でいっぱいになり、少しだけ森から忍び出て聞き耳を立てた。
creptクレプトゥ(creepの過去形・過去分詞、忍び寄る、這う)
【メモ】
◆使用人の髪型とpowder hair(髪粉)について
18世紀くらいまでヨーロッパでは巻き毛のかつらが流行っていて(バッハの髪型みたいなやつ)整髪料として髪粉(成分は小麦粉)を振りかけてたらしい。
◆She felt very curious to know what it was all about,
彼女は感じた、とても興味深く、知ることを、その全てが何なのか
※「なんでそんな変な髪してるの?」と興味津々だった感じ?かつらが流行ったのが17世紀~18世紀で「不思議の国のアリス」が出版されたのは1865年の19世紀。
→(追記)「all about」は髪の事ではなくて「使用人2人がする全てのこと」悲しい読解力。
◆and crept a little way out of the wood to listen.
そして、忍び寄った、少しだけ、森から出て、聞くために
魚の使用人は腕から立派な手紙を取り出した。手紙は彼とほぼ同じくらいの大きさもあり、カエルの使用人に手渡した。そして厳然とした口調で言った。「公爵夫人へ、女王様からクロッケーの招待状でございます」カエルの使用人は同じ口調で少し言葉を変えながら繰り返した。「女王様より、公爵夫人へクロッケーの招待状でございます」
produce(生み出す、作り出す、取り出す)
nearly(ほとんど)
hand over(手渡す)
solemnサラム(厳粛な、真面目な、重苦しい)
invitationインヴィテイション(招待)
【メモ】
◆and this he handed over to the other,
そしてこれを、彼は手渡した、もう一方に(カエルのこと)
そう言って彼らが深くおじぎをすると、二人の巻き毛がが絡まった。
それを見たアリスは腹がよじれるほど笑ってしてしまい、笑い声が聞こえてしまうのを恐れて森にかけ戻らねばならなかった。次に覗いた時には魚の使用人はいなくなっていて、カエルの使用人はドア近くの地面に座って、馬鹿みたいに宙を眺めていた。
bow(おじぎ、屈する)
peep(覗き見)
staringステァリング(じろじろ見る)
アリスは恐る恐るドアまで行ってノックした。
「ノックしても無駄ですよ」使用人は言った。「それには2つの理由があります。1つ目、私はあなたと同じようにドアの側に立っているから。2つ目、彼らは中で大騒ぎしているから。あなたの声は誰にも届かないでしょうね」確かに家の中から尋常でないくらい大騒ぎ——泣きわめく声やくしゃみの音が絶えず聞こえてくる。時々、皿ややかんがぶつかり粉々になるような音も聞こえてきた。
sort of(短縮形はsorta、多少、ほどほど、いくぶんか)
extraordinary イクス・トロードゥ・ネリ(異常な、尋常でない、特別な、並外れた)
within(~の範囲内で)
constant(絶えず続く、定期的な、一定な)
howling(泣き叫ぶ、わめく)
sneezeスニィーズ(くしゃみ)
every now and then(時々)
kettle(やかん、湯沸かし)
「あの、それなら」アリスは言った。「どうやって入ればいいのかしら?」
「ノックしたら多少は意味があるかもしれませんね」使用人はアリスに目もくれずに言った。「私たちの間にドアがあるとしましょう。例えばの話です。もしかしたらあなたは内側からノックをするかも。すると私はあなたを外に出すことができる。どうです?」と宙をずっと見つめながら喋り続けていたので、まったく礼儀知らずの人なのねと思った。「だけど、仕方がないのかもしれないわ」アリスは思った。「だって彼の目玉ったらあんなに上についているんですもの。何はともあれ質問に答えてくれるかもしれないわ。——どうやって入ればいいのかしら?」アリスは同じ言葉を大声で言った。
sense(感覚、意味、価値)
instance(例、実例、事例、実証)
for instance(たとえば)
uncivilアンシヴィル(無礼、無作法、失礼)
( I ) can't help it(仕方がない、どうしようもない)
at any rate(とにかく)
aloud(声に出して、大声で)
【メモ】
◆There might be some sense in your knocking,
あるかもしれない(there isの中にmightが入っている)、いくらかsenseが(この場合は意義、価値、合理性)、あなたがノックすることに
◆can't helpの意味
「help」には「避ける、防ぐ」という意味もあり、
「~せざるをえない、ついしてしまう」という意味になる。
I can't help it
どうしようもない、仕方がない
「自分ではそれを避けられない、防げない」という意味。
「私はここに座っていなければなりません」使用人は言った。「明日まで―」
その瞬間、家のドアが開いた。そして大きな皿がドアすれすれに使用人の頭めがけて飛んで来た。皿は使用人の鼻をかすめて後ろの木に当たって砕けた。
remark(意見を言う、言及する)
skim(薄い膜、ざっと読む、すくい取る)
straight(ストレート、真っすぐ、連続した)
grazeグレェィズ(擦りむく、かする)
【メモ】
※「shall」が出てくる度に毎回調べている気がする。
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◆助動詞「可能性・推量」とコアイメージ
「~するべき」「~のはずだ」
be 100%「いる、ある」
shall 98~100%「神の意思」「天命を受けた」日本語で言う古語のようなもので、滅多に使われない。
must 98~100% 主観的「~に違いない」絶対・強制的。これしかないもモノが追ってくるイメージ。
have to 98~100% 客観的「(状況的に)~に違いない」義務・責任感。
will 80~100% 「~だろう」自分の意思。
would 80~100% 「~だろう」控え目で、丁寧で、確率の低い「will」
should 70~90% 主観的意見「たぶん~だ」「これまでの経験から、普通はこうだよね」
ought to 70~90% 客観的真実「たぶん~だ」shouldよりも命令的。
can 50~70% 「~ということはあり得る」事実、能力、根拠に基づいた可能性。
may 30~50% 「~かもしれない(推量)」話し手の推測、自信がない。
might 25~50% 「ひょっとして~かも」
could 20~50% 「ひょっとして~かも?」
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「—それか次の日まで、おそらく」使用人はまるで何事もなかったかのように、同じ口ぶりで続けた。
「どうやって入ればいいのかしら?」アリスはより大きな声で再び尋ねた。
「そもそもあなたは中に入ることになっているのですか?」使用人は言った。「まずはそれが問題ですね。そうでしょう?」
もっともな意見だったが、その物言いに腹が立った。「まったく嫌になっちゃうわ」アリスは悪態をついた。「あなたたちの屁理屈はもうたくさん。頭に来すぎておかしくなりそうよ!」
at all(少しも、いったい、そもそも、いやしくも、かりそめにも)否定や疑問を強調する働き。
no doubt(たしかに、~を疑う)
told(tell)
dreadfulドゥレッドゥフォウ(非常に恐ろしい、ひどく不快、忌むべき、ものすごい)
mutteredマタァ(不平・不満・文句を言う)
argueアーギュー(口論、言い争う、論じる)
drive one crazy(頭にくる、憤慨する)driveには「人をある状態へと至らせる」という意味もある。
【メモ】
◆the way all the creatures argue.
全ての生き物たちの議論の仕方
◆It's enough to drive one crazy!
頭に来るからもう十分!
使用人はそれを同じ言葉を繰り返すチャンスだと思ったようで、さっきより変化を加えて言った。
「私はここに座っていなければなりません」「立ったり座ったり、来る日も来る日も」
「だけど、私はどうすればいいの?」アリスは言った。
「どうぞお好きなように」使用人はそう言って口笛を吹き始めた。
「あぁもう、彼と話すのは無駄のようね」アリスは投げやりに言った。「完全な大バカ者よ!」そしてドアを開けて入っていった。
on and off(時々、断続的に)
for days and days(何日も何日もずっと、来る日も来る日も)
whistling(口笛)
desperatelyデスパートゥリィ(やけになって、必死になって、絶望的に)
idioticイディオティク(大馬鹿な、間抜けな)
【メモ】
◆The Footman seemed to think this a good opportunity for repeating his remark, with variations.
使用人はそれを考えたように見えた、彼の言うことを繰り返すためのいい機会だと、バリエーションと共に
ドアの先は広いキッチンに続いており、そこら中に煙が充満しているようだった。中央には公爵夫人が赤ん坊をあやしながら三脚のスツールに腰を下ろしていた。コックは火の上に屈みこみ大きな鍋をかき混ぜていて、中はスープでいっぱいのようだった。
led(lead)
middle(中央、中間)
nursing(保育、授乳、看護)
leaning over(屈みこむ)
lean(寄り掛かる、もたれる、傾く)
stir(かき混ぜる)
cauldronコルドゥラン(大鍋)
【メモ】
◆The door led right into a large kitchen
この場合のrightは「真っすぐ続く」という意味
「コショウの入れすぎよ!」アリスはくしゃみをしながら言った。
確かに部屋中にコショウの粉が舞っていた。公爵夫人ですら時々くしゃみをしていて、赤ん坊はどうかというと、くしゃみをしては泣いてを繰り返し休む間もなく続けていた。キッチンの中ではコックと大きな猫だけがくしゃみをしていなかった。猫は暖炉の前に座っていて、耳まで届くほど口を広げてニヤニヤと笑っていた。
occasionallyオケージョナリィ(時々、たまに、時折)
alternately(交互に、代わる代わる、一つ置きに)
pause a moment(一呼吸置く)
hearth(暖炉)
grin(歯が見えるくらいにニカッと笑う)
「もしよかったら教えていただけませんか」それが話し始めのマナーに適っているかどうかは分からなかったが、少し不安になりながら言ってみた。「どうしてあなたの猫はそんなに笑っているの?」
「そいつはチェシャ猫さ」と公爵夫人が答えた。「だから笑うのさ。ブタめ!」
公爵夫人が突然暴言を吐いたのでアリスは飛び上がってしまった。だが、それはアリスにではなく赤ん坊に言った言葉だったようだ。なのでアリスは勇気を出して、もう一度話しかけてみた。
address(話す、対処する、呼びかける)
courageカーレッジ(勇気。勇敢さ、勇ましさ)
【メモ】
◆It's a Cheshire cat, and that's why
That's why(だから~だ)
→チェシャ猫だから笑うんだ。
◆チェシャ猫の名前の由来
「grin like a Cheshire cat(チェシャ猫のように笑う)」→「歯茎を出して(ニヤニヤ)笑う」という慣用句があり、ルイス・キャロルが執筆している当時はありふれた表現だった。だけどこの慣用句の由来についてはっきりと明らかになっておらず、諸説あるよう。詳しくはウィキペディア
「チェシャ猫がいつも笑っているなんて知りませんでした。実は猫が笑うことができるのも知らなかったです」
「みんな出来るさね」公爵夫人は言った。「ほとんどのやつらが笑うよ」
「私、笑う猫がいるなんて知らなかったです」アリスは会話が出来たことに大変満足し、とても丁寧に言った。
「お前は何も知らないんだね」公爵夫人は言った。「何も知らない、それが真実さ」
in fact(実際、実は)
'em(themの略)
any(数・量の不特定性「いくらか」、種類の任意性「どれか1つの」)
politely(丁寧に、上品に)
アリスはその言い方がとても癇に障ったので話題を変えようと思った。何を話そうか考えている間、コックは大鍋を火からおろし次の仕事にとりかかった。彼女(※コック)は手の届く範囲の全てのものを、公爵夫人と赤ん坊に向けて投げつけ始めた。―最初に火かき棒、次に片手鍋、皿、それに食器、あらゆるものをまるでシャワーのように投げ続けた。公爵夫人はそれらが当たっても気にもとめない様子だった。赤ん坊はすでに泣きわめいていたので怪我をしたかどうか聞くのは不可能だった。
took(take)
saucepans(ソースパン、片手鍋)
fire-iron(火かき棒)
take no notice(気にも留めない、聞き流す、見向きもしない)
blow(打撃)
【メモ】
◆whether or not
~するかどうか。or notは強調の意味合いで、なくても通じる。
今回の章は3ページになりそうです。この章怖すぎでは・・・どんどん狂ってきてる感じがして悪夢を見ているようです。