
【ビールログ】 BLUE MOON -元食品メーカー研究職が本気テイスティング-
ワインの中には知恵がある。
ビールの中には自由がある。
(ベンジャミン・フランクリン 抜粋)
筆者は以前、とある食品メーカーで研究開発をしていた。
その経緯もあり、食レポ経験値は高めだと自負している。()
そんな筆者が愛してやまないのは、クラフトビール・BLUE MOON(ブルームーン)。
自分へのご褒美として飲む、ちょっと高級なクラフトビールのうちのひとつ。
こちらのブルームーンをテイスティングし、ゴリゴリ理系っぽく定量評価していきたいと思う。
BLUE MOON(ブルームーン)とは
ブルームーンはアメリカ産のクラフトビール。製造者は全米売り上げNo.1を誇る「ブルームーン・ブリューイングカンパニー」である。
当時のアメリカ国内における試飲会でのこと。このビールを飲んだ人が「Once in a blue moon!(こんなに美味しいのは奇跡だ!)」と表現したことが、ブルームーンという名の由来と言われている。
ブルームーンの分類はベルジャンホワイトエール。ベルジャンホワイトエールとは、ベルギー発祥のホワイトビールのことだ。14世紀にベルギーのヒューガルデン村で生まれた、歴史あるビアスタイルである。
ホワイトエールの味わいはフルーティー&スパイシーで、苦味は少ない。ビールが苦手な人や女性にも好まれやすいクラフトビールである。ビールの原材料である大麦麦芽に加えて小麦を使用し、コリアンダーとオレンジピールで風味付けされているのがホワイトエールの特徴だ。
数あるホワイトエールの中でもブルームーンは、使用されるオレンジに特徴がある。
通常のホワイトエールは、キュラソーオレンジ(オレンジの皮で作ったリキュール)が使われる。一方でブルームーンは、バレンシアオレンジの皮を使用しており、ほのかな甘みが特徴的だ。また、パッケージには「オレンジを添えて楽しんでください」とある。
BLUE MOON(ブルームーン)の数値データ
ブルームーンのアルコール度数は5.5%だ。ごくごく飲みやすいビールだが、意外と度数高め。
ブルームーンのIBUは9。IBUとは苦味の基準のこと(国際苦味単位:International Bitterness Units)である。
例えば、ドイツのピルスナーという有名なクラフトビールは IBU25~45。おなじみの日本のビールは IBU20前後だ。
この値と比べると、ブルームーンはかなり苦味の少ないビールであることがわかる。
ブルームーンのSRMは5。SRMとはビールや麦芽の色を表す指標(標準参照法:Standard Reference Method)のひとつである。SRM数値が高いほど色が濃い。ブルームーンの色味は、上の図の上段左から3番目くらいの色。ちなみに図中にあるEBCは、ヨーロッパで使われている色度数のこと。
プロのビール評価方法
飲むからにはしっかり評価したい。
私がメーカーの研究開発時代、食品の味評価はしていたが、ビールは扱ったことがないのでどうしたものか・・・と思っていたところ、プロの評価方法を発見。
なので今回はこちらを参考にさせていただいた。
プロが用いる評価項目は5項目。見た目、香り、味(フレーバー)、喉越しや口当たり、そして総合評価だ。
各項目でもそれぞれ細かい評価ポイントがあるようだが、それは後々書いていくこととする。
BLUE MOON(ブルームーン)テイスティング
実際にテイスティング!(嬉々)
ブルームーンの味わいを一言で表現するならオレンジカルピス(←)
オレンジのフルーティーな甘みを感じる飲みやすいビールだ。そしてとにかく香りが良い。コリアンダーのスパイス感はそれほど強くはないが、後味にほのかに感じる爽やかさが絶妙。
水曜日のネコやヒューガルデンなど、他のホワイトエールと比べても苦味が少なく、カクテルっぽい印象すらある。
詳しい評価データはこちら。
(1) 見た目
色味:淡い黄金色
透明度:濁っている
炭酸:ほとんど感じない
泡立ち:ライト
(2) 香り
強さ:ミディアム。
香り:ホップは花香、モルトはビスケット香、エステルはオレンジ香
(3) 味(フレーバー)
苦味:★
甘味:★★★★
酸味:★★
(4) 喉越し・口当たり
コク:★★★
キレ:★★★★
(5) 総合評価
オレンジカルピスっぽいカクテル感(大好きです。愛。)
まとめ
ビールの本場・ベルギー 伝統のホワイトエールに習い、アメリカで生まれたブルームーン。苦味が苦手な人でも飲みやすい、人懐っこいビールだった。
特別な日に飲みたい一本として、記憶のリストに入れておこう。
クラフトビール好きさんや、フルーティーなビールがお好きな方にぜひ。
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