見出し画像

はっくしょんな誕生日

誕生日という名の日常

今年の誕生日は地域のゴミ拾い(一斉清掃)からはじまった。
子どもたちもかりだして、集合場所の集会所までゴミ拾いをしながら行くことにした。
子どもたちが「めんどくさい」と言うものだから、「誰が最初にゴミを10個拾えるか勝負しよう」と言ってみた。

とたんにやる気を出す子どもたち。
子どもの目はいい。
どんどんゴミを見つけ出す。
よくそんなゴミまで…と言いたくなるほどだ。
本気でやるからゴミが見つかるのか。
子どもは自らゴミを見つけに行き、反対に大人は視界に入ったゴミを拾っているのだろう。


集合したあとはゆるくグループに分かれて地域のゴミ拾いにくりだした。
おもしろいのは、ゴミ拾いはみんなでやると盛り上がるということ。
「ここはポイ捨てする人が多いよね」と楽しげに文句を言ったりする。
珍しいゴミが出てきたときには少しテンションが上がる。
不思議なことにただのゴミ拾いがだんだんと宝探しのようになっていく。

これがひとりだったらこんなに楽しくできない。
みんなでやるからこその群れのパワーを感じた。

解散後、帰りは長男が持ってきていたクネクネするスケボーみたいなやつを順番で乗りながら帰った。
わたしが乗ろうとしたとたんバランスを崩してしまい、すぐにもう一度乗り直そうとした。
すると、ルールに厳しい次男が「それはズルだよ!」と言ってきた。
「お母さん1番下手くそなんだからよくない?!」
と言ってみたものの決して聞き入れることはなかった。
(いーじゃん!1回くらい!そんなお気持ちでした…笑)

家に帰ると鼻の奥と喉の奥がいがいがしていることに気づいた。
何かの花粉を吸い込んでいたようだ。

午後はいがいがを無視して長男と草取りをした。
30分ほどで草取りにあきた長男は一輪車で草を捨てに行く係を名乗り出て、そのまま気配を消して姿も消した。

相変わらずわたしは草を抜きつづけている。
そのとき突然手に柔らかい感触を感じた。
視線を向けるとスズメが死んでいて、目玉が無くなっていた。
「スズメが死んでるー!」
わたしの声を聞きつけた次男がどこからか飛んできて、
「おれが埋めとくわ!」
とさっとやってきてさっと埋めに行ってしまった。

次男は突然のお困りごとにはスーパーマンのごとく現れる。
それまで自分がやっていたことを投げ出してやってくる。
いつも全力で助けてくれる。

おもしろいのは普段の生活の中で頼み事をするとものすごく嫌な顔をするし、説得しないとやってくれないことだ。
どうやらスーパーマンの顔は非常時だけのものらしい。


草取りを終えて家に入ったくらいから、わたしはくしゃみが止まらなくなった。
その日も、次の日もくしゃみがたくさん出た。
昔、咳が止まらなくて肋骨あたりが痛くなったことがあったが、今回くしゃみも侮れないなと感じた。
咳同様くしゃみも体力を削るのだ。
ただくしゃみをしているだけなのに体力が削られて疲れてしまった誕生日だった。

おかげさまで楽しくてしんどい印象深い40歳の誕生日となりました。

おしまい。



いいなと思ったら応援しよう!