【GoogleMap離島巡回の旅】#3 福岡編 地島(じのしま)
前回訪れし大島より本土を経由し、おおよそ四里の響灘沖にある地島へ向かう。
地島について
地島(じのしま)は、玄界灘と響灘の境界部に面する福岡県宗像市の島(有人島)なり。『筑前国続風土記』には、昔は慈島と記されしが、後に地島となりしとする。
地島は周囲九里三町、人口百七十人の小島にて候。
泊(とまり)と白浜(しらはま、豊岡)の二つの集落あり、海藻(ワカメ)、雲丹(うに)、鮑(あわび)などの磯漁業および釣漁業盛んなり。
島内には約六千本の藪椿自生し、自然豊かなる景色に恵まれたり。
加えて、釣りの好所としても評判高く、多くの釣り人を惹きつけるなり。
#伊能忠敬 #離島巡回の旅 #地島 #福岡県 #宗像市 #観光スポット #離島
島の見所
名所壱 倉瀬展望台(くらせてんぼうだい)
倉瀬展望台(くらせてんぼうだい)は地島北端にあり、玄界灘に浮かぶ大島と沖ノ島を望むことが叶ふ。この展望台には、水平線上の沖ノ島の位置を示す表示あり。
倉瀬展望台は、崖上に開けた草原の展望台にして、椅子も設けられたり。崖下近くには、半ば海に沈みし岩礁見ゆ。少し沖には大岩見ゆ。この岩は徳利に似た形をなせり。
豊岡港より、長さ一里二町の「つばきロード」を倉瀬展望台まで歩むには、二十丁ほどかかる。この道には椿の木並び、ほとんどの者の体力に適せり。展望台の約七町手前には、祇園山(高さ百三十九尺)の頂上に向かふ分かれ道あり。この少し急な道の目印は石の鳥居なり。この道は、雨の日滑りやすくなり候。頂上近くには、石にて造られし小さな祠あり、祇園天神祀られたり。
#伊能忠敬 #離島巡回の旅 #地島 #福岡県 #宗像市 #観光スポット #離島 #倉瀬展望台
名所弐 竜宮瀬(りゅうぐうせ)
大波止の付け根部分に展開せしは、竜宮瀬と呼ばるる地磯なり。竜宮神社の前を通り、海岸に出らるる。
フカセ釣りにて、クロ、チヌ、メイタ、サンバソウを狙うこと叶ふ。
#伊能忠敬 #離島巡回の旅 #地島 #福岡県 #宗像市 #観光スポット #離島 #竜宮瀬
名所参 厳島神社(いつくしまじんじゃ)
沖ノ島より安芸の宮島に神を勧請する途中、大風に遭ひ、仮屋を建て大風の止むのを待ちたり。その後、仮屋に宗像三神を勧請し祀りたると言い伝へあり。
祭神は、田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命の宗像三女神にて候。
#伊能忠敬 #離島巡回の旅 #地島 #福岡県 #宗像市 #観光スポット #離島 #厳島神社
名所四 沖ノ島展望台(おきのしまてんぼうだい)
宗像市の地島の最高峰たる遠見山の山頂(標高約百八十六尺)には、江戸時代に遠見番所が置かれし。
沖ノ島展望台には英語の表示もあり、水平線上にて沖ノ島を見つける助けとなり候。この展望台のそばには、石垣の跡あり。これは、船を監視し鯨を見つけるために建てられし江戸時代(元和から慶応年間)の番所と見張り台の跡と考えられたり。
#伊能忠敬 #離島巡回の旅 #地島 #福岡県 #宗像市 #観光スポット #離島 #沖ノ島展望台
次の目的地
次回は藍島(福岡県北九州市)を巡り候。楽しみにしておるがよい。
付録:大日本沿海輿地全図(離島巡回の旅)
【むなかた牛が恋しくなりし方々へ】
宗像の地で定番とされし「むなかた牛」をご紹介申し上げます。この逸品、Amazonにてお取り寄せ可能なり。
ご自宅にて、宗像の味わいを楽しむべく、ぜひ一度お試しあれ。(宣伝)