【高校数学】反復試行の確率
1.はじめに
細かいところまで思考する。 これが数学で大切なことです。数学が苦手という人は、これができていない可能性が高いです。反復試行の確率の問題を通して、確認してみましょう。
まずは、次の問題を解いてみてください。
さいころを4回投げる反復試行の確率ですね。
正解は、
です。
ある試行をn回行うとき、確率は (1回目の確率)×(2回目の確率)×・・・×(n回目の確率) で求められる。
1回ごとに確率を考えて、それらをかけるだけです。
2.反復試行の確率の問題
では、本題です。次の問題を解いてみてください。
再び、さいころを4回投げる反復試行の確率です。
1の目が2回出るから、
と考えた人は、甘い!!! なぜ、甘いのか。 これを考えることが、反復試行の問題で大切なポイント①です。
3.ポイント①
4回投げるのだから、残りの2回分のことも考えてください。 1の目は2回だけ出るから、残りの2回分は、1以外の目が出ればよいですね。 ということは、
ポイント① 問題文に書かれていない残りの回数分の確率も考えること
これが細かいところまで思考するということです。
ちなみに、公式にある"1-p"は残りの回数分のうち1回分の確率です。 上の問題でいうと、1の目が出る確率は、1/6 そうでない、1以外の目が出る確率は、1-1/6=5/6 ということです。
じゃあ、初めの問題と同じじゃん。。。と考えた人は、甘い!!! なぜ、甘いのか。 これを考えることが、反復試行の問題で大切なポイント②です。
4.ポイント②
1の目がちょうど2回出るって言われているだけで、 1、2回目が1の目というわけではないですよね。 1、3回目が1の目だって、3、4回目が1の目だっていいわけです。 他にもいろんなパターンがありますね。
1、2回目、1、3回目、1、4回目、2、3回目、2、4回目、3、4回目
の6パターンあります。なので、
の式に6をかければ、めでたしめでたし。
ポイント② 何回目に出るか不明なときは、何パターンあるのか考えること
これも細かいところまで思考するということですね。
だけど、パターンを数えるのは少し大変。 例えば、10回投げるうち、1の目がちょうど4回出るという問題だったら、 何パターンあるんだ? なんと、210パターンですよ。数えてるだけで、日が暮れます。
いちいち数える以外方法はないのか、、、
10回のうち4回、4回のうち2回、、、あ!コンビネーションだ! 10C4(通り)、4C2(通り)ですね。
異なるn個のもののうち異なるr個を取り出して作る組合せを nCr で表す。(計算の仕方は省略します)
ということは、直接パターンを数えて6をかけてもいいですが、 機械的に4C2をかけてもいいですね。
ということで、
の問題の解答は、
が正解です。
ちなみに、公式に出てくるnCrはこの何パターンあるのか、のことです。
5.おわりに
では、反復試行の確率のまとめです。
ある試行をn回行うとき、確率は (1回目の確率)×(2回目の確率)×・・・×(n回目の確率) で求められる。 ポイント① 問題文に書かれていない残りの回数分の確率も考えること ポイント② 何回目に出るか不明なときは、何パターンあるのか考えること(nCrパターン)
このポイントのように、細かいところまで思考できれば、反復試行の確率はマスターできます。そして、こういう思考が数学のおもしろさの1つだと思います。数学で大切なことは、
細かいところまで思考する。