最幸な日本酒会を開催しました。 inカレーとごまどうふの店「石本商店」
なんで日本酒会をやろうと思ったの?
シンプルに日本酒と食が大好きだから。
という事は大前提として、
大学を卒業、22年間お世話になった新潟を離れるということで、新潟で「日本酒×ペアリング」の楽しさを実際に体感してもらい、皆さんに共有する場を作りたいと思ったからです。
いわば、集大成ですね。
今回セレクトした日本酒も新潟しばりです。
そして開催地として絶対に譲れなかった場所が、石本商店でした。
石本商店とは
毎週替わる和風なスパイスカレーとごまどうふのデザートが楽しめるお店。
こずえさんふみやさんご夫婦のつくりあげる圧倒的世界観は唯一無二。
人生で1番通ったお店です。愛してます。
実は以前に石本商店でワイン会が開催された際にお客さんとして参加しました。石本商店のメニューは「週替わりスパイスカレーのみ」なのですが、特別な開催のコースはジャンルに縛られない一品料理(普段お店では出していない)。
これらの料理も感動するほど美味しく…それ以来、石本商店に通うたびに「日本酒ペアリングをするなら石本商店しかない」と思うように。
普段出汁ベースで和風なスパイスカレーがメインな石本商店のふみやさんが作るお料理が合わないわけがないと思ったからです。
こずえさんに日本酒会のことを提案してみたところ、快く「ぜひやりましょう!!!!!」といっていただく事ができ、開催が決まりました。
日本酒レベル★★⭐︎
今回は、精米歩合や酒米、製法の違いによる飲み比べなどいわゆる「日本酒マニア」向けのものではなく、食卓に日本酒を添える楽しさが体感できるイベントをコンセプトにしました。
石本商店さんにも、日本酒好きレベル★★⭐︎ぐらいの方でも最高に楽しめるイベントとお伝えしました。
テーマは身近な感動
単純ですが、私が食体験において好きで大切にしていることが感動と安心だと思ってます。
私にとって記憶に残る食体験は「こんなのはじめて!こんな食べ方あったの?」という感動+「なんかホッとする」「食べ疲れしない」「また食べたい」と思えるものだからです。
さて、どんな基準でお酒をセレクトしたのか。いろいろこだわりがあるので紹介します。
①新潟のお酒である事
新潟県内のゲストが多いので「新潟の酒」メインで揃えました。地元のお酒ってなんだか愛着が持てる気がします。
②レアすぎない
マニア向けではないので、難しい要素(精米歩合や酒米、製造法のこだわり)メインな日本酒セレクトではなく、食事と合わせて新しい発見を感じやすいものに。
そして、美味しかったら出来るだけすぐ県内でも買えるものを。
③おしゃれさ
石本商店の木を基調としたシックな店内やおしゃれな食器に盛り付けられたお料理、カトラリーと合うような見た目にも可愛くて美しいものを。
思わず写真を撮りたくなる、飲んでみたい!と心踊るデザインのもの。
メニュー紹介
お待たせしました。
ではここからは当日の日本酒とコースメニューを振り返ります。
全8品に合わせて8種類の日本酒をセレクトしました。
① 瓶内二次発酵あわ (八海醸造)
×師匠の糠漬け
華やかでリッチなスパークリング。ほのかな甘さとシャンパンの様なキレのある喉越し。
なので、ただシュワシュワしているだけでなく自然で繊細かつ上品な発泡感が楽しめるのです。
こちらと合わせるのが糠漬け。古町の名店「ロングライド」さんの糠床をレンタルしたそうで、きゅうり、にんじん、青りんご、アボカドの4種盛りのお野菜の甘みとほのかな酸味がぴったりでした。
② A60 (マスカガミ)×揚げ出しごまどうふ
直接皆さまに飲んでいただき感想をお聞きしたいと思い、いつかの日本酒会開催のために眠らせておいた一本。
まず初めに飲んだ時に、癖がなくシンプルに美味しい味を目指しました。甘い・辛い・酸味など、どれかに偏らずバランスのとれた味わいが、普通酒も美味しいマスカガミらしさでもあるからです。
生貯蔵を一年熟成させたこちら。お燗にすると柔らかくふわふわと包み込むような幸福感を味わえます。まるでふかふかのソファにダイブしたあれです。
こちらに合わせるのが揚げ出しごまどうふ。石本商店の看板メニューごまうふふをいつもより葛多めで練り、硬めに仕上げていただきました。ごまのクリーミーさと揚げ物のこっくりさ。それを包む出汁の優しさはまさにエーロクマルとのペアリングに求めていた一品。
③スキー正宗ワイン樽熟成 (武蔵野酒造)×じゃがいものポタージュ
ワイン独特のタンニン(渋み)や葡萄感を感じつつ、飲み口も軽く飲みやすい。樽の香りや後味の余韻が素敵で白ワインの爽やかさと赤ワインのコクのいいとこどりなお味です。
これには少しフレンチ寄りな?ワインに合いそうなチーズ系なお料理かなと提案したところ、ふみやさんが作ってくれたのはじゃがいものポタージュでした。完璧です。
長ネギとじゃがいもをベースに、バターと生クリーム、白出汁で仕上げています。和なテイストが見え隠れするポタージュ。素晴らしかったです。
④ 山椒麒麟山サワー(麒麟山酒造)×タンドリーチキン
山椒の香りを際立たせるため麒麟山超辛口をベースに。ちょっと大人で爽やかスッキリな味わいに仕上げました。飲み疲れしないですし、自宅でも簡単に試せるので個人的にかなり推してます。
レモンサワーやハイボール的な立ち位置ですので、揚げ物やスパイシーなガツンとしたお料理と合わせたく、選んでいただいたのがタンドリーチキン。マリネした手羽元を2時間コンフィして仕上げたそうです。
⑤ 菱湖 純米吟醸生 JUICE (峰乃白梅酒造)×豆腐と牡蠣味噌のカレー
注目のブランド「菱湖」
その中から今回は、まるでJUICEのように甘酸っぱい、シリーズの中でも特にキュートな一本をセレクトしました。
軽やかで甘酸っぱい味わいになる秘密は白麹。レモンにも含まれる爽やかなクエン酸を沢山生成してくれるのです。
ここからのお料理はカレー3連発。
第1弾は豆腐と牡蠣味噌のカレー。
炙った味噌漬けの牡蠣がどっしり構えてます。牡蠣と味噌と日本酒の相性は言うまでもないですね。
⑥ 花越路かろかろ (村佑酒造)×生姜と納豆のキーマカレー
今回は原点に帰り、有名な村祐シリーズではなく、地元銘柄花越路をセレクト。
「かろかろ」は、アルコール度数が通常より1~2度低く調整されており、その名の通り「軽快」という意味もあります。村祐らしい、甘味と酸味がありながらも、すっきりと優しくて、身体に優しく染み渡る味わいです。
レトロかわいいラベルも石本商店の雰囲気ともぴったりですよね。
第2弾のカレーが生姜と納豆のキーマカレー
石本商店がキッチンカー時代から出していた伝統の生姜キーマに初の納豆IN!!!青ネギ、うずら黄身、すり胡麻、鰹節のアクセントがもうたまらんですね。
食中酒向きなかろかろは、私の好きなお燗で提供。(スパイスとお燗は合うのです)
「ざ!和食!」な出汁が効いた家庭料理的なものがいいなぁと思っていたところで、この「ざ!石本商店」な和風カレーは最高でしたね。
⑦麒麟山なごり雪ラッシー風(麒麟山酒造)×黒酢ビンダルゥ
濃厚で甘口タイプなのですが、麒麟山らしいキレ、お米の旨味やコクも堪能できる味わい。そこに飲むヨーグルトをブレンド。
(分量は、にごり酒2:ヨーグルト1)
第3弾カレーの酸っぱ旨辛黒酢のビンダルゥと合わせました。
⑧あべ× UNITED ARROWS 限定コラボ酒(阿倍酒造)×チョコレートアイスとピスタチオの黒ごまうふふ
ついに〆になってしまいましたね。
ラストは、日本酒業界で常に話題の渦にいる阿部酒造とUNITED ARROWS限定コラボ酒を。
通常の日本酒はお水で仕込みますが、そのお水の代わりに一部日本酒を加える貴醸酒という製法。はちみつのようにリッチな甘みを感じる味わいに。
今回のお酒は、さらにその貴醸酒で貴醸酒を仕込んだ、とっても珍しい、阿部酒造の挑戦酒。
貴腐ワインテイストな貴醸酒。アイスクリームなどのスッキリ濃厚系なデザートと合わせるのがおすすめなのですが、
石本商店には、まさにぴったりなあれがあります。そう、ごまうふふデザート。
ぷるんぷるんのごまうふふは、まるでごまプリンのようなまったり優しい甘み。アイスを乗せたらきゅっと味わいをしめてくれます。今回のトッピングはチョコとピスタチオでさらにまったり。幸せな〆デザートでした。
さいごに
今回イベントを開催して。本当に楽しかったです。今後も日本酒会、頑張りたいな。皆さんと美味しい時間を共有したいなとあらためて思いました!!!
嬉しかったので参加してくださった方の感想も載せちゃいます。他にもたくさんのメッセージ、メンションありがとうございます。
次回はデザートにフォーカスした会やお燗の会を素敵なカフェで出来たらなと画策しております。
是非、今回の記事を読んで興味を持っていただいた方は日本酒会に遊びに来ていただけたら嬉しいです。
さいごに
石本商店のふみやさん、こずえさん。
参加していただいた皆さま。
幸せな時間をありがとうございました!
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